月次支援金の事前確認項目(不正受給抑止)

 月次支援金の申請に当たっては、登録確認機関による事前確認が必要です。ただし、一時支援金を受給している場合は、月次支援金の申請の際に改めて事前確認を受ける必要はありません。
 一時支援金を受給していない場合は、月次支援金を初めて申請する際に事前確認が必要ですが、2回目以降の申請では事前確認は不要です。
 登録確認機関が行う月次支援金の事前確認の内容等は、基本的には一時支援金のときと変わりませんが、月次支援金で新たに追加された確認項目もあります。
 今回は、不正受給抑止に関する登録確認機関の事前確認項目について確認します。

※ 月次支援金の制度詳細については、本ブログ記事「月次支援金の申請受付が令和3年6月より開始されます」をご参照ください。

1.追加された不正受給抑止項目

 申請希望者が給付対象や宣誓・同意事項等を正しく理解していることを確認するため、登録確認機関は申請希望者に対して数項目の確認をします。その中の一つに、次の項目があります。これは、持続化給付金のときに横行した不正受給に対する歯止めとして、月次支援金の事前確認項目として新たに追加されたものです。

一時支援金又は月次支援金の給付の申請について、いずれかの申請が不給付となった場合には、全ての一時支援金及び月次支援金について受給資格を失って返還等の義務を負うなどすることを(申請希望者が)認識しているか。

 これは、例えば、一時支援金の申請が正しく行われ一時支援金を正当に受給していたとしても、月次支援金の申請で不正が発覚して不給付となった場合には、過去に正当に受給した一時支援金も含めて全ての一時支援金及び月次支援金の返還義務が生ずるということです。
 しかし、不給付には不正申請による場合だけではなく、単純な計算ミスなどによる場合もあります。計算ミスなどによる不給付の場合(不正受給の目的をもって申請したのではない場合)は、正しく申請受給した過去の一時支援金や月次支援金の返還まで求められるものではありません。

2.元々あった不正受給抑止項目

 不正受給の予防策としては、もうひとつ一時支援金のときと同じように次の事前確認項目があります。

月次支援金の不正受給又は無資格受給を行った場合や書類の保存義務・提出義務を遵守しなかった場合、事務局等の調査に応じなかった場合、宣誓・同意書に違反した場合には、全ての一時支援金及び月次支援金について受給資格を失って返還等の義務を負うなどするほか、特に不正受給の場合には受給額に延滞金及び2割の加算金を加えて返還する義務を負うことや、氏名等の公表及び刑事告発され得ることを(申請希望者が)認識しているか。

 不正受給を抑制するという点で、上記1の追加項目と内容的にはほぼ同じであるにもかかわらず、なぜこの項目をここで掲げているのか(なぜ、上記1の項目を追加したのか)、その違いがわかりにくかったので、月次支援金事務局に聞いてみました。
 事務局によると、ここで再度不正受給の場合の措置を挙げているのは、不正が悪質な場合は延滞金や加算金、氏名等の公表、刑事告発の対象となり得ることを強調するためとのことでした(悪質であるか否かについては、月次支援金事務局で判断されるようです)。