新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の概要

 2020年(令和2年)4月7日、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策における税制上の措置(案)」が閣議決定されました。
 本特例の実施については、関係法案が国会で成立すること等が前提となります。

※2020年(令和2年)4月30日に 「新型コロナウイルス感染症等の影響に対応するための国税関係法律の臨時特例に関する法律案」が成立・公布・施行されました。

1.新型コロナウイルス感染拡大に伴う納税猶予の特例

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のための措置に起因して多くの事業者の収入が急減している現下の状況を踏まえて、無担保かつ延滞税なしで1年間、納税を猶予する特例が設けられます。
 この特例は、2020年(令和2年)2月1日から2021年(令和3年)1月31日までに納期限が到来する国税について適用されます。その際、施行日前に納期限が到来している国税についても遡及して適用することができるとされています。

2.欠損金の繰戻しによる還付の特例

 資本金1億円超10億円以下の法人も青色欠損金の繰戻し還付が受けられる特例が設けられます。
 2020年(令和2年)2月1日から2022年(令和4年)1月31日までの間に終了する各事業年度に生じた欠損金額について適用されます。ただし、大規模法人の100%子会社などは除かれます。

3.テレワーク等のための中小企業の設備投資税制

 中小企業経営強化税制の特定経営力向上設備等の対象に、テレワーク等のための設備投資に係る新たな類型としてデジタル化設備が追加されます。
 要件は遠隔操作、可視化、自動制御化のいずれかに該当する設備で、機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエアが対象設備です。

4.中止等されたイベントに係る入場料等の払戻請求権を放棄した者への寄附金控除の適用

 政府の自粛要請を踏まえて文化芸術・スポーツに係る一定のイベント等を中止等した主催者に対し、観客等が入場料等の払戻請求権を放棄した場合には、当該放棄した金額(上限20万円)について、所得税における寄附金控除(所得控除又は税額控除)の対象とされます。

5.住宅ローン控除の適用要件の弾力化

 新型コロナウイルス感染症の影響による住宅建設の遅延等によって住宅への入居が遅れた場合でも、期限内に入居したのと同様の住宅ローン控除を受けることができるに適用要件が弾力化されます。

6.消費税の課税事業者選択届出書等の提出に係る特例

 新型コロナウイルス感染症の影響で2020年(令和2年)2月1日から2021年(令和3年)1月31日までの期間のうち、任意の期間(1か月以上)の収入が前年同期比おおむね50%以上減少した事業者が、申告期限までに申請書を提出し、税務署長の承認を受けた場合は、課税期間開始後でも消費税の課税事業者を選択又はやめることができる特例が設けられます。
 この特例で課税事業者を選択した課税期間の翌課税期間において、課税事業者の選択をやめることも可能です。

7.特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書の印紙税の非課税

 公的貸付機関等又は銀行等の金融機関が、新型コロナウイルス感染症の発生により、その経営に影響を受けた事業者に対して行う金銭の特別貸付けに係る消費貸借に関する契約書のうち、2021年(令和3年)1月31日までに作成されるものについては、印紙税を課さないこととされます。
 ここでいう特別貸付けとは、当該機関が行う他の金銭の貸付けの条件に比し特別に有利な条件で行うものをいいます。
 また、施行日の前日までに作成されたものにつき印紙税が納付されている場合には、当該納付された印紙税については、過誤納金とみなして還付されます。

8.中小事業者等が所有する償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の軽減措置

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のための措置に起因して、厳しい経営環境にある中小事業者等に対して、2021年度(令和3年度)課税の1年分に限り、償却資産及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税の負担が2分の1又はゼロとされます。
 原則として業種は限定されず、2021年(令和3年)1月31日までに認定経営革新等支援機関等の認定を受けて各市町村に申告した場合に適用されます。
 なお、この措置による固定資産税及び都市計画税の減収額については、全額国費で補填されます。

大法人の電子申告(e-Tax)が義務化されます

1.書面により提出した申告書は無効

 2018年度(平成30年度)税制改正により「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、2020年(令和2年)4月1日以後に開始する事業年度(課税期間)から、内国法人のうち事業年度開始時の資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人等は、電子申告(e-Tax)による申告書の提出が義務化されました。

 義務化の対象法人が電子申告により法定申告期限までに申告書を提出せず、書面により提出した場合は、その申告書は無効なものとして取り扱われ、無申告加算税の対象となります。
 また、2期連続で法定申告期限内に申告がない場合は、青色申告の承認の取消対象にもなりますので注意が必要です。

