損害賠償金に消費税が含まれる場合の仕入税額控除

 損害賠償金は、原則として消費税の課税対象にはなりません。例えば、交通事故を起こして相手の自動車が破損した場合に、損害賠償金(示談金)として修理費相当額10万円を支払っても、消費税の計算上は仕入税額控除の対象になりません。
 では、相手から交付された損害賠償金の請求書に、消費税10%を含む11万円が記載されていた場合は仕入税額控除の対象となるのでしょうか?
 今回は、このようなケースについて確認します。

1.損害賠償金と消費税の基本的関係

 消費税は、国内において事業者が行った資産の譲渡等を課税対象としています。資産の譲渡等とは、事業として対価を得て行われる資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供をいうことから、次の4要件を満たすものが国内取引の課税の対象となります(消費税法第4条1項)。

(1) 国内取引であること
(2) 事業者が事業として行うものであること
(3) 対価を得て行われるものであること
(4) 資産の譲渡及び貸付け並びに役務の提供であること

 そして、心身又は資産につき加えられた損害の発生に伴って受ける損害賠償金は、資産の譲渡等の対価に該当しないものとして、原則として不課税とされています。ただし、次のような、その実質が資産の譲渡等の対価に該当すると認められるものは、その名目にかかわらず消費税の課税対象となります(消費税法基本通達5-2-5)。

(イ) 損害を受けた資産等が加害者等に引き渡される場合の損害賠償金で、そのまま又は軽微な修理を加えることにより使用できる場合
(ロ) 特許権や商標権などの無体財産権の侵害につき加害者から収受する損害賠償金
(ハ) 不動産等の明渡し遅滞により加害者から収受する損害賠償金

 今回採り上げるケースは、上記(イ)~(ハ)のいずれにも該当しません。

2.損害賠償金に消費税を含めることの可否

 では、今回の本題に入ります。今回採り上げるのは、次のようなケースです。

 交通事故の損害賠償金として、被害者から自動車の修理代として請求された金額に消費税が含まれていた。修理代は被害者が修理業者に直接支払っており、修理業者の請求書の宛先も被害者となっている。この場合、加害者側でその損害賠償金を仕入税額控除の対象としていいのかどうか?

 ここで疑問が生じるのは、損害賠償金に消費税を含めていいのかどうか、ということです。
 この点については、当事者である被害者と加害者の合意内容によるべきものと考えます。例えば、被害者が課税事業者であり、仕入税額控除ができることをもって消費税抜きの金額にすることも、当事者間の合意があれば可能です。損害額の計算は、当事者間において損害額の算定をどうするかという合意内容によります。
 したがって、損害賠償金に消費税を含めて加害者に請求することについては、合意があれば特に問題はないといえます

3.仕入税額控除できるか?

 損害賠償金を支払った加害者側で仕入税額控除ができるかどうかを考えるにあたって、損害賠償金に消費税が含まれているか否かということは関係ありません。
 今回のケースでは、修理代を被害者が修理業者に直接支払っており、修理業者の請求書の宛先も被害者となっています。この場合、加害者が被害者に支払う損害賠償金は、損害の発生を起因としてその損害額の補填をする性格のものですから、対価性が無いものとして不課税になります。したがって、損害賠償金に含まれる消費税についても、仕入税額控除の対象にはなりません

 もし、今回のケースで、修理代を加害者が修理業者に直接支払っていて、修理業者の請求書の宛先も加害者となっている場合は、損害賠償金に含まれる消費税を加害者側で仕入税額控除ができます。修理業者に対価の支払いをし、自動車の修理という役務の提供を受けているからです(上記1の冒頭で述べた課税対象となる4要件を満たすからです)。

消費税の申告期限も延長できます(令和2年度税制改正)

 従来から、法人税には申請による確定申告書の提出期限の延長が認められており、2017年度(平成29年度)税制改正では延長可能月数の拡大も行われていましたが、消費税には提出期限の延長が認められていませんでした。

 そのため、消費税の申告後に、会社の決算承認手続きの過程で決算額の変動など法人税の申告調整が発生した場合、消費税の修正申告や更正の請求を行う事務負担が生じていました。

