個別対応方式の用途区分の判定(非課税売上が受取利息だけの場合)

1.消基通11-2-18の「必ず3つに区分」とは?

 課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等に係る消費税額を計算する場合において、個別対応方式を適用するときの方法については、消費税法基本通達11-2-18に次のように規定されています(下線は筆者による)。

11-2-18 個別対応方式により仕入れに係る消費税額を計算する場合には、その課税期間中において行った個々の課税仕入れ等について、必ず、課税資産の譲渡等にのみ要するもの、その他の資産の譲渡等にのみ要するもの及び課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものとに区分しなければならない。したがって、例えば、課税仕入れ等の中から課税資産の譲渡等にのみ要するものを抽出し、それ以外のものを全て課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当するものとして区分することは認められないのであるから留意する。(平23課消1-35により改正)

 消費税法基本通達11-2-18は、その課税期間に行った個々の課税仕入れ等を必ず3つに区分(課税売上対応分、非課税売上対応分、共通対応分)しなければならず、課税仕入れ等の中から課税売上対応分だけを抽出し、それ以外のものをすべて共通対応分とする(つまり2つに区分する)ことは認められないとしています。
 この規定における「必ず3つに区分」しなければならないとは、必ず3つの区分が存在しなければならないということではありません。
 例えば、非課税売上対応分(非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等)がないために、3つに区分した結果、課税売上対応分と共通対応分しか生じていなかったということは考えられます。つまり、必ず3つの用途区分を念頭に置いたうえで判定を行い、その結果2つの区分しか存在しなくてもそれは認められるということです。初めから2つの区分を念頭に置いた判定方法は、認められません。

2.非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等がない場合

 非課税売上げが預金利子(受取利息)だけである場合、その預金利子を得るためにのみ必要となる課税仕入れ等は通常生じませんので、非課税売上対応分(非課税売上げにのみ要する課税仕入れ等)はないと思われます。
 では、このような場合は、その課税期間における課税仕入れ等の全てを課税売上対応分として区分できるのでしょうか?
 答えは「否」です。
 消費税が非課税となる預金利子が事業者の事業活動に伴い発生し、事業者に帰属するものであることからしても、総務や経理部等、企業全体の業務を担う部署において生じた課税仕入れは、課税売上げのために要したと明確に判断できるものを除いて、共通対応分として区分することになります。

個別対応方式の用途区分の判定(課税売上対応・非課税売上対応・共通対応)

 課税売上げに係る消費税額から控除する課税仕入れ等(課税仕入れ及び輸入した課税貨物)に係る消費税額は、その課税期間中の課税売上高が5億円以下、かつ、課税売上割合が95%以上の場合は全額控除できます。
 一方、その課税期間中の課税売上高が5億円超又は課税売上割合が95%未満の場合は、課税仕入れ等に係る消費税額の全額を控除することはできず、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかの方式によって計算した課税仕入れ等に係る消費税額を、その課税期間中の課税売上げに係る消費税額から控除します。
 個別対応方式を適用する場合には、その課税期間中の課税仕入れ等に係る消費税額のすべてを、①課税売上げにのみ要するもの(課税売上対応分)、②非課税売上げにのみ要するもの(非課税売上対応分)、③課税売上げと非課税売上げに共通して要するもの(共通対応分)の3つに用途を区分する必要があります。つまり、課税仕入れ等の用途区分は、売上との対応関係により判定します。
 今回は、個別対応方式における課税仕入れ等の用途区分について確認します。

1.課税売上げ対応の課税仕入れ等(課税売上対応分)

 課税売上げ対応の課税仕入れ等(以下「課税売上対応分」といいます)とは、課税資産の譲渡等を行うためにのみ要する課税仕入れ等をいいます。
 なお、課税仕入れ等を行った課税期間において、その課税仕入れ等に対応する課税資産の譲渡等があったかどうかは問いません。つまり、課税売上げが発生する時期を問わず、その課税仕入れ等が課税売上げのためにだけ必要であるかどうかという観点で判断します。
 課税売上対応分の具体例は次のとおりです。