2.電子申告の義務化の概要

 電子申告の義務化の対象となる税目、法人の範囲、手続等は以下のとおりです。

(1) 対象税目

法人税及び地方法人税並びに消費税及び地方消費税
※地方税の法人住民税、法人事業税も対象です

(2) 対象法人の範囲

① 法人税及び地方法人税
 イ.内国法人のうち、その事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人
 ロ.相互会社、投資法人及び特定目的会社
② 消費税及び地方消費税
 ①に掲げる法人に加え、国及び地方公共団体

(3) 対象手続

確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及び還付申告書

(4) 対象書類

申告書及び申告書に添付すべきものとされている書類の全て

3.e-Taxによる申告の特例に係る届出書

 電子申告の義務化の開始に当たり、2020年(令和2年)4月1日以後、義務化対象法人はすべて所轄税務署長に「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」を提出しなければなりません。
※「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」の様式は国税庁ホームページを参照

 届出書を提出する時期は、次のとおりです。
(1) 2020年(令和2年)3月31日以前に設立された法人で2020年(令和2年)4月1日以後最初に開始する事業年度(課税期間)に対象法人となる場合は同事業年度(課税期間)開始の日以後1か月以内
(2) 2020年(令和2年)4月1日以後に増資により対象法人となる場合は資本金の額又は出資金の額が1億円超となった日から1か月以内
(3) 2020年(令和2年)4月1日以後に設立された法人で設立後最初の事業年度から対象法人となる場合は設立の日から2か月以内
(4) 2020年(令和2年)4月1日以後に対象法人であって消費税の免税事業者から課税事業者となる場合は課税事業者となる課税期間開始の日から1か月以内

4.e-Taxによる申告の特例の適用がなくなった旨の届出書

 一方、減資等により資本金の額又は出資金の額が1億円以下となった場合等により義務化対象法人でなくなった場合には、所轄税務署長に対し、速やかに「e-Taxによる申告の特例の適用がなくなった旨の届出書」を提出します。
※「e-Taxによる申告の特例の適用がなくなった旨の届出書」の様式は国税庁ホームページを参照

5.例外的に書面申告が認められる場合

 電子申告義務化後において、電気通信回線の故障、災害その他の理由によって、e-Taxにより法定申告期限までに申告書を提出することが困難な場合には、所轄税務署長の承認を得た上で、書面により提出することで、例外的に申告義務が履行されたものとみなされ、その書面による申告書は有効なものとして取り扱われます。

 当該承認を得るためには、事前に「e-Taxによる申告が困難である場合の特例の申請書(取りやめの届出書)」及びe-Taxを使用することが困難であることを明らかにする書類を所轄税務署長に提出する必要があります。
※「e-Taxによる申告が困難である場合の特例の申請書(取りやめの届出書)」の様式は国税庁ホームページを参照

期限後申告でも中小企業投資促進税制、中小企業経営強化税制、商業・サービス業等活性化税制の適用はある!

 中小企業の投資促進を後押しする既存の制度には、中小企業投資促進税制、中小企業経営強化税制、商業・サービス業・農林水産業活性化税制があり、2019年度(令和元年度)税制改正で適用期限がいずれも2021年(令和3年)3月31日まで延長されました。

 これらの3税制について、期限後申告であっても各要件を具備している場合は、その適用を受けることができます。

 今回は、意外と知られていない期限後申告と投資促進3税制との関係について確認します。

1.中小企業投資促進税制の適用手続

 中小企業投資促進税制の特別償却と税額控除の適用を受けるためには、確定申告書等に下記の書類を添付する必要があります(特別償却と税額控除を重複適用することはできません)。

特別償却の場合 税額控除の場合
適用額明細書 同左
別表16(1)又は(2) 別表6(15)
特別償却の付表(3)

2.中小企業経営強化税制の適用手続

 中小企業経営強化税制の特別償却と税額控除の適用を受けるためには、確定申告書等に下記の書類を添付する必要があります(特別償却と税額控除を重複適用することはできません)。

特別償却の場合 税額控除の場合
適用額明細書 同左
別表16(1)又は(2) 別表6(24)
特別償却の付表(9)
経営力向上計画の写し 同左
経営力向上計画に係る認定書の写し 同左

3.商業・サービス業・農林水産業活性化税制の適用手続

 商業・サービス業・農林水産業活性化税制の特別償却と税額控除の適用を受けるためには、確定申告書等に下記の書類を添付する必要があります(特別償却と税額控除を重複適用することはできません)。

特別償却の場合 税額控除の場合
適用額明細書 同左
別表16(1)又は(2) 別表6(23)
特別償却の付表(8)
経営改善指導助言書類の写し 同左

4.確定申告書等は期限後申告書を含む

 上記1~3で見たように、投資促進3税制の適用を受けるためには、確定申告書等にそれぞれの税制で定められた書類を添付しなければなりません。
 ところで、この確定申告書等とは、仮決算をした場合の中間申告書と確定申告書(期限後申告書を含む)をいいます(下記条文参照)。