 このような状況から、法人税の申告期限を延長している企業から、消費税の申告期限についても延長を求める声が上がっていました。

 今回は、法人税の申告期限延長可能月数が拡大された2017年度(平成29年度)税制改正と、消費税の申告期限が延長された2020年度(令和2年度)税制改正の内容を確認します。

1.法人税の申告期限延長特例の拡大

 2017年度(平成29年度)税制改正で、企業と投資家の対話の充実を図り、上場企業等が株主総会の開催日を柔軟に設定できるようにするため、法人税の申告期限の延長可能月数が1か月から4か月に拡大されました。

(1) 会社法上の取扱い

 会社法上、法人は柔軟に株主総会の日の設定が可能とされています。例えば3月決算法人が、決算日から4か月後である7月末に株主総会を開催することが可能であり、8月以降に株主総会を開催することも可能とされています。

(2) 法人税法上の取扱い

① 原則

 内国法人は、原則として各事業年度終了の日の翌日から2か月以内に税務署長に対し、確定した決算に基づく申告書を提出しなければならないとされています。
 例えば3月決算法人の場合は、5月末までに申告書を提出しなければなりません。

② 特例(平成29年度税制改正)

 定款の定め又は特別な事情があることにより、その事業年度以降の各事業年度終了の日の翌日から2か月以内にその各事業年度の決算についての定時株主総会が招集されない常況にあると認められるときは、納税地の所轄税務署長は、その法人の申請に基づき、その事業年度以後の各事業年度の申告書の提出期限を1か月間延長をすることができます。
 例えば3月決算法人の場合は、5月末の提出期限を1か月延長して6月末とすることができます。

 ただし、次のイ又はロに掲げる場合に該当するときには、それぞれに掲げる期間を延長することができます。

イ.会計監査人を置き定款等の定めがある場合

 法人が、会計監査人を置いている場合で、かつ、定款、寄附行為、規則その他これらに準するもの(以下「定款等」といいます)の定めによりその事業年度以降の各事業年度終了の日の翌日から3か月以内にその各事業年度の決算についての定時株主総会が招集されない常況にあると認められるときには、確定申告書の提出期限をその定めの内容を勘案して4か月を超えない範囲内において税務署長が指定する月数の期間まで延長することができます。
 例えば3月決算法人の場合、5月末の提出期限を4か月延長して9月末とすることができます。

ロ.特別の事情がある場合

 特別の事情があることにより各事業年度終了の日の翌日から3か月以内にその各事業年度の決算についての定時株主総会が招集されない常況にあることその他やむを得ない事情があると認められるときには、税務署長が指定する月数の期間まで延長することができます。

(3) 適用時期

 上記(2)②の改正は、2017年(平成29年)4月1日以降の申請に係る法人税から適用されます。

 なお、これらの申請は、確定申告書等に係る事業年度終了の日までに、定款等の定め又は特別の事情の内容、指定を受けようとする月数等を記載した申請書(申告期限の延長の特例の申請書) をもって行います。

(4) 留意事項

 2017年度(平成29年度)税制改正では、法人税の申告期限は延長されましたが、法人税の納付期限は延長されていませんので、確定申告期限(事業年度終了の日の翌日から2か月以内)までに見込納付をする必要があります。
 また、法人税だけではなく、住民税及び事業税についても、申告期限の延長の特例の申請をする必要があるので、ご注意ください。

2.消費税の申告期限の特例の創設

 2017年度(平成29年度)税制改正では、法人税の申告期限は延長されましたが、消費税の申告期限は従来のままでした。
 そこで、法人税と消費税の申告期限が異なることによる事務負担を軽減するために、2020年度(令和2年度)税制改正で消費税の申告期限の特例が創設されました。

(1) 特例の内容(令和2年度税制改正)

 法人税の確定申告書の提出期限の延長の特例を受けている法人が、消費税の確定申告書の提出期限を延長する旨の届出書(消費税申告期限延長届出書)を提出した場合には、消費税の確定申告書の提出期限が1か月延長されます。

