令和2年分から適用される基礎控除の改正と所得金額調整控除の新設

 2020年分(令和2年分)から適用される2018年度(平成30年度)改正事項には、給与所得控除・公的年金等控除・基礎控除の見直しと、所得金額調整控除の新設等があります。

 これらのうち、給与所得控除と公的年金等控除については前回確認しましたので、今回は基礎控除の改正と新たに設けられた所得金額調整控除について確認します。

1.基礎控除の改正

 給与所得控除額及び公的年金等控除額を一律10万円引き下げる一方、その分を基礎控除に振り替える形で、基礎控除額が一律10万円引き上げられて48万円(改正前は38万円)とされました。
 ただし、合計所得金額が2,400万円を超える個人についてはその合計所得金額に応じて基礎控除額を逓減し、合計所得金額が2,500万円を超える個人については基礎控除の適用はできないこととされました。

 この改正により、2020年分(令和2年分)以後の基礎控除額は、個人の所得金額に応じて下表のとおりとなります。

合計所得金額 基礎控除額
2,400万円以下 48万円
2,400万円超2,450万円以下 32万円
2,450万円超2,500万円以下 16万円
2,500万円超 0円(適用なし)

 なお、個人の所得金額が給与所得だけの場合は、給与等の収入金額が2,595万円のときに合計所得金額が2,400万円、給与等の収入金額が2,695万円のときに合計所得金額が2,500万円になります。
 したがって、給与等の収入金額が2,595万円を超え2,695万円以下の場合は基礎控除額は32万円又は16万円になり、2,695万円を超える場合には基礎控除の適用を受けることはできません。

 また、年末調整はその年中の給与等の収入金額が2,000万円以下の居住者について行われます。
 したがって、合計所得金額が2,400万円(収入金額2,595万円)を超えることはありませんので、給与所得以外の所得を有しない年末調整の対象者の基礎控除額はすべて48万円となります。

2.所得金額調整控除の新設

 給与所得控除の改正により、850万円を超える給与等の収入金額のある居住者については、給与所得控除額が一律10万円引き下げられたことに加え、その上限額が195万円とされたことにより、その居住者が特別障害者である場合や年齢23歳未満の扶養親族を有する場合等については負担が増加することが見込まれます。

 そのため、これらの者の経済的負担に配慮して一定額を給与所得の金額から控除する以下のような調整措置が設けられました。

(1) 対象者

 給与等の収入金額が850万円を超える居住者で次に掲げる者が対象です。

① その居住者本人が特別障害者に該当する者
② 年齢23歳未満の扶養親族を有する者
③ 特別障害者である同一生計配偶者又は扶養親族を有する者

(2) 控除額

 上記(1)に該当する居住者の総所得金額を計算する場合、給与等の収入金額(その金額が1,000万円を超える場合には1,000万円)から850万円を控除した金額の10%相当額を、給与所得の金額から控除します。
 つまり、給与所得の金額から最高15万円が控除されることになり、給与所得控除額の上限額の引き下げ25万円のうち一律引き下げの10万円を除く15万円に相当します。
 その結果、所得金額調整控除の適用がある場合の総所得金額は、給与所得の金額から所得金額調整控除を控除した残額により計算することになります。

(3) 計算例

 例えば、22歳の扶養親族を有する給与所得者の給与等の収入金額が900万円の場合、給与所得控除額は上限の195万円となり、給与所得控除後の給与等の金額は705万円(900万円-195万円)です。
 一方、所得金額調整控除額は、50万円(900万円-850万円)の10%の5万円となります。これを705万円から控除した700万円が給与所得金額になります。

(4) 留意点

 所得税法の扶養控除は、2以上の居住者の扶養親族に該当する者がある場合には、その者はこれらの居住者のうちいずれか一の居住者の扶養親族にのみ該当するものとみなすこととされています。
 しかし、所得金額調整控除にはそのようなみなし規定はありません。したがって、夫婦のそれぞれがその年の給与等の収入金額が850万円を超える居住者に該当し、その夫婦に23歳未満の扶養親族に該当する子がいるような場合は、その夫婦それぞれが所得金額調整控除の適用を受けることができます。

令和2年分から適用される給与所得控除と公的年金等控除の改正

 2018年度(平成30年度)改正で、給与所得控除や公的年金等控除を一律10万円引き下げる一方、その分を基礎控除に振り替える形で基礎控除が一律10万円引き上げられました。

 このような改正が行われた背景には、「特定の働き方等による収入にのみ適用される給与所得控除や公的年金等控除といった『所得計算上の控除』から、どのような働き方等による所得にでも適用される基礎控除等の『人的控除』に、負担調整のウェイトをシフトさせていくことが適当である」(平成29年11月・税制調査会中間報告)という考え方があります。つまり、多様な働き方を後押しするものといえます。