確定申告書(租税特別措置法第2条第27号)

法人税法第2条第30号に規定する中間申告書で同法第72条第1項各号に掲げる事項を記載したもの及び同法第144条の4第1項各号又は第2項各号に掲げる事項を記載したもの並びに同法第2条第31号に規定する確定申告書をいう。

確定申告書(法人税法第2条第31号)

第74条第1項(確定申告)又は第144条の3第1項若しくは第2項(中間申告)の規定による申告書(当該申告書に係る期限後申告書を含む。)をいう。

 したがって、何らかの事情により確定申告書の提出が期限後申告となった場合であっても、それぞれの税制で定められた書類を添付して提出した場合にはその適用を受けることができます。

医療機器は中小企業経営強化税制の適用対象外!

 2017年度(平成29年度)改正で、2019年(平成29年)3月末で廃止された生産性向上設備投資促進税制(B類型)では、医療機器を含むすべての器具及び備品が適用対象となっていました。
 しかし、新設された中小企業経営強化税制では、医療保健業を行う事業者(医療法人や個人開業医等)が取得する医療機器は、A類型及びB類型ともに適用対象外となりました
 今回は、医療業と中小企業経営強化税制との関係について述べていきます。

1.「医療保健業を行う事業者」とは?

 「医療保健業を行う事業者」とは、医療業及び保健衛生業を行う事業者、すなわち、医療業(日本標準産業分類の「大分類P-医療、福祉」・「中分類83-医療業」医師又は歯科医師等が患者に対して医業又は医業類似行為を行う事業所及びこれに直接関連するサービスを提供する事業所)及び保健衛生業(日本標準産業分類の「大分類P-医療、福祉」・「中分類84-保健衛生」保健所、健康相談施設、検疫所(動物検疫所、植物防疫所を除く)など保健衛生に関するサービスを提供する事業所)を行う事業者のことをいいます。

2.適用対象資産

 医療保険業を行う事業者(医療法人や個人開業医等)が取得又は制作をする医療機器、建物附属設備は経営力向上設備等から除外されています

 中小企業経営強化税制の適用対象資産は、中小企業等経営強化法施行規則第8条第2項の経営力向上設備等に該当することが必要ですが、その経営力向上設備等の「器具及び備品」と「建物附属設備」では、生産性向上設備(A類型)・収益力強化設備(B類型)ともに、「医療保険業を行う事業者が取得又は制作をする器具及び備品中の医療機器と建物附属設備」は除かれています(中小企業等経営強化法第19条第3項、中小企業等経営強化法施行規則第8条第2項)。

 したがって、医療法人や個人開業医が取得する医療機器(器具及び備品に該当)及び建物附属設備は、中小企業経営強化税制の適用対象とはなりません。

3.医療機器とは?

 ここで、医療機器とは、耐用年数省令別表第一の「器具及び備品」「8医療機器」に掲げられる消毒殺菌用機器、手術機器、血液透析又は血しょう交換用機器、ハバードタンクその他の作動部分を有する機能回復訓練機器、調剤機器、歯科診療用ユニット、光学検査機器及びレントゲンその他の電子装置を使用する機器等が該当し、病院、診療所等における診療用又は治療用の器具及び備品をいいます(耐用年数取扱通達2-7-13)。

 また、建物附属設備は、耐用年数省令別表第一の「建物附属設備」に掲げられているものが該当します。

 なお、医療保健業を営む者が取得する医療用の機械及び装置並びに器具及び備品については、別途、医療用機器の特別償却(租税特別措置法45の2)の検討が必要です。

中小企業投資促進税制~キュービクルは建物附属設備か機械装置か?

 製造業を営むA社から、次のような質問がありました。

「工場にキュービクル(約300万円)を設置する予定だが、中小企業投資促進税制の適用を受けることはできるか?」

 この質問の意味するところは、「キュービクルは建物附属設備と機械装置のどちらに該当するか?」ということです。
 今回は、キュービクルの資産種類について確認します。

1.中小企業投資促進税制の適用対象資産

 中小企業投資促進税制(中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除)は、中小企業者等が一定の機械装置等の対象設備を取得・制作等した場合に、基準取得価額の30%の特別償却又は7%の税額控除が選択適用(税額控除は資本金3,000万円以下の法人のみ)できる制度です。

 対象設備は、機械及び装置及び一定の工具、ソフトウェア、車両及び運搬具、船舶であって一定の規模のものに限られます(中小企業投資促進税制については、本ブログ記事「中小企業等経営強化法の認定が不要の設備投資税制」を参照して下さい)。