 届出の効力が生じるのは、提出した日の属する事業年度以後の各事業年度の末日の属する課税期間からです。

(2) 適用時期

 2021年(令和3年)3月31日以後に終了する事業年度の末日の属する課税期間から適用されます。
 例えば3月決算法人の場合、2020年(令和2年)4月1日~2021年(令和3年)3月31日の課税期間から適用されます。

(3) 留意事項

 法人税と同様に、確定申告書の提出期限が延長された期間の消費税の納付については利子税が発生するため、見込納付をする必要があります。
 また、消費税の課税期間を1か月ごと又は3か月ごとに短縮している場合、提出期限の延長が認められる課税期間は、事業年度の末日の属する課税期間のみとなります。

中間申告期限は督促状が届いてもコロナ延長可能

 先日、「新型コロナ対応で中間申告も期限延長できます(延滞税に注意!)」という記事を書きましたが、その際に疑問に思ったのが、税務署側では納税者が中間申告のコロナ延長申請をするまでその事実を知ることができないため、納税者に督促状が送られてくるのではないかということでした。

 この点について、国税庁では「中間申告書の提出期限の延長に関するお知らせ」の案内文を納税者に送付する措置をとっているようです。

 今回は、「中間申告書の提出期限の延長に関するお知らせ」の内容を確認します。

1.納税者の不安を払拭するため

 国税庁では、2020年(令和2年)5月現在ですでに中間申告期限が到来している納税者には、督促状の送付前に「中間申告書の提出期限の延長に関するお知らせ」の案内文を個別に送付するとともに、6月以降に中間申告期限が到来する納税者には案内文を中間申告書に同封することとしています。
 期限延長(個別延長)を予定していても、延長がなされるまで督促状が送付される場合があるためです。

 中間申告書の提出がなく、その提出期限に提出があったとみなされた後でも、新型コロナウイルスを理由とする提出期限の延長は可能とされています。

 しかし、この期限延長がなされるまでは督促状が発送される場合があることから、納税者が不安を抱くことが懸念されるため、今回の対応となったようです。

2.コロナ延長申請で督促状は効力を失う

 「お知らせ」では、中間申告書についてその提出期限までに提出がなかった場合には、その提出期限に提出があったものとみなされていますが、みなされた後であっても、提出期限の個別延長は可能であることを改めて周知しています。

 そして、中間申告書の提出ができることとなった時点で、中間申告書の提出の際に、その中間申告書の余白部分に「新型コロナウイルス感染症の影響による期限延長申請」である旨を記載して提出することを求めています。

 また、中間申告書を提出できない状態が確定申告書の提出期限まで続く場合には、中間申告書の提出は不要となることを周知しています。

 提出期限の延長申請を予定している場合であっても督促状が送付される場合がありますが、国税庁は上記と同様に、中間申告書の提出の際に、その中間申告書の余白部分に期限の延長申請である旨を記載して提出することにより、その提出日まで提出期限が延長され、その督促状は効力を失うと説明しています。

 さらに、延長申請をした後に督促状が届いた場合は、行き違いである旨を述べています。

新型コロナ対応で中間申告も期限延長できます(延滞税に注意!)

 新型コロナウイルス感染症の影響により、確定申告期限内に法人税や消費税等の申告・納付ができない場合は、「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」である旨を申告書の余白に付記して提出する個別延長が認められていますが、中間申告期限についても個別延長が認められています。

1.事後提出時に余白に記載で可

 法人税及び消費税の中間申告については、前期の確定した税額から中間申告に係る税額を計算する「通常の中間申告」と、これに代えて、中間期間を一つの事業年度(又は課税期間)とみなして確定申告と同様に法人税額(又は消費税額)を計算する「仮決算による中間申告」があります。

 例えば、新型コロナウイルス感染症の影響により、当期の業績が悪化しているような場合には、通常の中間申告に代えて、仮決算による中間申告を検討することも考えられます。
 その際に、外出自粛要請の影響など通常の業務体制が維持できないことにより、例えば、① 通常の中間申告に係る納付税額と、仮決算による中間申告に係る納付税額を比較・検討するための準備に時間を要する、② 仮決算による中間申告に係る申告書の作成に時間を要するなど、中間申告書を提出期限までに提出することが困難となる場合が考えられますが、このような場合にも、提出期限の延長(個別延長)が認められます。

