マスク、PCR検査、オンライン診療は医療費控除の対象になるか?

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は、日常生活へ大きな影響を及ぼしています。街中では感染防止のためにほとんどの人がマスクを着用し、PCR検査を受ける人も増えています。また、在宅で診療を受けることができるオンライン診療を始めた医療機関もあります。
 今回は、一向に収まる気配の無い新型コロナウイルス感染症に関連して支出した標題の費用が、医療費控除の対象となるか否かについて確認します。

1.医療費控除の対象

 所得税法では、医療費控除の対象となる医療費は、①医師等による診療や治療のために支払った費用、②治療や療養に必要な医薬品の購入費用、などとされています(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項)。
 医療費控除の対象となるか否かの判断基準は、簡単に言うと、その支出が治療目的の場合は可、予防目的の場合は不可ということです。
 例えば、インフルエンザに感染したときに支払う診察料や医薬品代は、治療目的のための支出ですから医療費控除の対象となります。一方、インフルエンザの感染防止のためにする予防接種は、予防目的のための支出ですから医療費控除の対象となりません。
 この観点から、マスク購入費用、PCR検査費用、オンライン診療に係る諸費用が医療費控除の対象となるか否かについて、以下でみていきます。

2.マスク購入費用

 新型コロナウイルス感染症を予防するためのマスク購入費用は、病気の治療目的ではなく感染予防を目的とした支出であるため、医療費控除の対象にはなりません。

3.PCR検査費用

 PCR検査については、医師等の判断により受ける場合と自己の判断で受ける場合があります。

(1) 医師等の判断によりPCR検査を受けた場合

 新型コロナウイルス感染症にかかっている疑いがある場合に、医師等の判断により受けたPCR検査の検査費用は、治療目的の支出( 医師等による診療や治療のために支払った費用 )に該当するため、医療費控除の対象となります。
 ただし、医療費控除の対象となる金額は自己負担部分に限られますので、公費負担により行われる部分の金額については、医療費控除の対象にはなりません。

(2) 自己の判断によりPCR検査を受けた場合

 単に感染していないことを明らかにする目的で受けるPCR検査など、自己の判断により受けたPCR検査の検査費用は、治療目的の支出に該当しないため、医療費控除の対象となりません。
 ただし、PCR検査の結果、「陽性」であることが判明し、引き続き治療を行った場合には、その検査は、治療に先立って行われる診察と同様に考えることができますので、その場合の検査費用については医療費控除の対象となります(所得税基本通達73-4)。

4.オンライン診療に係る諸費用

 オンライン診療は、在宅で医師の診療を受けることができ、また、処方された医薬品については、医療機関から患者が希望した薬局に処方箋情報が送付され、その薬局から患者の自宅へ医薬品を配送できる仕組みとなっています。
 この仕組みを利用するためには、以下のとおり、オンライン診療料に係る費用のほか、システムの利用料等の支払が必要となります。

(1) オンライン診療料

 オンライン診療料のうち、医師等による診療や治療のために支払った費用については、医療費控除の対象となります(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項)。

(2) オンラインシステム利用料

 医師等による診療や治療を受けるために支払ったオンラインシステム利用料については、オンライン診療に直接必要な費用に該当しますので、医療費控除の対象となります(所得税基本通達73-3)。

(3) 処方された医薬品の購入費用

 処方された医薬品の購入費用が、治療や療養に必要な医薬品の購入費用に該当する場合は、医療費控除の対象となります(所得税法73条2項、所得税法施行令207条1項2号)。

(4) 処方された医薬品の配送料

 医薬品の配送料については、治療又は療養に必要な医薬品の購入費用に該当しませんので、医療費控除の対象となりません。

月次支援金の事前確認項目(不正受給抑止)

 月次支援金の申請に当たっては、登録確認機関による事前確認が必要です。ただし、一時支援金を受給している場合は、月次支援金の申請の際に改めて事前確認を受ける必要はありません。
 一時支援金を受給していない場合は、月次支援金を初めて申請する際に事前確認が必要ですが、2回目以降の申請では事前確認は不要です。
 登録確認機関が行う月次支援金の事前確認の内容等は、基本的には一時支援金のときと変わりませんが、月次支援金で新たに追加された確認項目もあります。
 今回は、不正受給抑止に関する登録確認機関の事前確認項目について確認します。

※ 月次支援金の制度詳細については、本ブログ記事「月次支援金の申請受付が令和3年6月より開始されます」をご参照ください。

1.追加された不正受給抑止項目

 申請希望者が給付対象や宣誓・同意事項等を正しく理解していることを確認するため、登録確認機関は申請希望者に対して数項目の確認をします。その中の一つに、次の項目があります。これは、持続化給付金のときに横行した不正受給に対する歯止めとして、月次支援金の事前確認項目として新たに追加されたものです。

一時支援金又は月次支援金の給付の申請について、いずれかの申請が不給付となった場合には、全ての一時支援金及び月次支援金について受給資格を失って返還等の義務を負うなどすることを(申請希望者が)認識しているか。

