フランチャイズ・システムは、本部(フランチャイザー)と加盟店がフランチャイズ契約を締結することによって、本部が加盟店に対して商標使用の許諾やノウハウの提供を行い、その対価として加盟店が本部に対してロイヤルティーなどの金銭を支払う仕組みです。
フランチャイズ・システムは、清掃業、飲食業、理美容業、教育業など、多くの業種で採用されています。
今回は、フランチャイズ契約を締結する際に、加盟店が本部に対して支払う加盟金の税務処理について確認します。
1.返還されない加盟金
加盟金の税務処理を確認するにあたって、以下の説例を用います。
【設例】
A社は、飲食店経営に関するフランチャイズ・システムに加盟するため、加盟金を支払って飲食店チェーン加盟契約を締結しました。
このフランチャイズ・システムに加盟することによって、A社は本部から契約期間にわたって、飲食店経営に関する指導・援助・助言、全国的な広告宣伝などの役務提供を受けることになり、その役務提供を受けた場合には一定の対価を支払うこととなっています。
また、契約期間は10年(契約期間満了後は特別の事情がない限り、更に10年延長される)となっており、加盟金は、将来において返還されることはありません。
この場合、加盟店であるA社が支払った加盟金の税務処理はどのようになるでしょうか?
2.加盟金は税法上の繰延資産に該当
上記設例における加盟金は、「役務の提供を受けるために支出する権利金その他の費用」であり、しかも、その支出の効果が1年以上に及ぶことから、(税法上の)繰延資産に該当します(法人税法施行令第14条第1項第6号ハ)。
3.加盟金の償却期間
税法上の繰延資産に該当するのであれば、何年で償却すべきでしょうか?
この種の繰延資産の効果の及ぶ期間は、一定の契約をするに当たり支出するものについては、原則としてその契約期間を基礎として適正に見積ることとされていますので(法人税基本通達8-2-1)、上記設例の繰延資産の償却期間は10年とすべきとも考えられます。
しかし、①建物を賃借するために支出する通常の権利金、ノーハウの設定契約に際して支出する一時金等の償却期間については、一般的には5年とされていること(法人税基本通達8-2-3)、②協会等同業者団体等への加入金については、その償却期間は5年として取り扱われていることから※、上記設例の加盟金についてもその償却期間を5年として取り扱うのが相当と考えられます。
ただし、加盟金の金額が20万円未満であるときは、その支出事業年度で全額を償却することも可能です。
※ 税法上の繰延資産の償却期間等については、「繰延資産の種類と償却」をご参照ください。