 今回は、2020年分(令和2年分)から適用される給与所得控除と公的年金等控除について確認をします。なお、2020年分(令和2年分)から適用される他の改正項目のうち、主なものは下表のとおりです。

配偶者控除・扶養控除 配偶者・扶養親族の合計所得金額基準38万円以下を48万円以下にする。
配偶者特別控除 配偶者の合計所得金額基準85万円以下を95万円以下にする。
青色申告特別控除 控除額を65万円から55万円にする。
※電子申告等の要件を満たす場合、控除額を65万円(基礎控除との控除合計額113万円)とする特例あり。
家内労働者等の事業所得の所得計算の特例 必要経費とする額を65万円から55万円とする。

1.給与所得控除の改正

 2020年分(令和2年分)から適用される給与所得控除の改正は次のとおりです。

(1) 給与所得控除額の一律10万円の引き下げ
(2) 給与所得控除額の上限額が適用される給与等の収入金額の850万円(改正前は1,000万円)への引き下げ、及びその上限額の195万円(改正前は220万円)への引き下げ
(3) 上記(1)及び(2)の見直しに伴い、給与所得の源泉徴収税額表の月額表と日額表、賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表及び年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表(別表2~5)の改正

 上記(1)及び(2)の改正により、改正後の給与所得控除額は下表のとおりとなります。

給与等の収入金額 改正後 改正前
162.5万円以下 55万円 65万円
162.5万円等180万円以下 収入金額×40%-10万円 収入金額×40%
180万円超360万円以下 収入金額×30%+8万円 収入金額×30%+18万円
360万円超660万円以下 収入金額×20%+44万円 収入金額×20%+54万円
660万円超850万円以下 収入金額×10%+110万円 収入金額×10%+120万円
850万円超1,000万円以下 195万円
1,000万円超 220万円

(留意点)
① 2020年(令和2年)以後、給与等の収入金額が1,195万円を超える給与所得者は、配偶者控除及び配偶者特別控除のいずれも適用が受けられません。
② 給与等の収入金額が660万円未満の場合の給与所得の金額は、給与等の収入金額から上表の算式により計算した給与所得控除額を控除した残額によらず、所得税法別表第5の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」により、その給与等の収入金額に応じて掲げられている給与所得控除後の給与等の金額により求めた金額となります。

2.公的年金等控除の改正

 2020年分(令和2年分)から適用される公的年金等控除の改正は次のとおりです。

(1) 公的年金等控除額の一律10万円の引き下げ
(2) 公的年金等の収入金額が1,000万円を超える場合の控除額について、195万5,000円の上限を設ける
(3) 公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額が1,000万円を超え2,000万円以下である場合の控除額が上記(1)及び(2)の見直し後の控除額から一律10万円引き下げ、公的年金等に係る雑所得以外の所得に係る合計所得金額2,000万円を超える場合の控除額が上記(1)及び(2)の見直し後の控除額から一律20万円引き下げ

未婚のひとり親控除の新設と寡婦(夫)控除の改正

 2020年度(令和2年度)税制改正で、未婚のひとり親に対する税制上の措置及び寡婦(夫)控除の見直しが行われました。今回は、これらの改正等について整理します。

1.改正の概要

 改正の主な内容は、婚姻歴や性別にかかわらず、生計を一とする子(総所得金額が48万円以下)を有する単身者については、同一のひとり親控除(控除額35万円)が適用されることとなりました。

 それ以外の寡婦は、引き続き寡婦控除として控除額27万円を適用し、子以外の扶養親族を持つ寡婦も、男性の寡夫と同じように所得制限(合計所得金額が500万円以下)が設けられました。

 また、ひとり親控除、寡婦控除のいずれについても、住民票の続柄に「夫(未届)」「妻(未届)」の記載がある者、いわゆる事実婚は対象外となりました。

2.用語の意義(ひとり親、寡婦)

 改正後のひとり親と寡婦は、次のような者をいいます(改正後、寡夫控除はなくなります)。

(1) ひとり親
 ひとり親とは、現に婚姻をしていない者又は配偶者の生死の明らかでない一定の者のうち、①同一生計の子(総所得金額48万円以下)があり、かつ、②本人の合計所得金額が500万円以下で、かつ、③事実婚なしの3要件を満たす者をいいます。

(2) 寡婦
 寡婦とは、夫と離婚した後婚姻をしていない者のうち、①本人の合計所得金額が500万円以下で、かつ、②事実婚なしの2要件を満たす者をいいます。
 また、夫と死別した後婚姻をしていない者又は夫の生死の明らかでない一定の者のうち、①本人の合計所得金額が500万円以下で、かつ、②事実婚なしの2要件を満たす者をいいます。