 これは、例えば、一時支援金の申請が正しく行われ一時支援金を正当に受給していたとしても、月次支援金の申請で不正が発覚して不給付となった場合には、過去に正当に受給した一時支援金も含めて全ての一時支援金及び月次支援金の返還義務が生ずるということです。
 しかし、不給付には不正申請による場合だけではなく、単純な計算ミスなどによる場合もあります。計算ミスなどによる不給付の場合(不正受給の目的をもって申請したのではない場合)は、正しく申請受給した過去の一時支援金や月次支援金の返還まで求められるものではありません。

2.元々あった不正受給抑止項目

 不正受給の予防策としては、もうひとつ一時支援金のときと同じように次の事前確認項目があります。

月次支援金の不正受給又は無資格受給を行った場合や書類の保存義務・提出義務を遵守しなかった場合、事務局等の調査に応じなかった場合、宣誓・同意書に違反した場合には、全ての一時支援金及び月次支援金について受給資格を失って返還等の義務を負うなどするほか、特に不正受給の場合には受給額に延滞金及び2割の加算金を加えて返還する義務を負うことや、氏名等の公表及び刑事告発され得ることを(申請希望者が)認識しているか。

 不正受給を抑制するという点で、上記1の追加項目と内容的にはほぼ同じであるにもかかわらず、なぜこの項目をここで掲げているのか(なぜ、上記1の項目を追加したのか)、その違いがわかりにくかったので、月次支援金事務局に聞いてみました。
 事務局によると、ここで再度不正受給の場合の措置を挙げているのは、不正が悪質な場合は延滞金や加算金、氏名等の公表、刑事告発の対象となり得ることを強調するためとのことでした(悪質であるか否かについては、月次支援金事務局で判断されるようです)。



一時支援金の申請書類提出期限と事前確認期限が延長されます

1.書類提出期限は2週間程度延長

 一時支援金の申請期限は2021(令和3)年5月31日(月)ですが、申請に必要な書類の準備に時間を要するなど、申請期限に間に合わない合理的な理由がある方については、「申請に必要な書類の提出期限」が2週間程度延長されることになりました。
 ただし、申請する前に必要な「登録確認機関での事前確認」が受けられるのは、「申請に必要な書類の提出期限」の数日前までとなりますので、ご注意ください。
 なお、延長後の書類の提出期限及び事前確認期限の具体的な期日については、決まり次第、改めて発表されます。
※ 2021(令和3)年5月18日付で、一時支援金の申請に必要な書類の提出期限及び事前確認期限の延長に関するリーフレットが公表されています。
※ 「申請に必要な書類の提出期限」は、6月15日(火)まで延長されています。申請する前に必要な登録確認機関での事前確認」が受けられるのは6月11日(金)までとなっていますので、ご注意ください。

2.期限延長の手順

 これらの期限延長を希望する場合は、以下の(1)~(3)の手順に従って、2021(令和3)年5月31日(月)までに、「申請IDの発行」及びマイページ上からの「書類の提出期限延長の申込」両方を行う必要があります。
 なお、下記(2)及び(3)(書類の提出期限延長の申込)については、2021(令和3)年5月25日(火)から可能となります。

(1) マイページボタンから「初めて登録する方はこちら」をクリックして、登録手続き(申請ID発番)を行います。
(2) 登録完了後にマイページにログインして、マイページ画面上の「書類の提出期限延長をご希望の方は、こちら」から申込ページに移動します。
(3) 申込ページにおいて、申請期限に間に合わない理由などの必要事項の記載等を行った上で、2021(令和3)年5月31日(月)までに申し込みをします。

 電子申請が困難な場合には、申請サポート会場を予約し、2021(令和3)年5月31日(月)までに、同会場で「書類の提出期限延長の申込」手続を行ってください。

月次支援金の申請受付が令和3年6月より開始されます

 一時支援金の申請受付は、2021(令和3)年5月31日(月)で終了しますが、この一時支援金とは別に、新たに「月次支援金」の制度概要が経済産業省から公表されました。
 月次支援金は、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策として2021(令和3)年4月以降に実施される緊急事態措置やまん延防止等重点措置により、「飲食店の休業・時短営業」や「外出自粛等」の影響を受けている中小法人と個人事業者に向けた継続的な支援制度です。
 月次支援金の給付にあたっては、一時支援金の仕組みを用いることで、事前確認や提出資料の簡略化が図られており、申請者の利便性を高めるように措置されています。
 そのため、登録確認機関の事前確認を経て一時支援金を受給した方にとっては、月次支援金の申請はしやすいものと思われます。
 制度の詳細は5月中旬に公表される予定ですが、4月30日付で公表されている制度概要は次のとおりです。

※ 2021(令和3)年5月18日に公表された「緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響緩和に係る月次支援金の詳細について」が6月3日に更新されました。今後、随時更新されていきます。

1.月次支援金の概要

 

給付対象

①緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴う飲食店の休業・時短営業又は外出自粛等の影響を受けていること※
②2021(令和3)年の月間売上が、2019(令和1)年又は2020(令和2)年の同月比で50%以上減少していること
給付額 2019年又は2020年の基準月の売上-2021年の対象月の売上