 提出期限までに中間申告書を提出することが困難な場合には、中間申告書の提出 ができることとなった時点で、中間申告書の提出の際に、その中間申告書の余白部分に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」である旨を記載して提出すれば、事後的に提出期限の延長(個別延長)が認められます

2.納付を先にしないと延滞税がかかる

 確定申告の個別延長と同様に中間申告の個別延長の場合も、申告期限及び納付期限は原則として申告書の提出日となります
 この場合、申告と納付のタイミングがずれる、つまり、会計事務所の申告日が先で関与先様の納付日が後になると延滞税がかかるのかどうか気になりました。

 この点について税務署に問い合わせたところ、基本的には申告と納付は同じ日にしなければならないとのことでした。
 納付日が申告日より先になっても問題はありませんが、納付日が申告日より後になってしまうと、ずれた日数は延滞税の計算対象になるということでした。
 関与先様とよく打ち合わせをして、関与先様から納付の連絡を頂いたうえで、会計事務所は申告をした方がよさそうです。

3.中間申告書が提出不要となる場合

 中間申告書を提出することが困難な状態が確定申告書の提出期限まで続く場合には、その中間申告書の提出は不要となります。つまり、中間申告により納付する法人税及び消費税は生じないこととなります。

 この場合には、確定申告書を提出する際に、確定申告書の余白に、「中間申告書は新型コロナウイルス感染症の影響により提出できなかった」旨を記載して提出します
  なお、所轄税務署から送付される確定申告書に印字されている中間税額には、その生じないこととなる税額が含まれていますので、使用の際には、その生じないこととなる税額相当額を控除した金額に訂正します。

4.中間申告書のみなし提出について

 一方、上記のような事情がなく、中間申告書をその提出期限までに提出することが可能だったにもかかわらず、中間申告書の提出期限までにその提出がなかったときには、その提出期限において通常の中間申告に係る中間申告書の提出があったものとみなされます。
 この場合には、その提出期限において通常の中間申告に係る納付税額が確定します。

新型コロナで簡易課税制度の適用変更は可能!

1.簡易課税の適用変更は現行法に特例あり

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急経済対策の税制措置では、消費税の課税事業者選択の変更に係る特例が設けられました。

 この特例では、新型コロナの影響を受けている事業者(法人・個人)が一定の要件を満たすときは、税務署に申請し承認を受けることによって、課税期間開始後であっても課税事業者を選択する又はやめることができます。

 一方、簡易課税制度については緊急経済対策に盛り込まれていませんが、簡易課税制度の適用変更については、もともと現行法(消費税法第 37 条の2)において、「災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた場合」の特例が設けられています。

 今回の新型コロナウイルス感染症は、この「災害その他やむを得ない理由」に該当します。したがって、新型コロナウイルス感染症の影響による被害を受けたことにより、簡易課税制度の適用を受ける又はやめる必要が生じた場合、税務署長の承認を受けることにより、その被害を受けた課税期間から、簡易課税制度の適用を受ける又はやめることができます。

2.簡易課税の適用変更の手続き

 今回の新型コロナウイルス感染症等の影響による被害を受けたことで、 例えば、

・ 通常の業務体制の維持が難しく、事務処理能力が低下したため簡易課税へ変更し たい
・ 感染拡大防止のために緊急な課税仕入れが生じたため一般課税へ変更したい※1

などの事情がある事業者は、納税地の所轄税務署長の承認を受けることにより、課税期間の開始後であっても、簡易課税制度を選択する又は選択をやめることができます。

※1 「感染拡大防止のための緊急な課税仕入れ」とは、例えば次のようなものです。
・ 社員を分散して勤務させるため、別の事務所を緊急で借り上げた
・ 感染予防のため、パーティションを設置するなど増設工事を行った
・ 消毒液やマスクなどの衛生用品を大量に購入した

 この簡易課税制度の特例を受けるためには、新型コロナウイルス感染症等の影響による被害がやんだ日から2月以内※2に「災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書※3」と併せて、「消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります

※2 被害のやんだ日がその申請に係る課税期間の末日の翌日(個人事業者の場合は、その末日の翌日から1月を経過した日)以後に到来する場合には、その課税期間に係る確定申告書の提出期限(国税通則法第11条の規定の適用により申告期限等の延長を受けている場合にはその延長された期限)となります。

※3 「災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」の様式については国税庁ホームページを参照してください。

 なお、この特例の適用を受ける場合、2年間の継続適用要件は適用されません。また、 調整対象固定資産や高額特定資産等を取得した場合の「消費税簡易課税制度届出書」の提出制限も適用されません。

間違って提出した消費税の選択届出書は取下げ可能?