3.改正前後の所得控除額

 改正前後の所得控除額は次のようになります。

(1) 本人が女性の場合(改正前)

配偶関係 死別 死別 離別 離別
本人所得 ~500万 500万~ ~500万 500万~
扶養親族 35万 27万 35万 27万
子以外 27万 27万 27万 27万
  27万

 

(2)本人が女性の場合(改正後)

配偶関係 死別 死別 離別 離別 未婚のひとり親
本人所得 ~500万 500万~ ~500万 500万~ ~500万
扶養親族 35万 35万 35万
子以外 27万 27万
  27万

※黄色部分がひとり親控除

(3) 本人が男性の場合(改正前)

配偶関係 死別 死別 離別 離別
本人所得 ~500万 500万~ ~500万 500万~
扶養親族 27万 27万
子以外
 

 

(4) 本人が男性の場合(改正後)

配偶関係 死別 死別 離別 離別 未婚のひとり親
本人所得 ~500万 500万~ ~500万 500万~ ~500万
扶養親族 35万 35万 35万
子以外
 

※黄色部分がひとり親控除

4.適用開始日

 これらの改正は、2020年(令和2年)分以後の所得税について適用されます。具体的には、2020年(令和2年)分以後の年末調整(令和2年分の年末調整については同年中に支払うべき給与等でその最後に支払をする日が同年4月1日以後であるものに限ります※1)及び確定申告※2において適用されます。
 また、月々の源泉徴収においては、2021年(令和3年)1月1日以後に支払うべき給与等及び公的年金等について適用されます。
 そのため、2020年(令和2年)分の源泉徴収事務においては、月々の給与等及び公的年金等に対する源泉徴収では改正前の控除が適用され、年末調整では改正後の控除が適用されることとなります。

※1 死亡退職等により、2020年(令和2年)中に支払うべき給与等でその最後に支払をする日が同年4月1日前であるものに係る年末調整については、改正前の控除が適用されます。

※2 公的年金等の受給者や※1のように改正前の控除が適用される年末調整の対象者
が、2020年(令和2年)分の所得計算において改正後の控除の適用を受けるためには、確定申告をする必要があります。

所得税から引ききれなかった住宅ローン控除額の住民税からの控除

1.住宅ローン控除の概要

 住宅ローンを使って住宅の取得、新築、増改築等をして、2021年(令和3年)12月31日までに居住を開始した場合は、居住開始年以後10年間(注)の各年分の所得税において、住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)の適用を受けることができます。
 控除額は、その年の12月31日現在の住宅ローン等の残高の1.0%とされ、新築等した居住用家屋の区分に応じて、年間最大控除額は40万円又は50万円となります。

(注)2019年(令和1年)10月1日からの消費税率引き上げに際し、消費税等の税率が10%である住宅の取得等をして2019年(令和1年)10月1日から2020年(令和2年)12月31日までの間に居住した場合、住宅ローン等の所得税額の控除期間を13年間(3年間延長)とする特例が創設されました。
 住宅ローン等の年末残高×1%と、住宅の税抜購入価格×2%÷3のうち、いずれか少ない金額を11年目から13年目までの各年に控除することができます。
 なお、1年目から10年目までは現行と同様の金額が控除可能です。

区分 居住年 住宅ローン等年末残高 控除率 年間最大控除額 控除期間
一般住宅 ~令和2年12月 最大4,000万円 1.0% 40万円 10年間
認定住宅 ~令和2年12月 最大5,000万円 1.0% 50万円 10年間

 住宅ローン控除可能額のうち、所得税から控除しきれなかった残額がある場合は、翌年度分の住民税から、その残額相当額が控除されます。

2.住民税からの控除額の計算方法

(1) 住民税からの控除額の上限

 住宅ローン控除前の所得税額が住宅ローン控除額より少ない場合は、所得税から住宅ローン控除額が引ききれません。このように、所得税から控除しきれなかった残額がある場合は、翌年度分の住民税からその残額相当額が控除されます。
 ただし、住民税から控除する額には上限があり、上限額は住宅を取得等したときに課された消費税率によって異なります。
 消費税率が5%又は非課税のときは、所得税の課税総所得金額等×5%(最高9.75万円)が上限とされ、消費税率が8%のときは、所得税の課税総所得金額等×7%(最高13.65万円)とされます。
 なお、2014年(平成26年)4月以降でも経過措置により5%の消費税率が適用される場合や消費税が非課税とされている中古住宅の個人間売買などは2014年(平成26年)3月までの措置が適用されます。