対象月:緊急事態措置又はまん延防止等重点措置が実施された月のうち、同措置の影響を受けて、2019年又は2020年の同月比で、売上が50%以上減少した2021年の月
基準月:2019年又は2020年における対象月と同じ月
給付額上限 中小法人等:20万円/月
個人事業者等:10万円/月

※ 2021(令和3)年4月以降に実施される緊急事態措置又はまん延防止等重点措置に伴い、同措置が実施される地域において、休業または時短営業の要請を受けて休業又は時短営業を実施している飲食店と直接・間接の取引があること、又はこれらの地域における不要不急の外出・移動の自粛による直接的な影響を受けていることが必要です。
 なお、外出自粛等の影響には、人流抑制を目的とする休業又は時短営業の要請を受けた事業者に対して、商品・サービスを提供していることによる影響も含みます。
 ただし、地方公共団体による休業又は時短営業の要請に伴う協力金の支払対象の事業者については、当該協力金が新型コロナウイルス感染症対策対応地方創生臨時交付金を用いている場合には、月次支援金の給付対象外です。

2.月次支援金の申請手続き等の留意点

 月次支援金は一時支援金の仕組みを利用することから、その申請手続き等も一時支援金の場合と共通点が多いといえます。以下では、月次支援金の申請に際しての留意点を列挙します。

(1) 申請者の利便性向上のために一時支援金の仕組みを用いることから、一時支援金事務局が月次支援金事務局を兼ねることとされています。

(2) 月次支援金の申請をする際は、初回のみ登録確認機関の事前確認を受ける必要があります。事前確認を受けて月次支援金を受給すれば、2回目以降の申請では、基本的には事前確認は不要です。
 なお、事前確認を経て一時支援金を受給した事業者は、基本的には、月次支援金の申請のために改めて事前確認を受ける必要はありません

(3) 緊急事態措置又はまん延防止等重点措置が複数月に及ぶ場合や新たに同措置が実施されて対象月が増えた場合などは、それぞれの月において、売上が50%以上減少し必要な要件を満たせば、申請を行うことができます。
 ただし、1つの対象月につき、申請・受給は1回のみとされています。

(4) 初めて月次支援金の申請を行う場合は、下表の①~⑤の提出書類をすべて提出する必要がありますが、2回目以降の申請における提出書類は、基本的には、対象月の売上台帳となります(2回目以降の申請では、宣誓・同意書を改めて提出する必要はありませんが、オンライン上で宣誓・同意事項の確認がされます)。
 なお、一時支援金の受給に際して提出した書類は、改めて提出する必要はありません。
 ただし、既存の提出書類に修正・追加の必要がある場合には、修正後・追加の書類を提出します。

  一時支援金受給者の1回目の申請 一時支援金受給者の2回目以降の申請 一時支援金未受給者の1回目の申請 一時支援金未受給者の2回目以降の申請
事前確認 必要
①2019年・2020年の確定申告書 提出
②2021年の対象月の売上台帳 提出 提出 提出 提出
③通帳 提出
④宣誓・同意書 提出 オンライン上で確認 提出 オンライン上で確認
⑤履歴事項全部証明書(中小法人等)
本人確認書類(個人事業者等)
提出

(5) 提出書類の他に、緊急事態措置又はまん延防止等重点措置の影響を受けたことを示す証拠書類の保存が必要です。

(6) 証拠書類等及び給付額の算定等に関する特例が措置される予定です。

中古住宅を取得した場合の住宅借入金等特別控除の適用要件

 住宅借入金等特別控除(いわゆる住宅ローン控除)は、新築住宅から中古住宅、増改築まで幅広く適用があります。
 中古住宅の場合は住宅ローン控除を受けられないと思っている方も見受けられますが、要件を満たせば適用を受けることができますので、確定申告をして税負担を軽くしましょう。 
 個人が中古住宅を取得した場合で、次の1~5の要件をすべて満たすときは、住宅ローン控除の適用を受けることができます。
 なお、居住の用に供する住宅を二つ以上所有する場合、控除の適用対象は主として居住の用に供する一つの住宅に限られます。

※ 2021(令和3)年度税制改正で、住宅借入金等特別控除制度について一部見直しがされています。改正内容については、本ブログ記事「住宅借入金等特別控除の適用要件等の見直し」をご参照ください。

1.家屋等に関する要件〈築年数等〉

 取得した中古住宅が、次の(1)~(4)のいずれにも該当する住宅であること

(1) 建築後使用されたものであること

(2) 次の①~③のいずれかに該当する住宅であること

① 家屋が建築された日からその取得の日までの期間が20年(マンションなどの耐火建築物の建物の場合には25年)以下であること

※ 「耐火建築物」とは、建物登記簿に記載された家屋の構造のうち、建物の主たる部分の構成材料が、石造、れんが造、コンクリートブロック造、鉄骨造(軽量鉄骨造は含みません)、鉄筋コンクリート造又は鉄骨鉄筋コンクリート造のものをいいます。