 消費税の課税事業者選択届出書や簡易課税制度選択届出書の効力は、通常はこれらの届出書を提出した課税期間の翌課税期間の初日から発生します。
 もし、間違ってこれらの届出書を提出してしまった場合、翌課税期間は必ず課税事業者として納税義務が発生するのでしょうか?あるいは、簡易課税制度を必ず適用しなければならないのでしょうか?
 今回はこのような事例について述べていきます。

1.届出書を提出した課税期間の末日までに取下書を提出する!

 私が以前に勤めていた会計事務所で実際にあった事例ですが、消費税課税事業者届出書を提出しようとしていたところ、間違って消費税課税事業者選択届出書を提出してしまったということがありました。届出書のタイトルや内容をよく確認せずに出してしまったケアレスミスでした。
 このような場合、本来は免税事業者であったのに、翌課税期間から消費税の納税義務は発生するのでしょうか?

 答えは「否」です。
 消費税課税事業者選択届出書は提出した課税期間の末日まで(選択の効力が発生するまで)は、その取下げが可能であると解されています(簡易課税制度選択届出書も同じ)。

 つまり、翌課税期間が始まる前であれば効力は生じていないため、選択届出書を取下げることができます。

 具体的には、取下げを申請する旨、同届出書を提出した日付等を記載した下記の書面(いわゆる「取下書」)を税務署に郵送・持参によって提出します(電子での提出はできません)。法律に照らした手続きではないため、所定のフォーマット等はありません。

消費税課税事業者選択届出書の取下書
○○税務署長殿
令和○年○月○日
 
                                                                                   整理番号:○○○○○○○○
利用者識別番号:○○○○○○○○
本店所在地:○○○○○○○○○○
                                                                                    電話番号:○○○○○○○○○○
                                                                                    商号:株式会社○○
                                    代表取締役:○○○○   印
令和〇年〇月〇日に電子申請にて提出しました下記書類を取り下げます。
「消費税課税事業者選択届出書」
尚、参考資料として当該取下げ書面の控えを添付させて頂きます。
以上

 ただし、設立1期目から課税事業者を選択する届出書を提出した場合には、その提出時において効力が生じてしまっているため、その届出書を取下げることはできません。

※関連記事:「消費税の各種届出書の提出期限と効力

2.新型コロナウイルス感染症の影響による課税事業者選択届出の特例

 新型コロナウイルス感染症の影響で2020年(令和2年)2月1日から2021年(令和3年)1月31日までの期間のうち、任意の期間(1か月以上)の収入が前年同期比おおむね50%以上減少した事業者が、申告期限までに申請書を提出し、税務署長の承認を受けた場合は、課税期間開始後でも消費税の課税事業者を選択又はやめることができる特例が設けられます。
 この特例で課税事業者を選択した課税期間の翌課税期間において、課税事業者の選択をやめることも可能です。

 なお、本特例の実施については、関係法案が国会で成立すること等が前提となります。

※2020年(令和2年)4月30日に 「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律案」が成立・公布・施行されました。

新型コロナウィルス感染症の影響による納税猶予制度の特例

 関与先様からの新型コロナウイルス感染症に関する税制上の措置についての問い合わせが増えています。中でも、本年(2020年)4月以降は、納税に関する質問が増えていますので、今回は、新たに設けられる納税猶予制度の特例について解説します。
 なお、本特例は、関係法案が国会で成立することが前提となります

※2020年(令和2年)4月30日に 「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律案」が成立・公布・施行されました。

1.納税猶予制度の特例の概要

 新型コロナウイルス感染症の影響で、2020年(令和2年)2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入が前年同期比おおむね20%以上減少し、かつ、一時の納税が困難と認められる場合には、申請することにより、無担保かつ延滞税なし1年間納税を猶予することができるようになります。

