中小企業者等の所得拡大促進税制の令和3年度改正《令和3年4月1日以後開始事業年度》

 所得拡大促進税制は、青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です。
 この所得拡大促進税制について、2021(令和3)年度税制改正において、適用期間の2年間延長と適用要件の見直し(継続雇用要件の撤廃等)が行われました。
 今回は、現行制度の概要と改正内容について確認します。

※ 所得拡大促進税制については、2023(令和5)年3月31日の期限到来前に2022(令和4)年度改正が行われたため、2021(令和3)年4月1日から2022(令和4)年3月31日までの間に開始する事業年度(個人事業主の場合は2022(令和4)年)について適用されることとなりました。

1.現行制度の概要

 中小企業者等※1で青色申告書を提出するものが、2018(平成30)年4月1日から2021(令和3)年3月31日までの間に開始する各事業年度(個人事業主の場合は、2019(令和元)年から2021(令和3)年までの各年)において国内雇用者※2に対して給与等※3を支給する場合において、その事業年度においてその中小企業者等の継続雇用者給与等支給額※4から継続雇用者比較給与等支給額※5を控除した金額のその継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が1.5%以上であるとき(その中小企業者等の雇用者給与等支給額※6が比較雇用者給与等支給額※7以下である場合を除く)は、雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の15%※8(下記(1)(2)の要件を満たす場合は25%)相当額の特別税額控除ができることとされています。
 ただし、その事業年度の所得に対する法人税額(個人事業主の場合は、その年の事業所得の金額に係る所得税額)の20%相当額が限度となります。

(1) 継続雇用者給与等支給額から継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額のその継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が2.5%以上であること

(2) 次に掲げる要件のいずれかを満たすこと
① その事業年度の損金の額(個人事業主の場合は、その年分の必要経費)に算入される教育訓練費※9の額から中小企業比較教育訓練費※10の額を控除した金額のその中小企業比較教育訓練費に対する割合が10%以上であること
② その中小企業者等が、その事業年度終了の日(個人事業主の場合は、その年の12月31日)までに中小企業等経営強化法に規定する経営力向上計画の認定を受けたものであり、その経営力向上計画に記載された同法に規定する経営力向上が確実に行われたものとして一定の証明がされたこと

※1 中小企業者等とは、青色申告書を提出する者のうち、以下に該当するものをいいます。
イ.中小企業者(中小企業者については、本ブログ記事「租税特別措置法上の『中小企業者』の定義とその判定時期」をご参照ください)
ロ.常時使用する従業員数が1,000人以下の個人事業主
ハ.農業協同組合、農業協同組合連合会、中小企業等協同組合、出資組合である商工組合及び商工組合連合会、内航海運組合、内航海運組合連合会、出資組合である生活衛生同業組合、漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合、水産加工業協同組合連合会、森林組合並びに森林組合連合会

※2 国内雇用者とは、法人又は個人事業主の使用人のうちその法人又は個人事業主の国内に所在する事業所につき作成された賃金台帳に記載された者を指します。パート、アルバイト、日雇い労働者も含みますが、使用人兼務役員を含む役員及び役員の特殊関係者、個人事業主と特殊の関係のある者は含まれません。
 なお、特殊関係者(特殊の関係のある者)とは、法人の役員又は個人事業主の親族を指します。親族の範囲は6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族までが該当します。また、当該役員又は個人事業主と婚姻関係と同様の事情にある者、当該役員又は個人事業主から生計の支援を受けている者等も特殊関係者に含まれます。

※3 給与等とは、俸給・給料・賃金・歳費及び賞与並びに、これらの性質を有する給与(所得税法第28条第1項に規定する給与所得)をいいます。退職金など、給与所得とならないものについては、原則として給与等に該当しません。
 なお、所得税法上課税されない通勤手当等の額については、給与所得となるので、給与等に含まれます。ただし、賃金台帳に記載された支給額のみを対象に、所得税法上課税されない通勤手当等の額を含めずに計算する等、合理的な方法により継続して国内雇用者に対する給与等の支給額の計算をすることも認められます。

※4 継続雇用者給与等支給額とは、継続雇用者(前年度の期首から適用年度の期末までの全ての月分の給与等の支給を受けた従業員のうち、一定の者)に支払った給与等の総額をいいます。

出所:経済産業省「中小企業向け所得拡大促進税制ご利用ガイドブック-平成30年4月1日以降開始の事業年度用-(個人事業主は令和元年分以降用)」

※5 継続雇用者比較給与等支給額とは、継続雇用者に対する前事業年度の給与等の金額として一定の金額をいいます。

※6 雇用者給与等支給額とは、適用年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額(その給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額がある場合には、その金額を控除した金額)をいいます。