居住年 上限額
~平成26年3月 9.75万円(課税総所得金額等×5%)
平成26年4月~令和3年12月 13.65万円(課税総所得金額等×7%)

(2) 所得税の控除可能額

 以下の簡単な設例を使って、所得税で引ききれなかった住宅ローン控除額の住民税からの控除額の計算方法を確認していきます。

【設例】
 2018年(平成30年)中に取得した土地に認定住宅である建物を新築して居住を開始しました。取得価額は土地建物合計で5,000万円、2019年(令和1年)12月31日現在の住宅ローン残高は4,000万円でした。なお、2019年(令和1年)分の所得税の課税総所得金額等は350万円、所得税額は25万円です。

所得税の控除可能額は、次のようになります。
 住宅ローン年末残高4,000万円<取得価額5,000万円→低い方4,000万円
 4,000万円×1.0%=40万円  ∴40万円

(3) 所得税からの控除額

所得税からの控除額は、次のようになります。
 控除可能額40万円≧所得税額25万円  ∴25万円

(4) 住民税からの控除額

住民税からの控除額は、次のようになります。
 控除可能額40万円-所得税の控除額25万円=控除しきれなかった金額15万円
 所得税の総所得金額等350万円×7%=24.5万円≧住民税の控除上限額13.65万円
 控除しきれなかった金額15万円≧住民税の控除上限額13.65万円  
 ∴翌年度分(令和2年度分)の住民税から13.65万円が控除されます。

(5) 控除額合計

住宅ローン控除可能額40万円のうち、所得税から25万円、住民税から13.65万円、合計38.65万円が控除されることになります。

寡婦・寡夫控除の要件と注意点

 寡婦控除は、女性の給与の支払を受ける人が一般の寡婦のときは27万円、特別の寡婦のときは35万円が控除されます。
 寡夫控除は、男性の給与の支払を受ける人が寡夫のときに27万円が控除されます。
 寡婦・寡夫控除は、その原因(離婚か死別か)や扶養親族の有無、給与の支払を受ける人の所得金額により適用要件と控除金額が異なります。

※2020年度(令和2年度)税制改正で寡婦(夫)控除が改正されました。改正後については、本ブログ記事「未婚のひとり親控除の新設と寡婦(夫)控除の改正」をご参照ください。

1. 寡婦控除の要件と控除額

 寡婦とは、女性の給与の支払を受ける人がその年12月31日の現況で、次の①、②のいずれかに該当する人です。

次のいずれかに該当する人で、扶養親族又は生計を一にする子のある人
イ.夫と死別した後、婚姻していない人
ロ.夫と離婚した後、婚姻していない人
ハ.夫の生死が明らかでない人
 なお、「生計を一にする子」とは、所得金額が38万円以下で、他の所得者の控除対象配偶者や扶養親族となっていない人です。

② 上記①に掲げる人のほか、次のいずれかに該当する人で、合計所得金額が500万円以下の人
イ.夫と死別した後婚姻していない人
ロ.夫の生死が明らかでない人

 具体的な要件と控除額は、下表を参照して下さい。

離婚・死別の区分 扶養親族などの有無の要件 所得金額の要件 寡婦の区分 控除額
離婚・死別(生死不明) 扶養親族である子がいる人 500万円以下 特別の寡婦 350,000円
同上 扶養親族又は生計を一にする子がいる人 要件なし 一般の寡婦 270,000円
死別(生死不明) 要件なし 500万円以下 一般の寡婦 270,000円

※ 離婚が原因で寡婦となった人は、扶養親族又は生計を一にする子がいないときは寡婦控除の要件に該当しません。

2. 寡夫控除の要件と控除額

 寡夫とは、男性の給与の支払を受ける人がその年12月31日の現況で、次の要件の①、②又は③のいずれかに該当する人で、生計を一にする子があり、かつ、合計所得金額が500万円以下の人です。

① 妻と死別した後、婚姻していない人
② 妻と離婚した後、婚姻していない人
③ 妻の生死が明らかでない人

 具体的な要件と控除額は、下表を参照して下さい。

離婚・死別の区分 扶養親族などの有無の要件 所得金額の要件 控除額
          離婚・死別             (生死不明) 生計を一にする子がいる人 500万円以下 270,000円