 A社のキュービクルが建物附属設備に該当する場合は中小企業投資促進税制の適用はなく、機械装置に該当する場合は適用がありますので、資産種類の判定は慎重に行わなければなりません。

2.キュービクルの資産種類

 キュービクル(キュービクル式高圧受電設備)は、発電所から変電所を通して送られてくる高圧の電気を100Vや200Vに変圧する受電設備を収めた金属製の箱であり、小規模変電所ともいうことができます。

 ところで、耐用年数の適用等に関する取扱通達2-2-2が定める電気設備は「建物附属設備」に該当するものをいいますから、店舗や工場、事務所用の建物の照明等に係るものを指します。

 これに対し、工場等における製造工程の動力用の電源装置として使用される電気設備は「機械及び装置」に該当し、その耐用年数は設備の種類に応じた耐用年数となります。

 A社のキュービクルは工場内の機械装置のための変圧器であって、工場用建物のためのものではありませんから「機械及び装置」に該当し、中小企業投資促進税制に関する一定の要件を満たした場合には、その適用を受けることができます。

ロータリークラブ、ライオンズクラブの会費は法人と個人で経理処理が異なる!

 9月決算・11月申告法人の決算書・申告書のチェックをしていた際に、ロータリークラブの入会金と会費が決算書の「諸会費」に計上されていることに気づきました。
 ロータリークラブやライオンズクラブの入会金と通常会費については、その経理処理が法人と個人で異なります。経費(法人税法上の損金、所得税法上の必要経費)として認められるか否かについて、以下述べていきます。

1.法人の場合は交際費として損金算入

 法人が支出したロータリークラブやライオンズクラブの入会金・通常(経常)会費は、次の法人税基本通達9-7-15の2(1)より交際費となります。

「9-7-15の2 法人がロータリークラブ又はライオンズクラブに対する入会金又は会費等を負担した場合には、次による。(昭55年直法2-15「十六」により追加)

(1) 入会金又は経常会費として負担した金額については、その支出をした日の属する事業年度の交際費とする。
(2) (1)以外に負担した金額については、その支出の目的に応じて寄附金又は交際費とする。ただし、会員たる特定の役員又は使用人の負担すべきものであると認められる場合には、当該負担した金額に相当する金額は、当該役員又は使用人に対する給与とする。」

 (2)は、入会金・経常会費以外に負担した金額、例えば懇親会参加費用などは交際費となりますが、本来個人が負担すべき金額を法人で支払った場合は、その個人に対する給与となることをいっています。

 なお、ロータリークラブやライオンズクラブの入会金・通常会費の消費税の課税区分は不課税です。

2.個人の場合は必要経費不算入

 一方、個人事業主が支出したロータリークラブやライオンズクラブの入会金・通常会費は、必要経費として認められません。所得税基本通達に規定はありませんが、過去の裁決例、例えば2016年(平成28年)7月19日裁決において、個人事業主である弁護士がロータリークラブの会費の必要経費性を主張したところ、国税不服審判所は次のように判断しています。

「本件ロータリークラブは、定款に従って、各種の奉仕活動を行うとともに、会員同士の親睦を深めたり、講演や卓話を通じて教養を高めるなどの活動をしていたものと認められる。そして、請求人の本件クラブの会員としての活動の主なものは、①例会への出席、②親睦会への出席、③奉仕活動への参加及び④講演会への出席であり、請求人がこれらの活動を行うことで報酬を得ていたなどの事情は特に見当たらない。 」

「本件クラブの活動内容を踏まえ、請求人が本件クラブの会員として行う以上のような活動を社会通念に照らして客観的にみれば、その活動はいずれも営利性、有償性を有しておらず、請求人が弁護士としてその計算と危険において報酬を得ることを目的として継続的に法律事務を行う経済活動に該当するものではないというべきである。」

「そうすると、本件各会費は、請求人が本件クラブの会員であることに伴って支出したものであるから、請求人の所得を生ずべき事業と直接関係し、かつ、当該事業の遂行上必要であるとは認められない。したがって、本件各会費は、事業所得の金額の計算上必 要経費に算入されない。」

「請求人は、弁護士業においては、顧客獲得のための積極的な営業・広報動等を広く展開することが重要であり、本件クラブの会員であることは、業務遂行上必要かつ極めて有益な要因である旨主張する。しかしながら、本件クラブの会員であることで、請求人が主張するような側面があったとしても、これは、会費を支出することの直接の目的ではなく、飽くまでも間接的、副次的に生ずる効果にすぎないとみるのが相当であるから、会費を支出することが、弁護士業務の遂行上必要であるということはできない。したがって、請求人の上記主張には理由がない。」