※7 比較雇用者給与等支給額とは、前事業年度の所得の金額の計算上損金の額に算入される国内雇用者に対する給与等の支給額をいいます。

※8 その事業年度において「地方活力向上地域等において雇用者の数が増加した場合の特別税額控除制度(雇用促進税制)」の適用を受ける場合には、その規定による控除を受ける金額の計算の基礎となった者に対する給与等の支給額として一定の方法により計算した金額を控除した残額となります。

※9 教育訓練費とは、所得の金額の計算上損金の額に算入される、国内雇用者の職務に必要な技術又は知識を習得させ、又は向上させるために支出する費用で一定のものをいいます。

※10 中小企業比較教育訓練費とは、中小企業者等の適用年度開始の日前1年以内に開始した各事業年度の損金の額に算入される教育訓練費の額(その各事業年度の月数とと適用年度の月数が異なる場合には、教育訓練費の額に適用年度の月数を乗じてこれを各事業年度の月数で除して計算した金額)の合計額をその1年以内に開始した各事業年度の数で除して計算した金額をいいます。

2.令和3年度改正の内容

 所得拡大促進税制について次の見直しが行われた上、その適用期限が2年延長され、2021(令和3)年4月1日から2023(令和5)年3月31日までの間に開始する各事業年度(個人事業主の場合は、2022(令和4)年から2023(令和5)年までの各年)について適用されます。

※ 所得拡大促進税制については、2023(令和5)年3月31日の期限到来前に2022(令和4)年度改正が行われたため、2021(令和3)年4月1日から2022(令和4)年3月31日までの間に開始する事業年度(個人事業主の場合は2022(令和4)年)について適用されることとなりました。

(1) 適用要件のうち、継続雇用者給与等支給額から継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額の継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が1.5%以上であることの要件が、雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の比較雇用者給与等支給額に対する割合が1.5%以上であることの要件に見直されました。

(2) 特別税額控除率(原則:15%)が25%となる要件(上記1.(1)及び(2)の要件)のうち、継続雇用者給与等支給額から継続雇用者比較給与等支給額を控除した金額の継続雇用者比較給与等支給額に対する割合が2.5%以上であることの要件が、雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額の比較雇用者給与等支給額に対する割合が2.5%以上であることの要件に見直されました。

(3) 給与等の支給額から控除される給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額(上記1.※6参照)について、その範囲が明確化されるとともに、次の見直しが行われました。
① 上記(1)及び(2)の要件を判定する場合には、雇用安定助成金額を控除しないこととする
② 特別税額控除率(15%又は25%)を乗ずる基礎となる雇用者給与等支給額から比較雇用者給与等支給額を控除した金額は、雇用安定助成金額を控除して計算した金額を上限とする

※ 給与等に充てるため他の者から支払を受ける金額には、以下のものが該当します。
イ.その補助金、助成金、給付金又は負担金その他これらに準ずるもの(以下「補助金等」といいます)の要綱、要領又は契約において、その補助金等の交付の趣旨又は目的がその交付を受ける法人の給与等の支給額に係る負担を軽減させることが明らかにされている場合のその補助金等の交付額

該当する補助金等の例
業務改善助成金

ロ.イ以外の補助金等の交付額で、資産の譲渡、資産の貸付け及び役務の提供に係る反対給付としての交付額に該当しないもののうち、その算定方法が給与等の支給実績又は支給単価(雇用契約において時間、日、月、年ごとにあらかじめ定められている給与等の支給額をいいます)を基礎として定められているもの

該当する補助金等の例

雇用調整助成金、緊急雇用安定助成金、産業雇用安定助成金、労働移動支援助成金(早期雇い入れコース)、キャリアアップ助成金(正社員化コース)、特定求職者雇用開発助成金(就職氷河期世代安定雇用実現コース)、特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

ハ.イ及びロ以外の補助金等の交付額で、法人の使用人が他の法人に出向した場合において、その出向した使用人(以下「出向者」といいます)に対する給与を出向元法人(出向者を出向させている法人をいいます)が支給することとしているときに、出向元法人が出向先法人(出向元法人から出向者の出向を受けている法人をいいます)から支払を受けた出向先法人の負担すべき給与に相当する金額

 なお、出向先法人は、賃金台帳に出向者と給与負担金を記載することで、集計対象となる給与総額に含めることが可能となります。
(出向先法人の負担すべき給与に相当する金額については、本ブログ記事「出向先法人が支出する給与負担金の取扱い」をご参照ください)