(1) そのまま他に譲渡される課税資産※1
(2) 課税資産の製造用にのみ消費し、又は使用される原材料、容器、包紙、機械及び装置、工具、器具、備品等※1
(3) 課税資産に係る倉庫料、運送費、広告宣伝費、支払手数料又は支払加工賃等※1
(4) 課税資産の譲渡等に係る販売促進等のために得意先等に配布される試供品、試作品等※2
(5) 輸出免税に係る資産の譲渡等(非課税資産の輸出取引等を含む)のための課税仕入れ等※3
(6) 国外で行われる資産の譲渡等のための課税仕入れ等※4

※1 消費税法基本通達11-2-12
※2 消費税法基本通達11-2-14
※3 課税資産の譲渡等には輸出免税売上げが含まれます。したがって、輸出取引のための課税仕入れ等は、課税売上対応分に該当します。
 また、非課税資産の輸出取引等(身体障害者用物品の輸出、国内における非居住者からの利息の受取り、国内における外国債の利息の受取りなど)は、課税資産の譲渡等に係る輸出取引等に該当するものとみなし、その非課税資産の輸出に係る課税仕入れ等は課税売上対応分に区分します(消費税法31条1項)。
※4 消費税法基本通達11-2-13

2.非課税売上げ対応の課税仕入れ等(非課税売上対応分)

 非課税売上げ対応の課税仕入れ等(以下「非課税売上対応分」といいます)とは、非課税資産の譲渡等を行うためにのみ要する課税仕入れ等をいいます。
 なお、上記1と同様に、 非課税売上げが発生する時期を問わず、その課税仕入れ等が非課税売上げのためにだけ必要であるかどうかという観点で判断します。
 非課税売上対応分の具体例は次のとおりです( 消費税法基本通達11-2-15)。

(1) 更地で販売する土地の造成費用
(2) 更地で販売する土地の取得又は譲渡に係る仲介手数料
(3) 賃貸用住宅の建築費、入居に係る広告宣伝費や仲介手数料
(4) 有価証券の売買手数料
(5) 従業員から使用料を徴収する社宅の建築費、修繕費、維持管理費

3.共通対応の課税仕入れ等(共通対応分)

 共通対応の課税仕入れ等(以下「共通対応分」といいます)とは、課税資産の譲渡等と非課税資産の譲渡等に共通して要する課税仕入れ等をいいます。
 個別対応方式を適用するにあたっては、すべての課税仕入れ等について、①課税売上対応分、②非課税売上対応分、③共通対応分の3つに用途区分する必要があります。
 法律上、1つのものを3つに分ける場合に、その3つを直接的・限定的に定義すると、いずれの定義にも該当しない「その他」が生じることは少なくないと思われます。
 そうすると、③の共通対応分という区分は、①課税売上対応分又は②非課税売上対応分のいずれにも該当しないものの受け皿と解すべきであり、課税売上げと非課税売上げに共通して必要であったものを探し出して入れる区分ではないということになります。
 つまり、課税売上対応分にも非課税売上対応分にも該当しないものは、すべて共通対応分に区分されるということです。
  共通対応分の具体例は次のとおりです 。

(1) 課税売上げと非課税売上げに共通して要する費用
(2) 本社家賃、福利厚生費※1、広告宣伝費※2、接待交際費等※3の一般管理費
(3) 土地建物一括譲渡に係る仲介手数料
(4) 不課税取引のために要する課税仕入れ等(株券・社債券の発行にあたっての印刷費・引受手数料等、損害賠償金を得るための弁護士費用等)※4
(5) 寄附や贈与する目的で購入する課税資産の購入費※5
(6) 株主総会のための課税仕入れ等
(7) 課税仕入を行った課税期間の末日までに使用目的が決まっていない課税仕入れ等
(8) 課税売上対応分又は非課税売上対応分に該当しない課税仕入れ等