※ 寡夫の人は、生計を一にする子がいないときは寡夫控除の要件に該当しません。

3. 寡婦・寡夫控除の注意点

① 寡婦・寡夫控除は、16歳未満の年少扶養親族がいる人も適用できます。
未婚の母(シングルマザー)は寡婦控除の対象にはなりません。寡婦は婚姻してから死別、離婚、生死不明の状態となり、以後婚姻をしていない人が該当しますので、仮に認知された子を有していても、婚姻したことがない未婚の母(シングルマザー)は寡婦になりません。
未婚の母(シングルマザー)が婚姻しその後離婚した場合は、寡婦控除の対象になります。扶養親族である子は婚姻後に出生したいわゆる嫡出子に限定されていないので、当初シングルマザーであったとしても、税法どおり「夫と離婚してから婚姻をしていない者で扶養親族又は生計を一にする子を有する者」に該当する限り、寡婦控除の適用があります。
寡夫控除と配偶者控除を二重に受けられる場合があります。年の途中で死亡した者については、その扶養親族等の判定は死亡時の現況で行うこととなりますので、配偶者の死亡時にその配偶者が所得要件を満たしている場合には、配偶者控除の適用を受けることができます。また、その年12月31日の現況で、寡夫の要件に該当すれば寡夫控除も受けることができます。
離婚して元妻に引き取られた子の養育費を支払っている場合、所得が500万円以下であれば寡夫控除を受けることができます。離婚に伴う養育費の支払いが扶養義務の履行として行われている場合には、その子は「生計を一にしている親族」として扶養控除の対象とされ、さらに、元夫の合計所得金額が500万円以下であれば、寡夫控除の適用を受けることができます。一方、元妻は子と同居していても「夫と死別し、若しくは夫と離婚した後婚姻をしていない者又は夫の生死がわからない者で、扶養親族その他その者と生計を一にする親族を有する者」に該当しないため、寡婦控除を受けることはできません

国外居住親族に係る扶養控除等の適用

 最近はベトナムなどから外国人技能実習生を受け入れる企業が増えています。外国人技能実習生に支給する研修手当は、雇用契約に基づく労働の対価(給与)に該当しますので、所得税を源泉徴収しなければなりません。また、このような外国人技能実習生に対する給与は、年末調整の対象になります。
 今回は、年末調整の際に、外国人技能実習生が非居住者である親族(日本国外に居住する親族)に係る扶養控除等の適用を受けるための手続きについて紹介します。

1.扶養控除等申告書に必要事項を「親族関係書類」から記載する

 給与等の源泉徴収において、非居住者である親族に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除又は配偶者特別控除の適用を受ける居住者(外国人技能実習生)は、当該親族に係る「親族関係書類」を源泉徴収義務者に提出する扶養控除等申告書に添付し、又はその申告書等の提出の際に提示しなければなりません。

 「親族関係書類」とは、次の(1)又は(2)のいずれかの書類で、その非居住者がその居住者(外国人技能実習生)の親族であることを証するものをいいます。

(1) 戸籍の附票の写しその他の国又は地方公共団体が発行した書類及び国外居住親族の旅券(パスポート)の写し
(2) 外国政府又は外国の地方公共団体(以下、「外国政府等」といいます)が発行した書類(国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所の記載があるものに限ります)

 「親族関係書類」に関する注意事項は次のとおりです。

① 親族関係書類が外国語により作成されている場合には、訳文を添付等する必要があります。
② 親族関係書類は、国外居住親族の旅券の写しを除き、原本の提出又は提示が必要です。
③ 上記(2)の外国政府等が発行した書類は、例えば次のような書類が該当します。
イ.戸籍謄本
ロ.出生証明書
ハ.婚姻証明書
④ 外国政府等が発行した書類について、一つの書類に国外居住親族の氏名、生年月日及び住所又は居所のすべてが記載されていない場合は、複数の書類を組み合わせることにより氏名、生年月日及び住所又は居所を明らかにする必要があります。
⑤ 一つの書類だけでは国外居住親族が居住者(外国人技能実習生)の親族であることを証明できない場合には、複数の書類を組み合わせることにより、居住者(外国人技能実習生)の親族であることを明らかにする必要があります。
⑥ 16歳未満の非居住者である扶養親族(扶養控除の対象とならない扶養親族)であっても障害者控除を受ける場合には、親族関係書類及び送金関係書類の提出又は提示が必要です。

2.年末調整では国外居住親族への「送金関係書類」を確認する

 給与等の年末調整において、非居住者である親族に係る扶養控除、配偶者控除、障害者控除の適用を受ける居住者(外国人技能実習生)は、「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出する扶養控除等申告書に添付し、又はその申告書の提出の際に提示しなければなりません。

 非居住者である配偶者に係る配偶者特別控除の適用を受ける居住者(外国人技能実習生)は、「親族関係書類」及び「送金関係書類」を源泉徴収義務者に提出する配偶者特別控除申告書に添付し、又はその申告書の提出の際に提示しなければなりません。

 「送金関係書類」とは次の書類で、その居住者(外国人技能実習生)がその非居住者である親族の生活費又は教育費に充てるための支払を、必要の都度、各人に行ったことを明らかにするものをいいます。