2.特例の対象者

 以下の2要件をいずれも満たす納税者(個人法人の別、規模は問わず)が対象となります。

(1) 新型コロナウイルスの影響により、2020年(令和2年)2月以降の任意の期間(1か月以上)において、事業等に係る収入※1が前年同期に比べて概ね20%以上減少していること※2
(2) 一時に納税を行うことが困難であること※3

※1 「事業等に係る収入」とは、法人の収入(売上高)のほか、個人の方の経常的な収入(事業の売上、給与収入、不動産賃料収入等)を指します。
 なお、個人の方の「一時所得」などについては、通常、新型コロナウイルスの影響により減少するものではないと考えられますので、「事業等に係る収入」には含まれません。

※2 前年の月別収入が不明の場合には、以下のような方法により収入減少割合を判断することもできます。
① 年間収入を按分した額(平均収入)と比較
② 事業開始後1年を経過していない場合は令和2年1月までの任意の期間と比較

※3 「一時に納税を行うことが困難」かどうかの判断については、少なくとも向こう半年間(現行は1か月)の事業資金を考慮に入れるなど、納税者の置かれた状況に配慮し適切に対応されるようです。

3.特例の対象となる国税

 2020年(令和2年)2月1日から2021年(令和3年)1月31日までに納期限が到来する所得税、法人税、消費税等ほぼすべての税目(印紙で納めるもの等を除く) が対象になります。
 これらのうち、既に納期限が過ぎている未納の国税(他の猶予を受けているものを含む)についても、遡ってこの特例を利用することができます※4

※4 「遡って特例を利用する」とは、例えば未納の国税について、延滞税がかかる他の猶予を受けている納税者は、特例に切り替えることにより、はじめから延滞税がないものとして猶予を受けることができるということです。
 この場合、既に延滞税を納付済みの納税者は、その還付を受けることができます。

4.特例の申請方法等

 関係法令の施行から2か月後、又は、納期限(申告納付期限が延長された場合 は延長後の期限)のいずれか遅い日までに申請が必要です。
 「納税の猶予申請書」のほか、収入や現預金の状況が分かる資料を提出することになりますが、これらの提出が難しい場合は、税務署職員が口頭により聴取することとなっています。
 なお、「納税の猶予申請書」の様式記載方法については、国税庁ホームページを参照してください。

5.特例の留意点

 納税猶予制度の特例の上記1~4以外の留意点は次のとおりです。

(1) 対象期間の損益が黒字の場合でも、収入減少などの2要件を満たせば特例を利用できます。

(2) フリーランスの方を含む事業所得者は、収入減少などの2要件を満たせば特例の対象になります。

(3) パートやアルバイトの方を含む給与所得者のうち、確定申告により納税をされる方は、収入減少などの2要件を満たせば特例の対象になります。

(4) 白色申告の場合も、収入減少などの2要件を満たせば特例の対象になります。

(5) 特例の2要件を満たさない場合でも、一般の猶予制度※5を利用できる場合があります(通常、 年1.6%の延滞税がかかります)。

(6) 猶予期間終了後は、一括して納付しなければならないということではありません。特例の適用期間が終了した後に、一般の猶予制度※5により分割納付をすることもできま す。

※5 一般の猶予制度(現行の猶予制度)については、本ブログ記事「国税の納税猶予制度」を参照してください。

国税の納税猶予制度

 関与先様からの新型コロナウイルス感染症に関する税制上の措置についての問い合わせが増えています。中でも、本年(2020年)4月以降は、納税に関する質問が増えていますので、今回は、従来からある現行の国税の納税猶予制度について解説します。
 新型コロナウイルス感染症の影響により、新たに設けられる納税猶予制度の特例については、次回解説します。

1.現行の納税猶予制度の概要

 新型コロナウイルス感染症の影響により、国税を一時に納付することができない場合には、所轄の税務署に申請して法令の要件を満たせば、原則として1年以内の期間に限り、換価の猶予(国税徴収法第151条の2)が認められます。
 また、新型コロナウイルス感染症にり患した場合等、個別の事情がある場合は、納税の猶予(国税通則法第46条)が認められる場合もあります。