※1 売上との明確な対応関係がないため、原則として共通対応に区分します。課税製品の製造業を営む会社において、福利厚生の対象となる従業員を製造部門・管理部門に区分することができる場合は、製造部門の福利厚生費は課税売上対応分、管理部門の福利厚生費は共通対応分に区分します。
※2 課税製品に係る広告宣伝費は課税売上対応分に区分します。会社案内のパンフレットやホームページ作成・維持管理費は、会社全体の業務に対するものとして共通対応分に区分します。不動産業者の広告宣伝費は、販売物件、賃貸物件の内容により用途区分を判定します(土地の販売のための広告費は非課税売上対応分、土地付建物の販売のための広告費は共通対応分、店舗・事務所の賃貸のための広告費は課税売上対応分、住宅の賃貸のための広告費は非課税売上対応分、など)。
※3 接待交際費は、通常、共通対応分に区分しますが、さらに詳細に区分する場合は、その接待交際費の支出の目的や相手方との取引の内容に応じて判定します(課税製品の販売先に対する贈答品や飲食費は課税売上対応分、顧問税理士に対するものは、会社全体の業務に対するものとして共通対応分、など)。
※4 消費税法基本通達11-2-16
※5 消費税法基本通達11-2-17

土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の適用

 運送業を営む顧問先のA社が、所有していた土地(遊休地)を当期中に売却することになりました。土地の譲渡は消費税の非課税売上ですが、土地の譲渡によりA社の当期の課税売上割合は、例年より大きく減少する見込みです(A社は仕入控除税額を個別対応方式で計算しています)。
 そこで、当期の消費税の申告に備えて、「課税売上割合に準する割合」の適用を検討することになりました。

 A社のように、たまたま土地の譲渡があったことにより課税売上割合が減少する場合において、課税売上割合を適用して控除対象仕入税額を計算すると、その事業者の事業の実態を反映しないと認められるときは、課税売上割合に代えて課税売上割合に準ずる割合を適用することができます。

 今回は、土地の譲渡があった場合の課税売上割合に準ずる割合の適用について紹介します。

1.要件

 A社のようなケースで課税売上割合に準ずる割合を適用するためには、つぎの要件を満たす必要があります。

(1) 土地の譲渡が単発であること
(2) その土地の譲渡がなかったとした場合には、事業の実態に変動がないと認められること(具体的には、事業者の営業の実態に変動がなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合と最も低い課税売上割合の差が5%以内であることをいいます)

 以下の数値例を使用して、要件や課税売上割合に準ずる割合の算定方法を確認していきます。

   土地の譲渡があった当期と過去3年間の課税売上割合等  (単位:円)

課税期間 課税売上高 非課税売上高 総売上高 課税売上割合
当期 589,391,004 211,570,080 800,961,084 73.58%
前期 668,809,034 1,348,360 670,157,394 99.79%
前々期 588,936,478 1,176,152 590,112,630 99.80%
前々前期 557,889,004 568,435 558,457,439 99.89%

 運送業を営むA社にとって今回の土地の売却は単発ですので、要件(1)を満たします。
 また、A社の営業の実態に変動はなく、かつ、過去3年間で最も高い課税売上割合99.89%(前々前期)と最も低い課税売上割合99.79%(前期)との差(0.10%)が5%以内ですので、要件(2)も満たします。
 したがって、当期のA社の消費税の申告において、課税売上割合に準ずる割合を適用することができます。

2.課税売上割合に準ずる割合の算定

 課税売上割合に準ずる割合の適用要件を満たしましたので、次の(1)又は(2)の割合のいずれか低い方を課税売上割合に準ずる割合として適用することができます。

(1) 土地の譲渡があった課税期間の前3年に含まれる課税期間の通算課税売上割合
(2) 土地の譲渡があった課税期間の課税期間の課税売上割合

 (1)については、次のように計算します。

 課税売上高÷総売上高=(668,809,034+588,936,478+557,889,004)÷(670,157,394+590,112,630+558,457,439)=1,815,634,516÷1,818,727,463=99.82%

 (2)は、前期の99.79%です。

 したがって、(1)>(2)ですので、99.79%が課税売上割合に準ずる割合になります。

3.消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書

 課税売上割合に準ずる割合を適用する場合は、その土地を譲渡した課税期間内に「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を所轄税務署長に提出し、その承認を受けなければなりません

※ 2021(令和3)年度税制改正により、課税売上割合に準ずる割合の適用開始時期の見直しが行われました。これまでは、課税売上割合に準ずる割合の適用を受ける場合、税務署長の承認を受けた日の属する課税期間から適用することとされていましたが、2021(令和3)年4月1日以後に終了する課税期間から、適用を受けようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出し、同日(課税期間の末日)の翌日から同日以後1月を経過する日までの間に税務署長の承認を受けた場合、当該承認申請書を提出した日の属する課税期間から適用されることとなりました(2021(令和3)年4月1日更新)。