 また、この裁決の中で、ロータリークラブの会費を法人が支出した場合は経費になるのに対し、個人が支出した場合は経費にならない理由について、国税不服審判所は次のように述べています。

「さらに、請求人は、法人が支出するロータリークラブの会費は、法人税基本通達において、クラブ加入の実質的目的を根拠に経費性が認められており、実態として全く変わりのない個人としての弁護士に関しても当然経費性が肯定されるべきである旨主張する。しかしながら、私的な消費生活を行う個人と、それを観念できない法人とでは、支出に関する取扱いを異にすることは、所得税法及び法人税法におけるそれぞれの課税所得の計算構造をみても当然に予定されているものというべきであるから、この点に関する請求人の主張にも理由がない。」

外注費か給与か…国税庁の判断基準

1.国税庁法令解釈通達に一定の判断基準あり

 その業務を他の事業者に委託(外注)することが多い建設業や運送業を営む事業者の税務調査では、外注先に支払った経費が外注費なのか給与なのかで争いが起きることがあります。
 外注先に支払った経費が給与とされると、源泉所得税の徴収漏れを指摘されるとともに消費税の仕入税額控除が否認されます。
 外注費と給与のいずれに該当するかについては判然としないことが多く、明確な線引きも難しいのですが、2009年(平成21年)12月17日の「大工、左官、とび職等の受ける報酬に係る所得税の取扱いについて(法令解釈通達)」において次の判断基準が示されており、実務上はこれらを総合的に勘案して、外注費か給与かを判断することになります。

(1) 他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうか。
(2) 報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうか。
(3) 作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうか。
(4) まだ引渡しを完了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうか。
(5) 材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうか。

 以下では、これら5点の判断基準について解説します。

2.実務上の判断基準となる5つの観点

(1) 代替性の有無

 他人が代替して業務を遂行すること又は役務を提供することが認められるかどうかという観点から、外注費と給与を区分します。
 
 雇用契約に基づく役務の提供の場合、雇用された者は自分自身が仕事をすることで、その役務の対価(給与)を受け取ることができます。
 一方、請負契約に基づく役務の提供の場合、依頼主との間で仕事の期限や代金等を決定すれば、実際の仕事は必ずしも請け負った者自身に限らず、自己が雇用する第三者に任せることで、その役務の対価(外注費)を受け取ることができます。
 つまり、役務提供者が契約当事者に限定され、他の者が当事者に代わり役務の提供をできない場合や、本人が自らの判断で第三者を使うことが認められていない場合は代替性が無いといえ、給与の該当性を強めるといえます。 

(2) 拘束性の有無

 報酬の支払者から作業時間を指定される、報酬が時間を単位として計算されるなど時間的な拘束(業務の性質上当然に存在する拘束を除く。)を受けるかどうかという観点から、外注費と給与を区分します。

 勤務する日や就業時間が決められていたり、出勤簿、タイムカード又は本人からの報告等で就業時間が管理されていたりする場合には、時間的拘束があるといえ、給与の該当性を強めるといえます。

(3) 指揮監督の有無

 作業の具体的な内容や方法について報酬の支払者から指揮監督(業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く。)を受けるかどうかという観点から、外注費と給与を区分します。

 雇用契約の場合、雇用主が定める就業規則に従わなければならず、作業現場では監督者等が個々の作業について指揮命令をするのが一般的です。
 一方、請負契約の場合、仕事の期限さえ守れば途中における進行度合いや手順等について、依頼主から特に指図を受けることがないのが通常です。
 つまり、仕様書、設計図、指示書等の交付により作業の具体的内容や方法が指示されており、業務の遂行が使用者の具体的な指揮命令を受けて行われている場合は、給与の該当性を強めるといえます。

 なお、「業務の性質上当然に存在する指揮監督を除く」とは、例えば運送業の場合、運送物品、運送先及び納入時間の指定は業務の性質上当然であり、これらが指定されているからといって指揮監督の有無に関係するものではないことをいいます。

(4) 報酬請求権の有無

 まだ引渡しを完了しない完成品が不可抗力のため滅失するなどした場合において、自らの権利として既に遂行した業務又は提供した役務に係る報酬の支払を請求できるかどうかという観点から、外注費と給与を区分します。

 請負契約の場合、引渡しを終えていない完成品が不可抗力(災害等)のため滅失して期限までに依頼主に納品できない場合は、一般的には報酬の支払を受けることができません。
 一方、雇用契約の場合、労務の提供を行えば結果に関係なく報酬を請求できます。
 給与が労務の提供自体に支払われるのに対し、外注費は労務の提供ではなく仕事の完成に対して支払われます。
 つまり、役務提供の結果による較差が少なく、業務の量に応じて報酬が支払われる場合は、給与の該当性を強めるといえます。 