住宅借入金等特別控除の適用要件等の見直し

 2021(令和3)年度税制改正で、住宅借入金等特別控除制度(いわゆる住宅ローン控除)の見直しが行われました。
 改正内容は、次のとおりです。

1.控除期間13年間の特例の延長

 住宅の取得等(新築、建売・中古取得又は増改築等)で特別特例取得に該当するものをした個人が、その特別特例取得をした家屋を2021(令和3)年1月1日から2022(令和4)年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合には、住宅借入金等を有する場合の所得税額の控除及び当該控除の控除期間の3年間延長(控除期間13年間)の特例を適用できることとされました。
 特別特例取得とは、その対価の額又は費用の額に含まれる消費税等の税率が10%である場合の住宅の取得等で、次に掲げる区分に応じてそれぞれ次に定める期間内にその契約が締結されているものをいいます。

(1) 居住用家屋の新築・・・2020(令和2)年10月1日から2021(令和3)年9月30日までの期間
(2) 居住用家屋で建築後使用されたことのないもの若しくは中古住宅の取得又はその者の居住の用に供する家屋の増改築等・・・2020(令和2)年12月1日から2021(令和3)年11月30日までの期間

新築 令和2年10月1日~令和3年9月30日の契約
建売、中古、増改築等 令和2年12月1日~令和3年11月30日の契約

2.床面積要件の下限の引き下げ(40㎡以上)

 上記1の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例は、個人が取得等をした床面積が40㎡以上50㎡未満である住宅の用に供する家屋についても適用できることとされました。
 ただし、床面積が40㎡以上50㎡未満である住宅の用に供する家屋に係る上記1の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除の特例は、その者の13年間の控除期間のうち、その年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円以下である場合に限り適用されます。

 上記1及び2について、その他の要件等は、現行の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除と同様です(参考:本ブログ記事「中古住宅を取得した場合の住宅借入金等特別控除の適用要件」)。

3.適用時期

 上記の改正は、住宅の取得等で特別特例取得に該当するものをした個人が、その特別特例取得をした家屋を2021(令和3)年1月1日から2022(令和4)年12月31日までの間にその者の居住の用に供した場合に適用されます。

出向先法人が支出する給与負担金の取扱い

1.給与負担金は出向先と出向元のどちらの損金?

 法人(例えば親会社)の使用人が他の法人(例えば子会社)に出向した場合において、その出向した使用人(以下「出向者」といいます)に対する給与を出向元の法人が支給することとしているため、出向先の法人がその出向者の給与(退職給与を除きます。以下同じ)に相当する金額(以下「給与負担金」といいます)を出向元の法人に支出したときは、当該給与負担金の額は、出向先の法人におけるその出向者に対する給与として取り扱われます。つまり、出向先法人が支出する給与負担金は、出向先法人の損金となります。
 この給与負担金の取扱いは、出向者が出向先法人において使用人となっているか、役員になっているかにより異なります。
 具体的には次のとおりとなります。

2.出向者が出向先法人において使用人の場合

 出向先法人が支出する給与負担金の額は、原則として、出向先法人における使用人に対する給与として、損金の額に算入されます(法人税基本通達9-2-45)

3.出向者が出向先法人において役員の場合

 出向者が出向先法人において役員となっている場合において、下記(1)(2)のいずれにも該当するときは、出向先法人が支出する当該役員に係る給与負担金の支出を出向先法人における当該役員に対する給与の支給として、法人税法第34条(役員給与の損金不算入)の規定が適用されます(法人税基本通達9-2-46)。
 つまり、出向先法人が支出する給与負担金の額は、それが定期同額給与、事前確定届出給与、業績連動給与に該当するのであれば、出向先法人における役員給与として損金の額に算入されます。

(1) 当該役員に係る給与負担金の額について、当該役員に対する給与として出向先の法人の株主総会、社員総会又はこれらに準ずるものの決議がされていること
(2) 出向契約等において当該出向者に係る出向期間及び給与負担金の額があらかじめ定められていること

 この取扱いの適用を受ける給与負担金について、事前確定届出給与の規定の適用を受ける場合には、出向先法人がその納税地の所轄税務署長にその出向契約等に基づき支出する給与負担金に係る定めの内容に関する届出を行うこととなります。

 なお、出向先法人が給与負担金として支出した金額が、出向元法人が当該出向者に支給する給与の額を超える場合には、その超える部分の金額については給与負担金としての性格はないこととなります。したがって、そのことについて合理的な理由がない場合には、出向元法人に対する寄附金として取り扱われることになります。

4.出向者に対する給与較差補てん金の取扱い

 出向元法人が出向先法人との給与条件の較差を補てんするため出向者に対して支給した給与は、出向期間中であっても、出向者と出向元法人との雇用契約が依然として維持されていることから、出向元法人の損金の額に算入されます。
 また、次のような場合も、給与較差補てん金として取り扱われます。

(1) 出向先法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため、出向元法人がその出向者に賞与を支給する場合
(2) 出向先法人が海外にあるため、出向元法人が留守宅手当を支給する場合