(1) 金融機関の書類又はその写しで、その金融機関が行う為替取引により居住者から国外居住親族に支払をしたことを明らかにする書類
(2) クレジットカード発行会社の書類又はその写しで、国外居住親族がそのクレジットカード発行会社が交付したカードを提示してその国外居住親族が商品等を購入したこと等により、その商品等の購入等の代金に相当する額の金銭をその居住者(外国人技能実習生)から受領した、又は受領することとなることを明らかにする書類

 「送金関係書類」に関する注意事項は次のとおりです。

① 送金関係書類が外国語により作成されている場合には、訳文を添付等する必要があります。
② 送金関係書類については、原本に限らずその写しも送金関係書類として取り扱うことができます。
③ 送金関係書類は、具体的には次のような書類が該当します。
イ.外国送金依頼書の控え
 その年において送金をした外国送金依頼書の控え
ロ.クレジットカードの利用明細書
 クレジットカードの利用明細書とは、居住者(外国人技能実習生)がクレジットカード発行会社と契約を締結し、国外居住親族が使用するために発行されたクレジットカードで、その利用代金を居住者(外国人技能実習生)が支払うこととしているもの(いわゆる家族カード)に係る利用明細書をいいます。
 この場合、その利用明細書は家族カードの名義人となっている国外居住親族の送金関係書類として取り扱います。
 クレジットカードの利用明細書は、クレジットカードの利用日の年分の送金関係書類となります(クレジットカードの利用代金の支払(引落し)日の年分の送金関係書類とはなりません)。
 なお、現金での手渡しの場合は、国外居住親族に係る扶養控除等を適用できません。
④ 国外居住親族が複数いる場合には、送金関係書類は扶養控除等を適用する国外居住親族の各人ごとに必要となります
 例えば、国外に居住する配偶者と子がいる場合で、配偶者に対してまとめて送金している場合には、その送金に係る送金関係書類は、配偶者(送金の相手方)のみに対する送金関係書類として取り扱い、子の送金関係書類として取り扱うことはできません。
⑤ 送金関係書類については、扶養控除等を適用する年に送金等を行ったすべての書類を提出又は提示する必要があります。
 複数年分をまとめて送金している旨の申立てがあった場合でも、複数年にわたる送金関係書類として使用することはできません。
 同一の国外居住親族への送金等が年3回以上となる場合には、一定の事項を記載した明細書の提出と各国外居住親族のその年最初と最後に送金等をした際の送金関係書類の提出又は提示をすることにより、それ以外の送金関係書類の提出又は提示を省略することができます。この場合、提出又は提示を省略した送金関係書類については、居住者(外国人技能実習生)本人が保管する必要があります。
⑥ 送金額の基準は特に定められていませんが、送金の目的(生活費又は教育費に充てるためのものかどうか)を確認する必要があります。
⑦ 16歳未満の非居住者である扶養親族(扶養控除の対象とならない扶養親族)であっても障害者控除を受ける場合には、親族関係書類及び送金関係書類の提出又は提示が必要です。

扶養控除の要件等

1.控除対象扶養親族の要件

 2011年(平成23年)分から、年齢16歳未満の扶養親族(年少扶養親族)に対する扶養控除が廃止されました。これに伴い、扶養控除の対象者は年齢16歳以上の扶養親族(控除対象扶養親族)とされました。
 扶養控除は、給与の支払を受ける人が控除対象扶養親族を有する場合に適用されます。控除対象扶養親族とは、その年の12月31日に次の要件のすべてに当てはまる人です。

(1) 配偶者以外の年齢16歳以上の親族(6親等内の血族及び3親等内の姻族をいいます)又は都道府県知事から養育を委託された児童(里子)や市町村長から養護を委託された養護老人
(2) 生計を一にしている
(3) その年の合計所得金額が38万円以下
(4) 他の所得者の控除対象配偶者又は控除対象扶養親族となっていない
(5) 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受けていない
(6) 白色申告者の事業専従者となっていない

2.扶養控除額

 扶養控除額は、下表のように一般の控除対象扶養親族は38万円、19歳から22歳までの特定扶養親族は63万円、70歳以上の老人扶養親族で同居している直系尊属(給与の支払を受ける人又はその配偶者の父母・祖父母等)は58万円、その他の老人扶養親族は48万円となります。

扶養控除の区分 扶養控除額
年少扶養親族(0歳~15歳) 0円
一般の控除対象扶養親族(16歳~18歳) 380,000円
特定扶養親族(19歳~22歳) 630,000円
一般の控除対象扶養親族(23歳~69歳) 380,000円
老人扶養親族(70歳~)で同居老親等以外の者 480,000円
老人扶養親族(70歳~)で同居老親等 580,000円