② 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの (耐震基準)に適合する建物であること

※ 次の証明書等が付された家屋の場合は、上記①の築年数の要件を満たすものとされます。
イ.耐震基準適合証明書(家屋取得の日前2年以内に証明のための調査が終了したもの)
ロ.建設住宅性能評価書(評価等級が1~3のもの)の写し(家屋取得の日前2年以内に評価されたもの)
ハ.既存住宅売買瑕疵担保責任保険契約が締結されていることを証する書類(家屋取得の日前2年以内に締結されたもの)

③ 2014年(平成26年)4月1日以後に取得した中古住宅で、上記①又は②のいずれにも該当しない一定のもの(要耐震改修住宅)のうち、その取得の日までに耐震改修を行うことについて申請をし、かつ、居住の用に供した日までにその耐震改修(租税特別措置法41条の19の2(既存住宅の耐震改修をした場合の所得税額の特別控除)第1項又は41条の19の3(既存住宅に係る特定の改修工事をした場合の所得税額の特別控除)第6項若しくは第8項の適用を受けるものを除きます。)により家屋が耐震基準に適合することにつき証明がされたものであること

(3) 取得の時に生計を一にしており、その取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者などからの取得でないこと

(4) 贈与による取得でないこと

2.家屋等に関する要件〈床面積〉

 取得した住宅の床面積が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が専ら自己の居住の用に供するものであること

※ この場合の床面積の判断基準は、次のとおりです。

(1) 床面積は、登記簿に表示されている床面積により判断します。

(2) マンションの場合は、階段や通路など共同で使用している部分(共有部分)については床面積に含めず、登記簿上の専有部分の床面積で判断します。

(3) 店舗や事務所などと併用になっている住宅の場合は、店舗や事務所などの部分も含めた建物全体の床面積によって判断します。

(4) 夫婦や親子などで共有する住宅の場合は、床面積に共有持分を乗じて判断するのではなく、ほかの人の共有持分を含めた建物全体の床面積によって判断します。
 ただし、マンションのように建物の一部を区分所有している住宅の場合は、その区分所有する部分(専有部分)の床面積によって判断します。

3.取得者に関する要件

次の(1)~(3)のいずれにも該当すること

(1) 取得者は居住者であること(2016年(平成28年)4月1日以後の取得については、非居住者でも可)

(2) 取得の日から6か月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること

※ 個人が死亡した日の属する年にあっては、同日まで引き続き住んでいれば適用を受けることができます。

※ 中古住宅を取得した後、その住宅に入居することなく増改築等工事を行った場合の住宅借入金等特別控除については、新型コロナウイルス感染症の影響によって工事が遅延したことなどにより、その住宅への入居が控除の適用要件である入居期限要件(取得の日から6か月以内)を満たさないこととなった場合でも、次の①~③の要件を満たすときは、その適用を受けることができます(新型コロナ税特法6条、新型コロナ税特令4条)。

① 中古住宅の取得をした日から5か月を経過する日又は新型コロナ税特法の施行の日(2020年(令和2年)4月30日)から2か月を経過する日のいずれか遅い日までに、増改築等の契約を締結していること

② 増改築等の終了後6か月以内に、中古住宅に入居していること

③ 2021年(令和3年)12月31日までに中古住宅に入居していること

(3) この特別控除の適用を受ける年分の合計所得金額が、3,000万円以下であること

※ 合計所得金額とは、次の①~⑦の合計額をいいます。

① 純損失、雑損失、居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失、特定居住用財産の譲渡損失、上場株式等に係る譲渡損失、特定投資株式に係る譲渡損失及び先物取引の差金等決済に係る損失の繰越控除を適用する前の総所得金額

② 特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額

③ 株式等に係る譲渡所得等の金額

④ 上場株式等の配当所得等(上場株式等に係る譲渡損失との損益通算後の金額)

⑤ 先物取引に係る雑所得等の金額

⑥ 山林所得金額

⑦ 退職所得金額

4.借入金に関する要件

 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている中古住宅の取得のための一定の借入金又は債務(住宅とともに取得するその住宅の敷地の用に供される土地等の取得のための借入金等を含みます)があること

※ 一定の借入金又は債務とは、例えば銀行等の金融機関、独立行政法人住宅金融支援機構、勤務先などからの借入金や独立行政法人都市再生機構、地方住宅供給公社、建設業者などに対する債務です。
 ただし、勤務先からの借入金の場合には、無利子又は0.2%(2016年(平成28年)12月31日以前に居住の用に供する場合は1%)に満たない利率による借入金は、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。
 また、親族や知人からの借入金は全て、この特別控除の対象となる借入金には該当しません。

5.重複適用排除の対象となる譲渡所得の特例

 取得した家屋をその居住の用に供した個人が次の(1)(2)の期間において、その取得をした家屋及びその敷地の用に供している土地等以外の資産(それまでに住んでいた家屋など)について、居住用財産を譲渡した場合の譲渡所得の課税の特例の適用を受けていないこと