 この給与較差補てん金は、出向元法人が出向者に直接支給しても、出向先法人を通じて支給しても同様に取り扱われます。

住宅取得等資金贈与の非課税特例の見直し

 2021(令和3)年度税制改正で、直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置が改正されています。
 今回は、その改正内容を確認します(制度の詳細については、本ブログ記事「住宅取得等資金贈与の非課税特例」をご参照ください)。

1.改正内容(非課税限度額の引き上げ)

 2021(令和3)年12月31日までに、父母や祖父母などの直系尊属から、住宅の新築・取得又は増改築のための資金(以下、「住宅取得等資金」といいます)の贈与を受けて契約を締結した場合には、住宅取得等資金のうち、住宅用家屋の区分及び契約の締結時期、対価・費用に含まれる消費税率に応じて、それぞれ次に掲げる金額(以下、「非課税限度額」といいます)までについては贈与税が課税されません。

① 改正前

契約日 ①消費税率8%の場合又は個人間売買の場合 ②消費税率10%の場合
省エネ等住宅 左記以外 省エネ等住宅 左記以外
平成28年1月~平成31年3月 1,200万円 700万円
平成31年4月~令和2年3月 1,200万円 700万円 3,000万円 2,500万円
令和2年4月~令和3年3月 1,000万円 500万円 1,500万円 1,000万円
令和3年4月~令和3年12月 800万円 300万円 1,200万円 700万円

※上表の省エネ等住宅とは、断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上、高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上、耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免震建築物のいずれかに該当する住宅用家屋をいいます。

② 改正後

 2021(令和3)年4月1日から同年12月31日までの間に住宅用家屋の新築等に係る契約を締結した場合における非課税限度額が、次のとおり、2020(令和2)年4月1日から2021(令和3)年3月31日までの間の非課税限度額と同額まで引き上げられました。

契約日 ①消費税率8%の場合又は個人間売買の場合 ②消費税率10%の場合
省エネ等住宅 左記以外 省エネ等住宅 左記以外
平成28年1月~平成31年3月 1,200万円 700万円
平成31年4月~令和2年3月 1,200万円 700万円 3,000万円 2,500万円
令和2年4月~令和3年3月 1,000万円 500万円 1,500万円 1,000万円
令和3年4月~令和3年12月 1,000万円 500万円 1,500万円 1,000万円

2.改正内容(床面積要件の引き下げ)

 受贈者が贈与を受けた年分の所得税に係る合計所得金額が1,000万円以下である場合に限り、床面積要件の下限を40㎡以上(現行:50㎡以上)に引き下げられました(措令40の4の2①)。
 なお、住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例においても、同様に床面積要件の下限が40㎡以上(現行:50㎡以上)に引き下げられました(措令40の5①)。

※ 住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税の特例とは、2003(平成15)年1月1日から2021(令和3)年12月31日までの間に、贈与の年の1月1日において20歳以上の者が、父母、祖父母等からの贈与により住宅取得等資金の取得をした場合、贈与者の年齢がその年の1月1日に60歳未満であっても、一定の要件を満たせば相続時精算課税の適用を受けることができるというものです。

3.適用時期

 上記の改正は、2021(令和3)年1月1日以後に贈与により取得する住宅取得等資金に係る贈与税について適用されます。

インボイス制度導入で課税事業者の17%が免税事業者との取引を見直す意向

 2023(令和5)年10月1日にインボイス制度が導入されます。インボイス制度導入時に想定される免税事業者の取引への影響等について日本商工会議所が調査を行い、その結果を「中小企業における新型コロナウイルス感染拡大・消費税率引上げの影響調査結果」として2020(令和2)年10月9日に公表しています。
 今回は、その内容について見ていきます。

1.調査概要・回答企業の属性

 今回の調査の概要と回答企業の属性は次のとおりです。

出所:日本商工会議所『中小企業における新型コロナウイルス感染拡大・消費税率引上げの影響調査結果』

2.インボイス制度導入への準備状況

 導入までまだ時間があるためか(調査は2020(令和2)年6月29日~7月22日に実施)、全体の約66%の事業者がインボイス制度導入に向けて特に準備を行っていない状況です。
 特に「売上高1,000万円以下の事業者」については約77%で準備を行っておらず、小規模な事業者ほど準備が進んでいない傾向があります。

出所;日本商工会議所『中小企業における新型コロナウイルス感染拡大・消費税率引上げの影響調査結果』

3.インボイス制度導入後の免税事業者との取引

 インボイス制度導入後の対応予定(免税事業者との取引)については、課税事業者の約17%が「免税事業者との取引は(一切または一部)行わない」「経過措置の間は取引を行う」と回答し、免税事業者との取引を見直す意向を示しています(経過措置については、本ブログ記事「インボイス制度導入後の免税事業者からの仕入れに係る仕入税額控除の特例(経過措置)」をご参照ください)。
 課税事業者への転換については、免税事業者の約20%は「課税事業者になる予定(経過措置後を含む)」と回答し、前回調査結果(2019(令和1)年5月)の約10%より倍増しています。一方、約58%の事業者は「まだ分からない」と回答し、対応を決めかねている状態です。
 また、「要請があれば課税事業者になる予定」の免税事業者は約11%であるのに対し、課税事業者になるよう「要請を受けた」ことがあったり、課税事業者か「確認された」ことがある免税事業者は約7%となっています。