(5) 材料又は用具等の供与の有無

 材料又は用具等(くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く。)を報酬の支払者から供与されているかどうかという観点から、外注費と給与を区分します。

 雇用契約の場合は雇用主が材料や用具等を役務提供者に支給しますが、請負契約の場合は役務提供者が材料や用具等を自分で用意するのが一般的です。
 つまり、職務遂行に当たり必要な旅費、設備、備品等の費用について、原則として役務提供者が負担する場合は、外注費の該当性を強めるといえます。

 なお、「くぎ材等の軽微な材料や電動の手持ち工具程度の用具等を除く」とは、例えば据え置き式の工具など高価な器具を所有するなど、その経費の多寡も判定要素となることをいいます。

法人向け節税保険の改正後の経理処理

1.改正案の概要

 国税庁は2019年(平成31年)4月11日、法人向けの節税保険に対応した法人税基本通達の改正案を公表しました。

 改正案では、ピーク時解約返戻率(最高解約返戻率)が50%以下の定期保険等に係る支払保険料については、契約年齢や保険期間の長さによらず全額損金算入が可能です。
 一方、ピーク時解約返戻率が50%超の定期保険等に係る支払保険料については、ピーク時解約返戻率に応じた一定の金額を資産計上し、残額を損金算入することになります。

ピーク時解約返戻率 資産計上期間 資産計上額(残額は損金)
50%以下 なし 全額損金算入
50%超70%以下 保険期間の前半4割相当の期間 支払保険料の4割
70%超85%以下 支払保険料の6割
85%超 保険期間からピーク時解約返戻率となる期間等の終了日 支払保険料×ピーク時解約返戻率の7割(保険期間開始日から10年経過日までの期間は9割)

 今回は、改正案に基づく支払保険料の経理処理を、具体的な数値を用いて確認していきます。

2.ピーク時解約返戻率に応じた経理処理

(1) ピーク時解約返戻率が50%超70%以下の場合

① 経理処理の概要
・資産計上期間(保険期間の前半4割)は支払保険料の4割資産計上6割損金算入
・資産取崩期間(保険期間の7.5割経過後)は資産計上額を取崩し
・資産計上期間と資産取崩期間の間の期間(保険期間の3.5割)は全額損金算入
 ただし、被保険者1人当たりの年換算保険料相当額(保険期間中の支払保険料総額÷保険期間の年数)が20万円以下(複数の定期保険等に加入の場合は合計額)であれば、全期間を通じて全額損金算入します。
※改正案(パブリックコメント原案)では、上記のように被保険者1人当たりの年換算保険料相当額が20万円以下とされていましたが、2019年(令和元年)6月28日に国税庁ホームページで公表された「法人税基本通達等の一部改正について(法令解釈通達)」では30万円以下とされました。

4割期間 3.5割期間 2.5割期間
4割資産6割損金 全額損金 全額損金+資産取崩

② 経理処理
 例えば、40歳契約・100歳満期・年払保険料100万円・ピーク時解約返戻率70%の場合の仕訳は次のとおりです。

イ.資産計上期間(4割期間):40歳~64歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 60万円 現金預金 100万円
前払保険料 40万円    

ロ.イとハの間の期間(3.5割期間):65歳~85歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 100万円 現金預金 100万円

ハ.資産取崩期間(2.5割期間):86歳~100歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 164万円 現金預金 100万円
    前払保険料 64万円

(2) ピーク時解約返戻率が70%超85%以下の場合

① 経理処理の概要
・資産計上期間(保険期間の前半4割)は支払保険料の6割資産計上4割損金算入
・資産取崩期間(保険期間の7.5割経過後)は資産計上額を取崩し
・資産計上期間と資産取崩期間の間の期間(保険期間の3.5割)は全額損金算入

4割期間 3.5割期間 2.5割期間
6割資産4割損金 全額損金 全額損金+資産取崩

② 経理処理
 例えば、40歳契約・100歳満期・年払保険料100万円・ピーク時解約返戻率85%の場合の仕訳は次のとおりです。

イ.資産計上期間(4割期間):40歳~64歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 40万円 現金預金 100万円
前払保険料 60万円    

ロ.イとハの間の期間(3.5割期間):65歳~85歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 100万円 現金預金 100万円

ハ.資産取崩期間(2.5割期間):86歳~100歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 196万円 現金預金 100万円
    前払保険料 96万円