4.課税売上割合に準ずる割合の不適用届出書

 この課税売上割合に準ずる割合の承認は、たまたま土地の譲渡があった場合に行うものですから、翌課税期間において「消費税課税売上割合に準ずる割合の不適用届出書」を提出しなければなりません。

 その提出がない場合は、課税売上割に準ずる割合の承認の取消しが行われますので注意しなければなりません。

課税売上割合に準ずる割合の算定方法と注意点

 課税売上げに係る消費税の額から控除する仕入控除税額を個別対応方式により計算する場合は、課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等に係る消費税額に、原則として課税売上割合を乗じて計算します。
 しかし、課税売上割合により計算した仕入控除税額がその事業の実態を反映していないなど、課税売上割合により仕入控除税額を計算するよりも、課税売上割合に準ずる割合によって計算する方が合理的である場合には、課税売上割合に代えて課税売上割合に準ずる割合によって仕入控除税額を計算することができます。

1.適用と不適用の手続き

(1) 適用の承認申請

 課税売上割合に準ずる割合を適用するには、納税地の所轄税務署長に「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を提出して、適用しようとする課税期間の末日までに税務署長の承認を受ける必要があります

※ 2021(令和3)年度税制改正により、課税売上割合に準ずる割合の適用開始時期の見直しが行われました。これまでは、課税売上割合に準ずる割合の適用を受ける場合、税務署長の承認を受けた日の属する課税期間から適用することとされていましたが、2021(令和3)年4月1日以後に終了する課税期間から、適用を受けようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出し、同日(課税期間の末日)の翌日から同日以後1月を経過する日までの間に税務署長の承認を受けた場合、当該承認申請書を提出した日の属する課税期間から適用されることとなりました(2021(令和3)年4月1日更新)。

(2) 不適用の届出

 納税地の所轄税務署長に「消費税課税売上割合に準ずる割合の不適用届出書」を提出すれば、提出した日の属する課税期間から、課税売上割合に準ずる割合の適用をやめることができます。

2.課税売上割合に準する割合の適用範囲と算定方法

(1) 適用範囲

 課税売上割合に準ずる割合を適用する場合、すべての事業について同一の割合を使うこともできますが、次のように一定の単位ごと異なる割合を適用することができます。

① 事業の種類の異なるごと
② 事業所の単位ごと
③ 販売費一般管理費、その他の費用の種類ごと

 また、課税売上割合に準ずる割合は、通常の課税売上割合と併用することもできます。

(2) 算定方法

 課税売上げと非課税売上げに共通して要する課税仕入れ等の性質に応じた合理的な基準(使用人(従業員)の数又は従事日数、消費又は使用する資産の価額、使用数量、使用面積の割合など)により算定します。
 具体的な計算方法と注意点は次のとおりです。

① 従業員割合

 従業員割合は、従業員数に比例して支出されると認められるものについて適用でき、次の計算式で算定します。

 従業員割合=課税業務従業員数÷(課税業務従業員数+非課税業務従業員数)

イ.従業員数を課税資産の譲渡等と非課税資産の譲渡等に係る業務ごとに区分できることが前提です。
 課税業務従業員数とは課税資産の譲渡等のみに従事する従業員数をいい、非課税業務従業員数とは非課税資産の譲渡等のみに従事する従業員数をいいます。

ロ.従業員数は、原則として課税期間の末日の現況によります。課税期間の末日における従業員数が課税期間における実態と異なるなど、事業の実態を反映しないものであるときは、課税期間中の各月末の平均数値等によることができます。

ハ.課税・非課税の双方の業務に従事する従業員については、原則として、この割合の計算上、分母・分子のいずれにも含めません
 ただし、事務日報等により課税・非課税の双方の業務に従事する従業員全員の従事日数が記録されていて、この記録により従業員ごとの従事日数の割合が計算できる場合は、その割合により各業務に按分することは認められます。