出所:日本商工会議所『中小企業における新型コロナウイルス感染拡大・消費税率引上げの影響調査結果』

4.免税事業者が課税転換する際の課題等

 インボイス制度導入を機に免税事業者が課税事業者に転換する際の課題については、「売上が確保できるか分からない」が約50%、次いで「制度が複雑で事務負担に対応できない」が約39%、「資金繰りが難しい」が約36%となっています。
 また、免税事業者の約42%は直近1年前の税引前利益が収支均衡以下となっており、さらに免税事業者の受注・販売先数は約37%が5社(者)未満であることから、取引先の減少は経営に与える影響が大きいと言えます。

出所;日本商工会議所『中小企業における新型コロナウイルス感染拡大・消費税率引上げの影響調査結果』

短期退職手当等に係る退職所得の金額の計算方法

 2021(令和3)年度税制改正で、勤続年数5年以下の一般従業員に対する退職所得の「2分の1課税」の見直しが行われました。
 この改正は、2022(令和4)年1月1日以後支給分の退職手当等について適用されます。

1.改正前の退職所得の金額の計算方法

 退職所得の金額は、その年中に支払を受ける退職手当等の収入金額から、その者の勤続年数に応じた退職所得控除額を控除した残額の2分の1に相当する金額とされており、次の算式で計算します。

 (収入金額-退職所得控除額)×1/2=退職所得の金額
※ 勤続年数5年以下の役員等の退職手当等(以下「特定役員退職手当等」といいます)については、「2分の1課税」は適用しません。

 退職所得控除額は、次の算式で計算します。

勤続年数 退職所得控除額
20年以下 40万円×勤続年数(最低80万円)
20年超 800万円+70万円×(勤続年数-20年)

 例えば、勤続年数5年の従業員に退職手当等600万円を支給する場合、退職所得の金額は次のように計算します。

 (600万円-40万円×5年)×1/2=200万円

2.改正後の退職所得の金額の計算方法

 短期退職手当等に係る退職所得の金額については、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次に定める金額とされました。
 なお、短期退職手当等とは、退職手当等のうち、退職手当等の支払をする者から短期勤続年数(勤続年数のうち、役員等以外の者としての勤続年数が5年以下であるものをいいます)に対応する退職手当等として支払を受けるものであって、特定役員退職手当等に該当しないものをいいます。

(1) 収入金額-退職所得控除額≦300万円 (2) 収入金額-退職所得控除額>300万円
(収入金額-退職所得控除額)×1/2 150万円+{(収入金額-(300万円+退職所得控除額)}

 上表の(1)の場合は、改正前と同じく2分の1課税が適用されます。(2)の場合は、300万円以下の部分の退職所得については2分の1課税が適用され(300万円×1/2=150万円)、300万円を超える部分の退職所得については2分の1課税が適用されません。

 例えば、勤続年数5年の従業員に退職手当等600万円を支給する場合、退職所得の金額は次のように計算します。

 150万円+{(600万円-(300万円+40万円×5年)}=250万円

 同じ条件でも、退職所得の金額は改正前の200万円から250万円に増えています。このような改正が行われた背景には、退職所得課税に対する優遇措置(退職所得控除額や2分の1課税等)を悪用するケースが目立ってきたことがあります。

資本的支出の譲渡所得における所有期間の判定

1.5年以内の資本的支出は短期譲渡?

 譲渡所得の計算では、資産の所有期間が5年を超えれば長期譲渡、5年以下であれば短期譲渡となり、その取扱いを異にしています。ここでいう所有期間とは、総合課税の場合はその資産の取得の日から譲渡した日までの期間をいい、分離課税の場合は譲渡した年の1月1日における所有期間(いわゆる「1月1日基準」)をいいます。
 この所有期間について、資本的支出をした場合はどのように判定するのか、というのが今回の主題です。
 例えば、所有期間5年超の業務用資産について、それを譲渡する3か月前に資本的支出(2007(平成19)年4月1日以後の支出)をした場合、その資本的支出は新たな減価償却資産の取得となりますが、この業務用資産を譲渡したときは、業務用資産本体を長期譲渡、資本的支出を短期譲渡と判定するのでしょうか?
 また、自宅等の非業務用資産の場合はどうでしょうか?