(1) 2020年(令和2年)4月1日以後に譲渡した場合
 その居住の用に供した年とその前2年・後3年の計6年間

(2) 2020年(令和2年)3月31日以前に譲渡した場合
 その居住の用に供した年とその前後2年ずつの計5年間

※ 重複適用排除の対象となるのは、以下の譲渡所得の特例です。
・居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法31の3)
・居住用財産の譲渡所得の特別控除(措法35①)
・特定の居住用財産の買換え及び交換の場合の長期譲渡所得の課税の特例(措法36の2、36の5)
・既成市街地等内にある土地等の中高層耐火建築物等の建設のための買換え及び交換の場合の譲渡所得の課税の特例(措法37の5)

新型コロナの影響を受けた事業者の令和3年度固定資産税等の減免

 新型コロナウイルス感染症の影響により、一定以上の事業収入の減少があった中小企業・小規模事業者に対して、2021年度(令和3年度)に限り、償却資産に係る固定資産税及び事業用家屋に係る固定資産税及び都市計画税が減免されます。
 今回は、本特例の適用を受けるための申請方法などを紹介します。

1.対象者

 以下のいずれかに該当する法人または個人(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の第2条第5項に規定する「性風俗関連特殊営業」を営む者を除きます)

(1) 資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人
(2) 常時使用する従業員が1,000人以下の資本又は出資を有しない法人
(3) 常時使用する従業員が1,000人以下の個人

 ※ただし、大企業の子会社等(下記のいずれかの要件に該当する企業)は対象外となります。
① 同一の大規模法人(資本金の額若しくは出資金の額が1億円超の法人、資本若しくは出資を有しない法人のうち常時使用する従業員数が1,000人超の法人又は大法人(資本金の額又は出資金の額が5億円以上である法人等)との間に当該大法人による完全支配関係がある法人等をいい、中小企業投資育成株式会社を除きます)から2分の1以上の出資を受ける法人
② 2以上の大規模法人から3分の2以上の出資を受ける法人

2.減免対象

 償却資産に係る固定資産税、事業用家屋に係る固定資産税・都市計画税の課税標準
 ※居住用の部分及び土地は対象になりません。

3.措置内容

令和2年2月から10月までの任意の連続する3か月間の事業収入の減少率 軽減率
前年同期比30%以上50%未満の減少 2分の1
前年同期比50%以上の減少 全額

4.減免期間

 2021年度(令和3年度)に限ります。

5.申請期間

 2021年(令和3年)1月4日から2月1日まで
 ※当日消印有効です(期限を過ぎた申請は受付されません)。

6.申請方法

 事前に税理士、公認会計士等の認定経営革新等支援機関等による確認を受けた後に、下記の必要書類を添えて対象資産の所在する市町村(市役所資産税課など)へ申請します。

(1) 申請書(認定経営革新等支援機関等の確認印が押されたもの)
(2) 認定経営革新等支援機関等への確認時に提出した次の書類(写し)
 ① 収入減を証明する書類
 ② 特例対象家屋の事業割合を示す書類
 ※収入減の理由に「不動産賃料の猶予」によるものが含まれる場合は、追加で「不動産賃料の猶予の金額や猶予期間を確認できる書類」を提出します。

テレワークで支出した費用は特定支出控除の対象となるか?

 新型コロナウイルス感染症の影響により、時間や場所を固定しない柔軟な働き方であるテレワーク(在宅勤務)が社会全体で急速に普及・定着しつつあります。
 そこで気になるのが、テレワークを取り入れる企業のサラリーマン(給与所得者)がテレワークのために支出した費用は、特定支出控除の対象になるかどうか、ということです。
 今回は、コロナ禍における特定支出控除について確認します。

1.特定支出控除の概要

 特定支出控除とは、給与所得者が次のような支出(以下「特定支出」といいます)をした場合、その年の特定支出の合計額が給与所得控除額の2分の1を超える場合、その超える部分について、確定申告により給与所得の金額の計算上控除することができる制度です。

項目 内容
通勤費 一般の通勤者として通常必要であると認められる通勤のための支出
職務上の旅費 勤務する場所を離れて職務を遂行するために直接必要な旅費
転居費 転任に伴う転居のために通常必要であると認められる支出のうち一定のもの
研修費 職務に直接必要な技術や知識を得ることを目的として研修を受けるための支出
資格取得費 職務に直接必要な資格を取得するための支出
帰宅旅費 単身赴任等で場合で、勤務地と自宅の間の旅行のために通常必要な支出のうち一定のもの
勤務必要経費 職務に関連する書籍・定期刊行物等の図書費、制服・事務服等の衣類及び職務上関係ある者に対する接待・供応・贈答等のための支出

2.特定支出控除の対象となるか?

 テレワーク(在宅勤務)を命じられたことに伴い、職務の遂行に直接必要なものとして次の費用を支出した場合、特定支出控除の対象となる勤務必要経費に該当するでしょうか?