2.現行の納税猶予制度の要件等

(1) 換価の猶予の要件(国税徴収法第151条の2)

 次の要件のすべてに該当する場合は、現行の納税猶予制度の適用を受けることができます。

① 国税を一時に納付することにより、事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあると認められること

② 納税について誠実な意思を有すると認められること

③ 猶予を受けようとする国税以外の国税の滞納がないこと

④ 納付すべき国税の納期限から6か月以内に申請書が提出されていること

注1) 担保の提供が明らかに可能な場合を除いて、担保は不要となります。
注2)2019年分(令和元年分)の申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の確定申告は、延長された期限(2020年(令和2年)4月 16 日)が納期限となります。
注3)既に滞納がある場合や滞納となってから6月を超える場合であっても、税務署長の職権による換価の猶予(国税徴収法第 151 条)が受けられる場合もあります。

(2) 換価の猶予の効果(国税徴収法第151条の2)

 申請が認められると、次のように猶予を受けることができます。

① 原則として1年間猶予が認められます(期間中、資力に応じて分割納付。 状況に応じて更に1年間猶予される場合があります)。

② 猶予期間中の延滞税が軽減されます(通常:8.9%/年→猶予期間中 1.6%/ 年)。

③ 財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。

 更に個別の事情に該当する場合は、次の猶予制度(国税通則法第46条)を活用することもできます。

(3) 納税の猶予の要件(国税通則法第46条)

 新型コロナウイルス感染症に関連して以下のような個別の事情に該当する場合は、納税の猶予が認められることがあります。

① 災害により財産に相当な損失が生じた場合
 新型コロナウイルス感染症の患者が発生した施設で消毒作業が行われたことにより、備品や棚卸資産を廃棄した場合

② 本人又は家族が病気にかかった場合
 納税者本人又は生計を同じにする家族が病気にかかった場合、国税を一時に納付できない額のうち、医療費や治療等に付随する費用

③ 事業を廃止し、又は休止した場合
 納税者が営む事業について、やむを得ず休廃業をした場合、国税を一時に納付できない額のうち、休廃業に関して生じた損失や費用に相当する金額

④ 事業に著しい損失を受けた場合
 納税者が営む事業について、利益の減少等により著しい損失を受けた場合、国税 を一時に納付できない額のうち、受けた損失額に相当する金額

注)ケースにより申請に必要な書類等が異なりますので、税務署(徴収担当)に事前に相談してください。

(4) 納税の猶予の効果(国税通則法第46条)

 申請が認められると、次のように猶予を受けることができます。

① 原則として1年間猶予が認められます(状況に応じて更に1年間猶予される場合があります)。

② 猶予期間中の延滞税が軽減又は免除されます。

③ 財産の差押えや換価(売却)が猶予されます。

(5) 猶予申請書

 換価の猶予と納税の猶予に関する申請書様式及び記載要領等については、国税庁ホームページを参照してください。

新型コロナウイルス感染症の影響により法人の申告・納付期限も延長されます

 新型コロナウイルス感染症の影響により、個人の確定申告・納付期限が延長されましたが、法人についても同様の措置が講じられています。
 国税庁ホームページでは、以下の「法人税及び地方法人税並びに法人の消費税の申告・納付期限と源泉所得税の納付期限の個別指定による期限延長手続に関するFAQ」が公表されています。

1.どのような場合に個別延長が認められるか?

 新型コロナウイルス感染症の影響により、法人がその期限までに申告・納付ができな いやむを得ない理由がある場合には、下記4の手続きをとることにより期限の個別延長が認 められます。

 このやむを得ない理由については、例えば、次のような方々がいることにより、通常の業務体制が維持できないこと、事業活動を縮小せざるを得ないこと、取引先や関係会社においても感染症による影響が生じていることなどにより決算作業が間に合わず、 期限までに申告が困難なケースが該当します。

(1) 新型コロナウイ ルス感染症に感染した法人の役員や従業員等がいること
(2) 体調不良により外出を控えている方がいること
(3) 平日の在宅勤務を要請している自治体に住んでいる方がいること
(4) 感染拡大防止のため企業の勧奨により在宅勤務等をしている方がいること
(5) 感染拡大防止のため外出を控えている方がいること

2.個別延長の場合の申告・納付期限はいつか?