2.資産本体の所有期間で判定

 上記の問いに対する結論を先に述べると、3か月前に行った資本的支出も業務用資産本体の所有期間5年超で判定し、すべてが長期譲渡になります。
 また、自宅等の非業務用資産についても同様に取り扱います。

 2007(平成19)年4月1日以後に資本的支出を行った場合には、その資本的支出の金額を取得価額とする減価償却資産を新たに取得したものとする旨が規定されていますが(所得税法施行令127条1項)、これは減価償却資産に関する取扱いです。
 業務用資産、非業務用資産に対して資本的支出を行い、その資本的支出の金額を取得価額とする新たな減価償却資産を取得したものとされたとしても、その資本的支出は既存の減価償却資産につき改良、改造等のために行った支出です。その資本的支出のみが減価償却資産本体と区分され、単独資産として取引の対象となるのであれば別ですが、通常は減価償却資産本体と一体となって取引の対象となる資産が形成されます。
 そうすると、資本的支出を含めた減価償却資産全体の譲渡となり、減価償却資産本体の所有期間により長期又は短期の判定がなされるものと考えられます。
 このように判定する根拠は、次の租税特別措置法通達31・32共-6(改良、改造等があった土地建物等の所有期間の判定)にあります。

31・32共-6 その取得後改良、改造等を行った土地建物等について措置法第31条第2項に規定する所有期間を判定する場合における同項に規定する「その取得をした日」は、その改良、改造等の時期にかかわらず、当該土地建物等の取得をした日によるものとする。
 

事前確定届出給与(複数回支給)を届出通りに支給しなかった場合

 事前確定届出給与として当該事業年度の損金の額に算入される給与は、所定の時期に確定した額の金銭等を支給する旨の定めに基づいて支給するもの、すなわち、支給時期、支給金額が事前に確定し、実際にもその定めのとおりに支給される給与に限られます。
 したがって、所轄税務署長へ届け出た支給額と実際の支給額が異なる場合には、事前確定届出給与に該当しないこととなり、損金不算入となります。
 では、複数回支給する事前確定届出給与について、ある回は届出通りの支給をし、ある回は届出通りに支給しなかった場合はどうなるのでしょうか?
 届出通りに支給した給与だけが損金算入されるのでしょうか、それとも届出通りに支給した給与も含めて複数回支給した給与のすべてが損金不算入とされるのでしょうか?
 今回は、この点について確認します。

※ 事前確定届出給与に関する基本的な注意点については、本ブログ記事「事前確定届出給与の提出期限と支給額の注意点」をご参照ください。

1.異なる事業年度に複数回支給する場合

 国税庁ホームページの質疑応答事例「定めどおりに支給されたかどうかの判定(事前確定届出給与)」では、事前確定届出給与に該当するか否かの判定ついて、次のように記載されています。

 一般的に、役員給与は定時株主総会から次の定時株主総会までの間の職務執行の対価であると解されますので、その支給が複数回にわたる場合であっても、定めどおりに支給されたかどうかは当該職務執行の期間を一つの単位として判定すべきであると考えられます。
 したがって、複数回の支給がある場合には、原則として、その職務執行期間に係る当該事業年度及び翌事業年度における支給について、その全ての支給が定めどおりに行われたかどうかにより、事前確定届出給与に該当するかどうかを判定することとなります(下線筆者)。


 これは、国税庁が示した原則的な判定基準といえますが、この判定基準で以下の事例を確認します。

(1) 全額が損金算入不可となる場合

《事例1》3月決算法人が、令和3年5月26日から令和4年5月25日までを職務執行期間とする役員に対し、令和3年12月及び令和4年5月にそれぞれ200万円の給与を支給することを定めて所轄税務署長に届け出た場合において、令和3年12月には100万円しか支給せず、令和4年5月には満額の200万円を支給した。

 この場合、原則的な基準で判定すると、1回目(令和3年12月)の支給が届出通りではなかったので、その職務執行期間に係る支給の全てが定めどおりに行われたとはいえないため、届出通りに支給した2回目(令和4年5月)も含めて300万円全額が事前確定届出給与には該当せず、損金不算入となります。

 ただし、国税庁ホームページの質疑応答事例では、次のような例外的な取扱いも掲載されています。

(2) 一部が損金算入可となる場合

《事例2》3月決算法人が、令和3年5月26日から令和4年5月25日までを職務執行期間とする役員に対し、令和3年12月及び令和4年5月にそれぞれ200万円の給与を支給することを定めて所轄税務署長に届け出た場合において、令和3年12月には満額の200万円を支給したが、令和4年5月には100万円しか支給しなかった。