(1) 机・椅子・パソコン等の備品購入のための費用
(2) 文房具等の消耗品の購入のための費用
(3) 電気代等の水道光熱費やインターネット回線使用のための費用
(4) インターネット上に掲載されている有料記事購入のための費用

 結論を先に述べると、上記のうち(4)のみが勤務必要経費に該当し、特定支出控除の対象になります。

 勤務必要経費は、①職務に関連する図書(書籍、新聞・雑誌その他の定期刊行物、不特定多数の者に販売することを目的として発行される図書)、②勤務場所において着用することが必要とされる衣服を購入するための支出、③給与等の支払者の得意先や仕入先などの職務上関係のある者に対する接待等のための支出のうち、その支出がその人の職務の遂行に直接必要なものとして給与等の支払者により証明されたものとされています。
 上記(1)~(4)の各費用のうち「(4) インターネット上に掲載されている有料記事」については、一般的に不特定多数の者に販売することを目的として発行されるものですので、勤務必要経費(図書費)に該当します。
 しかし、その他の費用は、上記①~③の勤務必要経費のいずれの支出にも該当しませんので、特定支出とはなりません。

持続化給付金の支給対象拡大と税理士の確認

1.税理士の役割が重要

 新型コロナウイルス感染症拡大により、特に大きな影響を受ける中小法人・個人事業者に対して、 事業の継続を下支えし再起の糧とするために、事業全般に広く使える 持続化給付金が支給されています。

 しかし、フリーランスを含む個人事業者については、 前年に事業所得として確定申告している者に対象が限られており、給与所得や雑所得として申告していた者は対象から外されていたため、批判の声がありました。

 そこで、経済産業省は2020年(令和2年)6月26日に、以下の事業者を新たに対象とすることを発表し、同月29日から申請の受付を開始しています(申請期間は2021年(令和3年)1月15日までです)。

(1) 主たる収入を 雑所得・給与所得 で確定申告した個人事業者
(2) 2020年(令和2年)1月~3月の間に創業した事業者

 (1)については、2019年分(令和元年分)の確定申告義務がない者など一部の場合は、税理士の確認を受けた申立書の提出が必要となっており、(2)についても、創業月から対象月までの事業収入を証明する書類について、税理士による確認が必要となっています。

 以下では、新たに対象とされた上記(1)及び(2)について、要件と必要書類等の確認をします。

2. 主たる収入を 雑所得・給与所得 で確定申告した個人事業者

(1) 要件

 以下の要件を満たす事業者が対象となります。

① 雇用契約によらない業務委託契約等に基づく収入であって、 雑所得・給与所得として計上されるもの(以下「業務委託契約等収入」といいます)を主たる収入として得ており、 今後も事業継続する意思がある(※ 確定申告で事業収入としていた事業者は現行制度で申請できます )
② 今年(令和2年)の対象月※1の収入が昨年(令和元年)の月平均収入と比べて50%以上減少している
③ 2019年(令和元年)以前から、被雇用者※2又は被扶養者ではない

※1 対象月は、2020年(令和2年)1月から申請を行う日の属する月の前月までの間で、2019年(令和元年)の月平均の業務委託契約等収入と比較して、業務委託契約等収入が50%以上減少した月のうち、ひと月を申請者が任意に選択できます。
 また、対象月の収入については、新型コロナウイルス感染症対策として地方公共団体から休業要請に伴い支給される協力金などの現金給付を除いて算定することができます。

※2 会社等に雇用されている方(サラリーマンの方、パート・アルバイ ト・派遣・日雇い労働等の方を含む。)をいいます。ただし、 2019年(令和元年)中に独立・開業した場合は対象になり得ます。

(2) 必要書類

 申請時には、以下の書類を提出します。

① 前年分(令和元年分)の確定申告書
② 今年(令和2年)の対象月の収入が分かる書類(売上台帳等)
③ ①の収入が、業務委託契約等の事業活動からであることを示す書類(下記イ~ハの中からいずれか2つを提出し、ロの源泉徴収票の場合はイとの組合せが必須です)
 イ.業務委託等の契約書の写し又は契約があったことを示す申立書※3
 ロ.支払者が発行した支払調書又は源泉徴収票
 ハ.支払があったことを示す通帳の写し
④ 国民健康保険証の写し
⑤ 振込先口座通帳の写し、本人確認書類の写し

※3 業務委託等の契約書がない場合は、契約があったことを示す申立書を契約先に書いてもらう必要があります。

3.2020年1月~3月の間に創業した事業者 (法人の場合)

(1) 要件

 以下の要件を満たす事業者が対象となります。

① 2020年(令和2年)4月1日時点において、次のいずれかを満たす法人であること。 ただし、組合若しくはその連合会又は一般社団法人については、その直接 又は間接の構成員たる事業者の3分の2以上が個人又は次のいずれかを 満たす法人であること。
イ.資本金の額又は出資の総額※1が10億円未満であること。
ロ.資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、常時 使用する従業員※2の数が2,000人以下であること。