(3) ピーク時解約返戻率が85%超の場合

① 経理処理の概要
・資産計上期間は、保険期間の当初10年間は支払保険料の「ピーク時解約返戻率×9割」、それ以降(※)は支払保険料の「ピーク時解約返戻率×7割」を資産計上
・解約返戻金額が最も高くなる時期(返戻金額ピーク)から資産計上額を取崩し
・資産計上期間と資産取崩期間の間の期間は全額損金算入
(※)「それ以降」の期間とは、10年経過後、「解約返戻率ピーク」又は「年間の解約払戻金の増加額が年換算保険料相当額に対して70%以下になるまで」のいずれか遅い方までの期間です。

当初10年間 それ以降 間の期間 取崩期間
「ピーク時解約返戻率×9割」を資産計上

ピーク時解約返戻率×7割」を資産計上

全額損金 全額損金+資産取崩

② 経理処理
 例えば、40歳契約・100歳満期・年払保険料100万円・ピーク時解約返戻率90%の場合の仕訳は次のとおりです。

イ.資産計上期間(当初10年間):40歳~50歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 19万円 現金預金 100万円
前払保険料 81万円    

ロ.資産計上期間(それ以降):51歳~72歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 37万円 現金預金 100万円
前払保険料 63万円    

ハ.間の期間(返戻金額ピークまで):73歳~91歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 100万円 現金預金 100万円

ニ.資産取崩期間:92歳~100歳

借方 金額 貸方 金額
支払保険料 344万円 現金預金 100万円
    前払保険料 244万円

※資産計上期間(それ以降)の考え方

経過年数 支払総保険料 解約返戻金 解約返戻率 解約返戻金の増加率
1年 100万円 66.4万円 66.4%  
2年 200万円 158.8万円 79.4% 92.4%
24年 2,400万円 2,272.8万円 94.7% 96.7%
25年 2,500万円 2,369.1万円 94.8% 96.3%
26年 2,600万円 2,447万円 94.1% 77.9%
27年 2,700万円 2,523.6万円 93.5% 76.6%
28年 2,800万円 2,599.4万円 92.8% 75.8%
29年 2,900万円 2,674.4万円 92.2% 75.0%
30年 3,000万円 2,748万円 91.6% 73.6%
31年 3,100万円 2,820万円 91.0% 72.0%
32年 3,200万円 2,891.1万円 90.3% 71.1%
33年 3,300万円 2,960.1万円 89.7% 69.0%
34年 3,400万円 3,026.9万円 89.0% 66.8%
…   
59年 5,900万円 1,781.8万円 30.2% -901.8%
60年 6,000万円 0 0.0% -1781.8

経過年数25年で解約返戻率のピーク(94.8%)を迎える。
経過年数33年で年間の解約返戻金の増加額が年換算保険料相当額に対して70%以下になる((2,960.1万円-2,891.1万円)÷100万円=69.0%)。
25年と33年のいずれか遅い方は33年なので、72歳まで支払保険料の一部を資産計上する。

法人向け節税保険の改正後の税務取扱い

1.改正の背景

 国税庁は、2019年(平成31年)4月11日に「法人税基本通達の制定について」(法令解釈通達)等の一部改正案の意見募集(パブリックコメント)を開始しました(意見募集の受付締切日は同年5月10日)。

 これまで法人が支払う定期保険等の保険料については、定期保険について規定した法人税基本通達に加えて、商品グループ(長期平準定期保険、逓増定期保険、がん保険などのいわゆる第三分野保険)ごとの個別通達で税務取扱いが規定されてきました。

 しかし、保険会社各社の商品設計の多様化や長寿命化などにより、商品の実態と税務取扱いのルールが乖離してきていることから、商品の実態に合わせてピーク時解約返戻率(最高解約返戻率)に基づくルールを策定することになりました。

 また、商品グループごとの税務取扱いが規定されている個別通達を廃止し、単一的な資産計上ルールが新設されることになりました。

 今回の改正が行われる背景として、保険料に含まれる前払部分の割合が挙げられます。
 保険期間が長期にわたる定期保険や保険期間中に保険金額が逓増する定期保険は、その保険期間の前半において支払う保険料の中に相当多額の前払部分の保険料が含まれており、中途解約すると、その前払部分の保険料の多くが返戻されます。
 このような商品の実態に合わせてピーク時解約返戻率に応じて保険料の損金算入を制限しないと、課税所得の適正な期間計算が損なわれるからです。

2.改正の概要

(1) 対象となる保険商品

 以下に該当する保険商品は、今回の改正の対象となります。

① 契約形態:法人契約(被保険者は役員又は従業員)、個人事業主契約(被保険者は従業員)
② 保険期間:3年以上
③ 保険種類:定期保険、第三分野保険
※ 支払保険料が給与とならないもの(受取人が法人の契約など)