ニ.例えば、建設会社の海外工事部門の従業員など国外取引のみに従事する従業員については、この割合の計算上、分母・分子のいずれにも含めません。

ホ.法人の役員(非常勤役員を除きます)も従業員に含めて取扱います。アルバイト等についても、従業員と同等の勤務状況にある場合には、従業員に含めて取扱います。

ヘ.本店・支店ごと又は事業部門ごとにそれぞれの従業員割合を適用することは認められます。

② 事業部門ごとの割合

 独立採算制の対象となっている事業部門や独立した会計単位となっている事業部門や支店については、事業部門ごと、支店ごとの割合を課税売上割合に準ずる割合とすることができます。

 事業部門ごとの割合=事業部門ごとの課税売上高÷(事業部門ごとの課税売上高+事業部門ごとの非課税売上高)

イ.事業部門ごとに、その事業部門に係る課税売上高と非課税売上高を基礎として、課税売上割合と同様の方法により割合を求めます。

ロ.総務、経理部門等の事業を行う部門以外の部門については、この割合の適用は認められません。

ハ.経理、総務部門等の共通対応分の消費税額すべてを各事業部門の従業員数比率等適宜の比率により事業部門に振り分けた上で、事業部門ごとの課税売上割合に準ずる割合により按分する方法も認められます。

③ 床面積割合

 床面積割合は、専用床面積に比例して支出されると認められるものについて適用でき、次の計算式で算定します。

 床面積割合=課税業務専用床面積÷(課税業務専用床面積+非課税業務専用床面積)

イ.床面積を課税資産の譲渡等と非課税資産の譲渡等に係る業務ごとに区分できることが前提です。

ロ.計算の基礎となる床面積は、原則として課税期間の末日の現況によります。課税期間の末日における床面積が課税期間における実態と異なるなど事業の実態を反映しないものであるときは、課税期間中の各月末の平均数値等によることができます。

ハ.課税・非課税の双方の業務で使用する専用床面積については、原則として、この割合の計算上、分母・分子のいずれにも含めません

ニ.本店・支店ごと又は事業部門ごとにそれぞれの床面積割合を適用することは認められます。

④ 取引件数割合

 取引件数割合は、取引件数に比例して支出されると認められるものについて適用でき、次の計算式で算定します。

 取引件数割合=課税資産の譲渡等に係る取引件数÷(課税資産の譲渡等に係る取引件数+非課税資産の譲渡等に係る取引件数)

イ.取引件数を課税資産の譲渡等と非課税資産の譲渡等に係る件数に区分できることが前提です。

ロ.本店・支店ごと又は事業部門ごとにそれぞれの取引件数割合を適用することは認められます。

3.適用上の注意点

(1) 課税売上割合に準ずる割合は、個別対応方式により仕入控除税額を計算している場合のみ適用することができます。

(2) 適用を受けるときは、適用しようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出するだけではなく、税務署長による承認を受けておく必要があります(みなし承認はありません)。承認審査には一定の時間が必要ですので、当該申請書は余裕をもって提出してください。

※ 2021年度(令和3年度)税制改正により、課税売上割合に準ずる割合の適用開始時期の見直しが行われ、次のようになります。
「消費税の仕入控除税額の計算について、課税売上割合に準ずる割合を用いようとする課税期間の末日までに承認申請書を提出し、同日の翌日以後1月を経過する日までに税務署長の承認を受けた場合には、当該承認申請書を提出した日の属する課税期間から課税売上割合に準ずる割合を用いることができることとする。」(2021年(令和3年)1月25日更新)

(3) 承認又は届出のあった課税期間から適用又は不適用となります。また、継続適用は強制されませんので、一課税期間でやめることができます。

(4) 課税売上割合に準ずる割合の承認を受けると、課税売上割合を適用した方が有利となる場合でも、不適用の届出書を提出しない限り、必ず課税売上割合に準ずる割合を適用しなければなりません。ただし、承認を受けた課税仕入れ等以外のものについては、課税売上割合を使用します。

(5) 課税売上割合に準ずる割合の承認を受けている場合でも、全額控除できるかどうかの95%以上の判定は、課税売上割合によって行わなければなりません(準ずる割合が95%以上であっても、課税売上割合が95%未満なら全額控除はできません)。

(6) たまたま土地を譲渡したことにより、その課税期間の課税売上割合が低くなった場合には、前課税期間の課税売上割合と前3年の課税期間の通算課税売上割合を比較して、小さい方を課税売上割合に準ずる割合として用いることができます。