② 2020年(令和2年)1月から3月の間に事業により事業収入(売上)を得ており、今後も 事業を継続する意思があること※3

③ 2020年(令和2年)4月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、2020年の法人を設立した日の属する月から3月の月平均の事業収入に比べて事業収入が50%以上減少した月(以下「2020新規創業対象月」という。)が存在すること※4

※1 「基本金」を有する法人については「基本金の額」と、一般財団法人については「当該法人に拠出されている財産の額」と読み替えます。

※2 「常時使用する従業員」とは、労働基準法第20条の規定に基づく「予め解雇の予告を必要とする者」を指します(パート、アルバイト、派遣社員、契約社員、非正規社員及び出向者については、当該条文をもとに個別に判断します。会社役員及び個人事業主は予め解雇の予告を必要とする者に該当しないため、「常時使用する従業員」には該当しません。) 。

※3 事業収入は、確定申告書(法人税法第二条第一項三十一号に規定する確定申告書を指す。以下同じ。)別表一における「売上金額」欄に記載されるものと同様の考え方によるものとします。

※4 「2020新規創業対象月」は、2020年(令和2年)4月から申請する月の前月までの間で、 前年同月比で事業収入が50%以上減少した月のうち、ひと月を任意で選択できます。
 「2020新規創業対象月」の事業収入については、新型コロナウイルス感染症対策として地方公共団体から休業要請に伴い支給される協力金などの現金給付を除いて算定することができます。
 また、2019年(令和元年)1月から12月の間に法人を設立した者であって、当該期間に事業による事業収入を得ておらず、2020年(令和2年)1月から3月の間に事業により事業収入を得ている場合は、2020年1月から3月の月平均の事業収入に比べて事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在する必要があります。

(2) 必要書類

 申請時には、以下の書類を提出します。

① 持続化給付金に係る収入等申立書(中小法人等向け)※5
② 通帳の写し
③ 履歴事項全部証明書(設立日が2020年1月1日から3月31日のものに限る)

※5 申立書は、2020年(令和2年)1月から対象月までの事業収入( 確定申告書別表一における「売上金額」欄に記載されるものと同様の考え方によるもの)を記載し、税理士による署名又は記名押印が必要です。
 また、持続化給付金に係る収入等申立書において2020新規創業対象月の月間事業収入が記載されるため、2020新規創業対象月の売上台帳は不要です。

4.2020年1月~3月の間に創業した事業者 (個人事業者の場合)

(1) 要件

 以下の要件を満たす事業者が対象となります。

① 2020年(令和2年)1月から3月の間に事業により事業収入(売上)を得ており、今後も 事業を継続する意思があること※1

② 2020年4月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、2020年の開業月から3月までの月平均の事業収入に比べて事業収入が50%以上減少した月(以下「2020新規開業対象月」という。)が存在すること※2

※1 事業収入は、証拠書類として提出する確定申告書(所得税法第二条第一項三十七号に規定する確定申告書を指す。以下同じ。)第一表における「収入金額等」の事業欄に記載される額と同様の算定方法によるものとします。

※2 「2020新規開業対象月」は、2020年4月から申請を行う日の属する月の前月の間で、ひと月を申請者が任意に選択できます。
 「2020新規開業対象月」の事業収入については、新型コロナウイルス感染症対策として地方公共団体から休業要請に伴い支給される協力金等の現金給付を除いて算出することができます。
 また、2019年(令和元年)1月から12月の間に開業した者であって、当該期間に事業による事業収入を 得ておらず、2020年1月から3月の間に事業により事業収入を得ている場合は、 2020年1月から3月の月平均の事業収入に比べて事業収入が50%以上減少した月(対象月)が存在する必要があります。

(2) 必要書類

 申請時には、以下の書類を提出します。

① 持続化給付金に係る収入等申立書(個人事業者等向け)※3
② 通帳の写し
③ 本人確認書類
④ 個人事業の開業・廃業等届出書※4
  ※開業日が2020年1月1日から3月31日まで
  ※提出日が2020年5月1日以前
  ※税務署受付印が押印されていること

 又は、事業開始等申告書※4
  ※事業開始日が2020年1月1日から3月31日まで
  ※提出日が2020年5月1日以前
  ※受付印等が押印されていること

※3 持続化給付金に係る収入等申立書(個人事業者等向け)において対象月の月間事業収入が記載 されるため、2020新規開業対象月の売上台帳は不要です。

※4 ④については、代替書類(開業日、所在地、代表者、業種、書類提出日の記載がある書類 )も認められています。

中間申告期限は督促状が届いてもコロナ延長可能

 先日、「新型コロナ対応で中間申告も期限延長できます(延滞税に注意!)」という記事を書きましたが、その際に疑問に思ったのが、税務署側では納税者が中間申告のコロナ延長申請をするまでその事実を知ることができないため、納税者に督促状が送られてくるのではないかということでした。