(2) ピーク時解約返戻率に応じた取扱い

 現行の個別通達は、保険期間や被保険者の加入年齢に着目して支払保険料の一部を資産計上する仕組である一方、新設の基本通達は、ピーク時解約返戻率に着目して資産計上する仕組となっています。

 ピーク時解約返戻率に基づいて資産計上する理由について、国税庁は次のように説明しています。

 「支払保険料に含まれる前払部分の保険料の額は、保険契約者には通知されず、把握できないことから、その金額を資産計上することは極めて困難となります。そこで、保険契約者が把握可能な指標で、前払部分の保険料の累積額に近似する解約返戻金に着目し、解約返戻率(保険契約時において契約者に示された解約返戻金相当額について、それを受けることとなるまでの間に支払うこととなる保険料の額の合計額で除した割合をいいます。)に基づいて資産計上すべき金額を算定することが、客観的かつ合理的と考えられます。また、毎年の解約返戻率の変動に伴い資産計上割合を変動させることは煩雑であり、その平均値などを求めることも困難であることから、特定可能な最高解約返戻率を用いて資産計上割合を設定するのが計算の簡便性の観点から相当です。」

 具体的な保険料の取扱いは、ピーク時解約返戻率が50%以下の場合は全額損金算入となり、50%超(保険料に相当多額の前払部分の保険料が含まれる)の場合は、「50%超85%以下」と「85%超」でその取扱いが異なります(下表参照)。

ピーク時解約返戻率 資産計上期間 資産計上額(残額は損金)
50%以下 なし 全額損金算入
50%超70%以下 保険期間の前半4割相当の期間 支払保険料の4割
70%超85%以下 支払保険料の6割
85%超 保険期間開始日からピーク時解約返戻率となる期間等の終了日 支払保険料×ピーク時解約返戻率の7割(保険期間開始日から10年経過日までの期間は9割)

(3) 既存契約分への遡及適用はない

 適用時期については、改正案で「2019年●月●日(改正通達の発遣日)以後の契約に係る定期保険等の保険料について適用される」ことが示されており、同日前の既存契約分への遡及適用はないようです。

※改正後の具体的な経理処理については、本ブログ記事「法人向け節税保険の改正後の経理処理」を参照してください。

法人設立届出書に登記事項証明書の添付は不要になったけれども…

1.法人設立時の届出書と提出期限

 法人を設立した際には、様々な届出書等の提出が必要です。中でも重要なのは、「青色申告の承認申請書」です。

 法人の設立初年度の青色申告の承認申請書は、設立の日以後3か月を経過した日と当該事業年度終了の日とのいずれか早い日の前日までに税務署に提出しなければなりません。
 提出を失念した場合には、青色欠損金の繰越しや租税特別措置法に規定されている特別償却・特別控除などの適用を受けることができません。

 その他、法人設立時に税務署に提出する届出書には以下のものがあります(カッコ内は提出期限)。

(1) 設立届出書(設立登記の日から2か月以内)
(2) 棚卸資産の評価方法の届出書、有価証券の評価方法の届出書、減価償却資産の償却方法の届出書(設立後最初に到来する確定申告期限)
(3) 給与支払事務所等の開設届出書(事務所開設日から1か月以内)

2.法人設立届出書等の登記事項証明書は添付省略可

 設立届出書も法人設立時の届出書のひとつですが、2017年度(平成29年度)税制改正において、企業が活動しやすいビジネス環境整備を図る観点から、次のとおり手続きの簡素化措置が講じられました。

(1) 法人の設立・解散・廃止などの届出書等において添付が必要とされていた「登記事項証明書」
(2) 税務署からの求めにより、添付していた「登記事項証明書」

については、2017年(平成29年)4月1日以後、その添付が不要となりました。

3.登記事項証明書の添付は不要になったはずなのに・・・

 上述のように2017年度(平成29年度)改正により、法人設立届出書等には登記事項証明書の添付が不要になりました。

 この度、新規の顧問先について法人設立届出書を提出する機会があったのですが、税務署の対応は上記と異なるものでした。
 新様式の法人設立届出書の「添付書類等」の欄には、これまであった「登記事項証明書」の記載がなくなっていました。
 たしかに2017年度(平成29年度)改正を反映したものとなっていたのですが、念のため税務署(大阪府内の税務署です)に問い合わせてみました。
 すると、「法人番号の導入で法人の存在は確認できるのですが、代表者等の確認のために登記事項証明書の添付をお願いします」とのことでした。

 改正では登記事項証明書の添付はしなくてもよいことになりましたが、実務の現場ではまだまだ登記事項証明書が必要のようです。