 一般の控除対象扶養親族は、扶養親族のうちその年の12月31日現在(年の中途で死亡した場合は死亡時)の年齢が16歳以上19歳未満の人又は年齢が23歳以上70歳未満の人です。
 特定扶養親族は、扶養親族のうちその年の12月31日現在(年の中途で死亡した場合は死亡時)の年齢が19歳以上23歳未満の人です。
 老人扶養親族は、扶養親族のうちその年の12月31日現在(年の中途で死亡した場合は死亡時)の年齢が70歳以上の人です。
 また、同居老親等は、老人扶養親族のうち、給与の支払を受ける人又は配偶者の直系尊属(父母、祖父母など)で給与の支払を受ける人又はその配偶者と常に同居している人をいいます。
 したがって、給与の支払を受ける人又はその配偶者の兄弟姉妹と伯叔父母(父母の兄弟姉妹)で70歳以上の人は直系尊属ではないため、同居老親等ではなくて老人扶養親族になります。

3.「生計を一にする」とは

 「生計を一にする」とは、必ずしも同じ家屋に同居していることをいうのではなく、それぞれ次によることとされています。

(1) 勤務、修学、療養などの都合で同居していない親族がいる人は、以下のときにはこの親族は生計を一にするものとします。
 ① 同居をしていない親族が、その親族の休日や休暇のときには同居をしている
 ② 同居をしていない親族に、生活費、学資金、療養費などの送金をしている
(2) 親族が同じ家屋に同居しているときには、明らかに独立した生活をしている場合以外は、その親族は生計を一にするものとします。

4.入院している人の「同居老親等」の判定

 同居老親等の判定では、70歳以上老人扶養親族の人が給与の支払を受ける人又はその配偶者と常に同居していることが必要になります。
 しかし、老人扶養親族の人が、病気の入院などのために一時的に別居している場合があります。この場合、病気の治療のための入院であれば同居老親等に該当することになります。
 一方、老人扶養親族で老人ホームや介護老人福祉施設などに長期間入所している人は、その老人ホームが居所となり同居老親等には該当しません

5.年の中途で死亡又は出国した場合

 給与の支払を受ける人の控除対象扶養親族は、その年の12月31日現在で判定することになっています。
 したがって、その年の12月31日において、同じ人を対象として複数の人が重ねて扶養控除を受けることはできません
 しかし、給与の支払を受ける人が年の途中で死亡又は出国した場合は、その死亡又は出国の時により判定することになります。
 このため、年の途中で死亡した人の控除対象扶養親族として申告した人であっても、その後その年中において他の人の控除対象扶養親族として申告することができます
 例えば、給与所得者の父がその年中に死亡した場合、その年の合計所得金額が38万円以下の子は父の控除対象扶養親族となります。
 その後、給与所得者の母と生計を一にしている場合は、母の年末調整においても控除対象扶養親族となることができます。

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のマイナンバー記載を省略する方法

 2016年(平成28年)1月1日以後に提出を受ける「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」には、①給与の支払者の個人番号又は法人番号、②給与の支払を受ける人、③控除対象配偶者(2018年(平成30年)分からは「源泉控除対象配偶者」)、④控除対象扶養親族及び⑤16歳未満の扶養親族の個人番号を記載しなければなりません。
 しかし、2017年(平成29年)1月1日以後に提出を受ける「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」については、一定の要件の下、上記②~⑤の個人番号の記載を省略することができます。
 今回は、個人番号の記載を省略するための一定の要件(2つの方法)について紹介します。

1.給与支払者が「個人番号の記載を不要とするために備える帳簿」を作成する場合

 扶養控除等申告書の個人番号の記載を省略するための1つ目の方法は、給与支払者が「個人番号の記載を不要とするために備える帳簿」を作成することです。
 この「個人番号の記載を不要とするために備える帳簿」には、以下の事項を記載します。

(1) 扶養控除等申告書に記載される提出者本人、源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族、16歳未満の扶養親族の氏名、住所及びマイナンバー(個人番号)
(2) 帳簿の作成に当たり提出を受けた申告書の名称
(3) その申告書の提出年月

 上記(2)の申告書は、次のものに限ります。

① 給与所得者の扶養控除等申告書
② 従たる給与についての扶養控除等申告書
③ 給与所得者の配偶者控除等申告書
④ 退職所得の受給に関する申告書
⑤ 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書

 なお、次の2に掲げるように、「給与支払者に提供済のマイナンバー(個人番号)と相違ない」旨を記載して提出された「マイナンバー(個人番号)と紐付け管理された扶養控除等申告書」も「個人番号の記載を不要とするために備える帳簿」作成の基となる扶養控除等申告書とすることができます。