 結論を先に述べると、1回目(令和3年12月)の200万円は損金算入可、2回目(令和4年5月)の100万円は損金算入不可になります。

 《事例1》と異なるのは、《事例2》は、1回目(令和3年12月)は届出通りの支給、2回目(令和4年5月)は届出通りの支給ではないという点です。
 つまり、事業年度内(令和4年3月期)に《事例1》は届出通りの支給が行われていないのに対して、《事例2》は届出通りの支給が行われていることです。
 《事例2》のように、3月決算法人が当該事業年度(令和4年3月期)中は定めどおりに支給したものの、翌事業年度(令和5年3月期)において定めどおりに支給しなかった場合は、その支給しなかったことにより直前の事業年度(令和4年3月期)の課税所得に影響を与えるようなものではないことから、翌事業年度(令和5年3月期)に支給した給与の額のみについて損金不算入と取り扱っても差し支えないものとされています。

 《事例1》《事例2》については以上ですが、ここで、新たな疑問が生じます。国税庁ホームページの質疑応答事例で言及されている《事例1》《事例2》は、ともに異なる事業年度に複数回支給する場合です。
 もしこれが、同一事業年度内に複数回支給されるとしたらどうなるでしょうか?例えば、次のような事例の場合です。

2.同一事業年度に複数回支給する場合

《事例3》3月決算法人が、令和3年5月26日から令和4年5月25日までを職務執行期間とする役員に対し、令和3年12月及び令和4年3月にそれぞれ200万円の給与を支給することを定めて所轄税務署長に届け出た場合において、令和3年12月には満額の200万円を支給したが、令和4年3月には100万円しか支給しなかった。

 この場合は、届出通りに支給した1回目(令和3年12月)の200万円も含めて300万円全額が事前確定届出給与には該当せず、損金不算入となります。
 原則的な判定として、2回目(令和4年3月)の支給が届出通りではなかったので、その職務執行期間に係る支給の全てが定めどおりに行われたとはいえないため、損金不算入となります。
 また、例外的な判定を考慮したとしても、届出通りに支給しなかったことにより、事業年度(令和4年3月期)の課税所得に影響を与えるものであることから、損金不算入となります。

租税特別措置法上の「中小企業者」の定義とその判定時期

 中小企業には様々な優遇税制(例えば、所得拡大促進税制や中小企業投資促進税制など)が用意されていますが、一口に中小企業と言っても、その範囲は各税制によって異なります。中小企業の優遇税制には、それぞれ根拠となる法律があり、各制度を規律する法律によって中小企業の定義は変わります。
 今回は中小企業の優遇税制と関連の深い租税特別措置法上の中小企業者の定義と、中小企業者に該当するか否かの判定は事業年度のどの時点で行うのかについて確認します。

1.中小企業者の定義

 租税特別措置法における中小企業者の定義は、2019(平成31)年度税制改正により見直しが行われ、2019(平成31)年4月1日以後に開始する事業年度から適用されています。
 改正後の中小企業者とは、次の(1)(2)に掲げる法人をいいます。ただし、中小企業者のうち適用除外事業者※1に該当するものは除かれます。

(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人のうち次に掲げる法人以外の法人

① その発行済株式又は出資(自己の株式又は出資を除く。以下同じ。)の総数又は総額の2分の1以上を同一の大規模法人※2に所有されている法人
② 上記①のほか、その発行済株式又は出資の総数又は総額の3分の2以上を複数の大規模法人に所有されている法人
③ 受託法人

(2) 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人以下※4の法人(受託法人を除く)

※1 適用除外事業者とは、基準年度(その事業年度開始の日前3年以内に終了した各事業年度)の所得金額の合計額を各基準年度の月数の合計数で除し、これに12を乗じて計算した金額(設立後3年を経過していないことなどの一定の事由がある場合には、一定の調整を加えた金額)が15億円を超える法人をいいます。

※2 大規模法人とは、次に掲げる法人をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます。
(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円を超える法人
(2) 資本又は出資を有しない法人のうち常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
(3) 大法人※3との間にその大法人による完全支配関係がある法人
(4) 普通法人との間に完全支配関係がある全ての大法人が有する株式及び出資の全部をその全ての大法人のうちいずれか一の法人が有するものとみなした場合においてそのいずれか一の法人とその普通法人との間にそのいずれか一の法人による完全支配関係があることとなるときのその普通法人(上記(3)に掲げる法人を除く。)

※3 大法人とは、次に掲げる法人をいいます。
(1) 資本金の額又は出資金の額が5億円以上の法人
(2) 相互会社及び外国相互会社のうち、常時使用する従業員の数が1,000人を超える法人
(3)  受託法人

※4 「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」においては、2020(令和2)年度改正で、常時使用する従業員の数が500人(改正前:1,000人)以下に引き下げられました(措令39の28①)。