 新型コロナウイルス感染症の影響により、期限内に申告・納付することが困難な法人 については、申告・納付ができないやむを得ない理由がやんだ日から2か月以内の日を 指定して申告・納付期限が延長されます。
 この場合、法人の申告書等を作成・提出することが可能となった時点で申告を行 うことになりますので、申告期限及び納付期限は原則として申告書等の提出日となります

※会計事務所としては、関与先に申告前に納付書をお渡しして、納付が完了してから申告をすることになります。

3.申請や届出など申告以外の手続きも個別延長の対象となるか?

 法人税や消費税、源泉所得税に係る各種申請や届出など、申告以外の手続きについて も、新型コロナウイルス感染症の影響により提出が困難な場合は、個別に期限延長の 取扱いがあります

4.個別延長する場合はどのような手続きが必要となるか?

 別途、申請書等を提出する必要はなく、申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」である旨を付記します。
 源泉所得税においては、納付を行う際に納付書(所得税徴収高計算書)の摘要欄に「新型コロナウイルスに よる納付期限延長申請」である旨を付記します。

 具体的な記載方法については、国税庁ホームページ「法人税及び地方法人税並びに法人の消費税の申告・納付期限と源泉所得税の納付期限の個別指定による期限延長手続に関するFAQ」を参照してください。

4月17日(金)以降に個人の確定申告書を提出する際の個別延長の手続き

 新型コロナウイルス感染症の拡大防止の観点から、申告所得税及び復興特別所得税、贈与税及び個人事業者の消費税及び地方消費税の申告期限・納付期限が2020年(令和2年)4月16日(木)まで延長されましたが、昨今の感染拡大の状況から外出を控えるなど期限内に申告することが困難な方については、期限を区切らずに4月17日(金)以降であっても確定申告書を提出することができるようになりました。
 これに伴い、国税庁ホームページでは、以下の「申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の個別指定による期限延長手続に関するFAQ」が公表されています。

1.どのような場合に個別延長が認められるか?

 申告・納付期限の個別指定による期限延長(個別延長)が認められるのは、新型コロナウイルス感染症の影響により、以下のように確定申告会場に行くことが困難な方や申告書を作成することが困難な方です。

(1) 新型コロナウイルス感染症に感染した方
(2) 体調不良により外出を控えている方
(3) 平日の在宅勤務を要請している自治体に住んでいる方
(4) 感染拡大により外出を控えている方

2.個別延長の場合の申告・納付期限はいつになるか?

 新型コロナウイルス感染症の影響により、期限内に申告することが困難な方は、4月16日(木)の申告期限にこだわらずに、税務署に行くことが可能になった時点又は申告書を作成することが可能となった時点で申告することができます。
 この場合、申告期限及び納付期限は原則として申告書の提出日となります。

※会計事務所としては、関与先に申告前に納付書をお渡しして、納付が完了してから申告をすることになります。

申告期限・納付期限

  従来 延長後 個別延長後
申告所得税 3月16日(月) 4月16日(木) 申告書の提出日
消費税 3月31日(火)
贈与税 3月16日(月)

 なお、振替納税の振替日については、所轄の税務署から個別に連絡されます。

振替納付日

  従来 延長後 個別延長後
申告所得税 4月21日(火) 5月15日(金) 個別に連絡
消費税 4月23日(木) 5月19日(火)

3.申請や届出など、申告以外の手続きも個別延長の対象となるか?

 申告所得税・贈与税・個人事業者の消費税に係る各種申請や届出など、申告以外の手続きについても、新型コロナウイルス感染症の影響により、届出が困難な場合は、個別に期限延長の取扱いが行われます

4.個別延長する場合には、どのような手続きが必要となるか?

 別途、申請書等を提出する必要はなく、申告書の余白に「新型コロナウイル スによる申告・納付期限延⻑申請」旨を付記することになります。
 具体的な記載方法は、国税庁ホームページ「申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の個別指定による期限延長手続に関するFAQ」を参照してください。