 この点について、国税庁では「中間申告書の提出期限の延長に関するお知らせ」の案内文を納税者に送付する措置をとっているようです。

 今回は、「中間申告書の提出期限の延長に関するお知らせ」の内容を確認します。

1.納税者の不安を払拭するため

 国税庁では、2020年(令和2年)5月現在ですでに中間申告期限が到来している納税者には、督促状の送付前に「中間申告書の提出期限の延長に関するお知らせ」の案内文を個別に送付するとともに、6月以降に中間申告期限が到来する納税者には案内文を中間申告書に同封することとしています。
 期限延長(個別延長)を予定していても、延長がなされるまで督促状が送付される場合があるためです。

 中間申告書の提出がなく、その提出期限に提出があったとみなされた後でも、新型コロナウイルスを理由とする提出期限の延長は可能とされています。

 しかし、この期限延長がなされるまでは督促状が発送される場合があることから、納税者が不安を抱くことが懸念されるため、今回の対応となったようです。

2.コロナ延長申請で督促状は効力を失う

 「お知らせ」では、中間申告書についてその提出期限までに提出がなかった場合には、その提出期限に提出があったものとみなされていますが、みなされた後であっても、提出期限の個別延長は可能であることを改めて周知しています。

 そして、中間申告書の提出ができることとなった時点で、中間申告書の提出の際に、その中間申告書の余白部分に「新型コロナウイルス感染症の影響による期限延長申請」である旨を記載して提出することを求めています。

 また、中間申告書を提出できない状態が確定申告書の提出期限まで続く場合には、中間申告書の提出は不要となることを周知しています。

 提出期限の延長申請を予定している場合であっても督促状が送付される場合がありますが、国税庁は上記と同様に、中間申告書の提出の際に、その中間申告書の余白部分に期限の延長申請である旨を記載して提出することにより、その提出日まで提出期限が延長され、その督促状は効力を失うと説明しています。

 さらに、延長申請をした後に督促状が届いた場合は、行き違いである旨を述べています。

新型コロナによる地方税の申告期限延長申請の方法

1.地方公共団体共通の様式(eLTAX様式)

 新型コロナウイルス感染症の影響により、期限までに申告等を行うことが困難となるケースが想定されることから、多くの都道府県や指定都市等において、国税と同様に事前の延長申請を求めず、申告の際に、納税者が申告書の余白に「新型コロナウ イルスによる申告・納付期限延長申請」と付記することによって、条例に基づく申告・納付期限の延長を認める扱いが開始されています。

 例えば神戸市(兵庫県)の場合、申告・納付の延長申請理由のやんだ日(法人税と同様に、申告書を作成・提出することが可能となった時点)から10日以内に、書面(窓口・郵送)またはeLTAX(電子申告)の方法により、法人市民税申告書を提出します。
 申告書を書面で提出する場合は、申告書の右上の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載し、申告書をeLTAXで提出する場合は、申告書法人名欄の、法人名称に続けて「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と入力のうえ、申告します。

 多くの地方公共団体では、申告書を書面で提出する場合は神戸市と同様の方法により延長申請を行いますが、申告書をeLTAXで提出する場合は、神戸市のように名称欄へ付記する方法以外に、住所欄へ付記する方法、法人税申告書のコピーファイルを添付する方法など、各地方公共団体によって延長申請の方法が異なる場合があります。

 このように延長申請の方法が提出先の地方公共団体によって異なっていることや、税務ソフトを用いる場合に指定箇所に付記できない場合 があることなどから、多数の地方公共団体に申告する法人や一定の税務ソフトを利用している法人にとって、利用しづらいケースも想定されます。

 これを受け、地方税共同機構では、利用者がeLTAXで地方税の申告期限延長の手続きを円滑に行うことができるように、申告データに添付して用いる全国の地方公共団体共通の「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請(eLTAX様式)」(Wordファイル)を作成し、eLTAXホームページで公開しています。

2.eLTAX様式の留意点

 eLTAX様式を使用する際の留意点は、次のとおりです。

(1) 全ての地方公共団体に対して添付して送信できます。

(2) eLTAX様式の添付による手続きを利用できるのは、国税(法人税)において、事前の延長申請ではなく、申告書に「新型コロナウイルス感染症による申告・納付期限延長申請」と付記して申告書の提出(電子申告を含む)を行うとともに、地方税の電子申告を同じタイミングで行う法人です。
 国税の申告と異なる時期に地方税の申告を行なおうとする場合は、この eLTAX様式の添付ではなく、地方税の申告期限延長の可否や手続き等について、申告先の地方公共団体における取扱いを確認する必要があります。

(3) この様式を使用できるのは、申告先の地方公共団体が、国税と同様な「申告書への付記」による対応を認めていることが前提となります。
 なお、申告期限及び納期限は、原則として申告書の提出日となります。

(4) この様式を使用して申告期限の延長を申請できる税金の種類は、①法人都道府県民税、②法人事業税、 ③特別法人事業税(又は地方法人特別税)、④法人市町村民税、⑤事業所税です。

(5) 延長申請の手続きは、各地方公共団体が指定した方法によって行うことが原則ですが、この様式を用いると、申告先地方公共団体ごとに記載内容を変える必要がなく、複数団体に対して一括送信することができます。