 上記のとおり、中小企業者とは、資本金・出資金の額が1億円以下の法人、又は資本・出資を有しない法人のうち、常時使用する従業員の数が1,000人以下※4の法人をいいます。
 ただし、資本金・出資金が1億円以下であっても、大規模法人にその発行済株式・出資の総数・総額の2分の1以上を所有されていたり、複数の大規模法人にその3分の2以上を所有されている法人は、中小企業者に該当しません。
 また、2019(平成31)年度税制改正により大規模法人の定義が変更され、大法人(資本金5億円以上)による完全支配関係がある法人が加えられたため、この大法人により間接保有される法人等がみなし大企業に該当することになり、中小企業者の範囲から除外されることになりました。

2.中小企業者の判定時期

 各種の優遇税制の適用を受けるためには中小企業者であることが必要ですが、例えば、期中に増資を行ったために資本金が1億円を超えることとなった場合は、その時点で中小企業者ではなくなります。
 しかし、増資が行われるまでは中小企業者であったので、もし、中小企業者であるか否かの判定が事業年度開始の時の現況で行われるのであれば、中小企業者に該当することになります。
 このように、どの時点で中小企業者の判定を行うかは、優遇税制の適用があるかどうかを判断する上で大変重要です。
 以下では、主な優遇税制について、中小企業者の判定時期を確認します。

(1) 研究開発税制(中小企業者等が試験研究を行った場合の法人税額の特別控除)

 中小企業者等に該当するか否かについては、事業年度終了の時の現況によって判定します。

(2) 所得拡大促進税制(中小企業者等が給与等の引上げを行った場合の税額控除)

 中小企業者等に該当するか否かについては、事業年度終了の時の現況によって判定します。

※ 所得拡大促進税制については、本ブログ記事「中小企業者等の所得拡大促進税制の令和3年度改正」をご参照ください。

(3) 中小企業投資促進税制(中小企業等が機械等を取得した場合の特別償却又は特別控除)

 法人が事業年度の中途で中小企業者等に該当しなくなった場合において、その該当しないこととなった日前に取得等をして事業の用に供した機械等については適用があります

※ 税額控除は資本金3,000万円以下の中小企業者に限ります。
※ 中小企業者投資促進税制については、本ブログ記事「令和3年度改正後の中小企業投資促進税制」をご参照ください。

(4) 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例

 法人が事業年度の中途で中小企業者等に該当しなくなった場合において、その該当しないこととなった日前に取得等をして事業の用に供した機械等については適用があります。

※ 中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例については、本ブログ記事「30万円未満の少額減価償却資産の損金算入制度と別表16(7)の記載例」をご参照ください。

(5) 欠損金の繰戻しによる還付の不適用措置について、中小企業者等の各事業年度において生じた欠損金額は、不適用措置から除外する特例

 中小企業者等に該当するか否かについては、事業年度終了の時の現況によって判定します。

一時支援金の申請書類提出期限と事前確認期限が延長されます

1.書類提出期限は2週間程度延長

 一時支援金の申請期限は2021(令和3)年5月31日(月)ですが、申請に必要な書類の準備に時間を要するなど、申請期限に間に合わない合理的な理由がある方については、「申請に必要な書類の提出期限」が2週間程度延長されることになりました。
 ただし、申請する前に必要な「登録確認機関での事前確認」が受けられるのは、「申請に必要な書類の提出期限」の数日前までとなりますので、ご注意ください。
 なお、延長後の書類の提出期限及び事前確認期限の具体的な期日については、決まり次第、改めて発表されます。
※ 2021(令和3)年5月18日付で、一時支援金の申請に必要な書類の提出期限及び事前確認期限の延長に関するリーフレットが公表されています。
※ 「申請に必要な書類の提出期限」は、6月15日(火)まで延長されています。申請する前に必要な登録確認機関での事前確認」が受けられるのは6月11日(金)までとなっていますので、ご注意ください。

2.期限延長の手順

 これらの期限延長を希望する場合は、以下の(1)~(3)の手順に従って、2021(令和3)年5月31日(月)までに、「申請IDの発行」及びマイページ上からの「書類の提出期限延長の申込」両方を行う必要があります。
 なお、下記(2)及び(3)(書類の提出期限延長の申込)については、2021(令和3)年5月25日(火)から可能となります。

(1) マイページボタンから「初めて登録する方はこちら」をクリックして、登録手続き(申請ID発番)を行います。
(2) 登録完了後にマイページにログインして、マイページ画面上の「書類の提出期限延長をご希望の方は、こちら」から申込ページに移動します。
(3) 申込ページにおいて、申請期限に間に合わない理由などの必要事項の記載等を行った上で、2021(令和3)年5月31日(月)までに申し込みをします。

 電子申請が困難な場合には、申請サポート会場を予約し、2021(令和3)年5月31日(月)までに、同会場で「書類の提出期限延長の申込」手続を行ってください。