2.従業員が扶養控除等申告書に「給与支払者に提供済みのマイナンバー(個人番号)と相違ない」と記載する場合

 給与支払者と従業員との間での合意により、従業員が扶養控除等申告書の個人番号欄又は余白に「マイナンバー(個人番号)については給与支払者に提供済みのマイナンバー(個人番号)と相違ない」と記載し、給与支払者はすでに提供を受けている従業員等の個人番号を確認してから確認した旨を扶養控除等申告書に表示すると、扶養控除等申告書の個人番号の記載を省略することができます。
 この場合、給与支払者は保有している「個人番号」と「個人番号の記載が省略された扶養控除等申告書」について、適切かつ容易に紐付けられるように管理しておく必要があります。

配偶者控除が適用される給与収入限度額が150万円に引き上げられた?

 2017年度(平成29年度)税制改正で、就業調整を意識せずにすむような環境づくりを目指して、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが行われました。この改正は、2018年分(平成30年分)の所得税から適用されます。

1.給与収入限度額はあくまでも103万円

 配偶者控除の改正点は、配偶者控除を受けることができる納税者本人に所得制限が設けられたという点のみであり、当時の一部報道等に見受けられた「配偶者控除の適用を受けられる給与収入限度額が150万円に引き上げられた」とされる点は、配偶者特別控除においての改正点です。
 つまり、配偶者控除の適用を受けられる配偶者の給与収入限度額はあくまでも103万円以下であり、38万円の配偶者特別控除が適用される給与収入限度額が150万円以下に引き上げられたものです(ただし、納税者本人の給与収入が1,120万円以下であることが必要です)。

 以下で、配偶者控除と配偶者特別控除の改正点について述べていきます。

2.配偶者控除の改正点

 配偶者控除の額は、改正前は配偶者控除の適用を受ける納税者本人の所得の多寡にかかわらず38万円でしたが、改正後は納税者本人の合計所得金額に応じ、次のようになりました。

(1) 納税者の合計所得金額が900万円以下・・・控除対象配偶者38万円、老人控除対象配偶者48万円
(2) 納税者の合計所得金額が900万円超950万円以下・・・控除対象配偶者26万円、老人控除対象配偶者32万円
(3) 納税者の合計所得金額が950万円超1,000万円以下・・・控除対象配偶者13万円、老人控除対象配偶者16万円
(4) 納税者の合計所得金額が1,000万円超・・・適用なし

 なお、合計所得金額900万円は給与収入では1,120万円に、950万円は1,170万円に、1,000万円は1,220万円になります。
 また、この改正により、納税者と生計を一にする配偶者で合計所得金額が38万円以下の配偶者は「同一生計配偶者」と定義され、同一生計配偶者のうち合計所得金額が1,000万円以下である納税者の配偶者は「控除対象配偶者」と定義されました。

3.配偶者特別控除の改正点

 2017年度(平成29年度)税制改正で、配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額の範囲が38万円超(給与収入で103万円超)から123万円以下(給与収入で201万円以下)とされ、配偶者特別控除額を納税者及び配偶者の合計所得金額に応じて、次のとおりとされました。

(1) 納税者の合計所得金額が900万円以下
① 配偶者の合計所得金額が38万円超85万円以下・・・38万円
② 配偶者の合計所得金額が85万円超90万円以下・・・36万円
③ 配偶者の合計所得金額が90万円超95万円以下・・・31万円
④ 配偶者の合計所得金額が95万円超100万円以下・・・26万円
⑤ 配偶者の合計所得金額が100万円超105万円以下・・・21万円
⑥ 配偶者の合計所得金額が105万円超110万円以下・・・16万円
⑦ 配偶者の合計所得金額が110万円超115万円以下・・・11万円
⑧ 配偶者の合計所得金額が115万円超120万円以下・・・6万円
⑨ 配偶者の合計所得金額が120万円超123万円以下・・・3万円
⑩ 配偶者の合計所得金額が123万円超・・・適用なし

(2) 納税者の合計所得金額が900万円超950万円以下
① 配偶者の合計所得金額が38万円超85万円以下・・・26万円
② 配偶者の合計所得金額が85万円超90万円以下・・・24万円
③ 配偶者の合計所得金額が90万円超95万円以下・・・21万円
④ 配偶者の合計所得金額が95万円超100万円以下・・・18万円
⑤ 配偶者の合計所得金額が100万円超105万円以下・・・14万円
⑥ 配偶者の合計所得金額が105万円超110万円以下・・・11万円
⑦ 配偶者の合計所得金額が110万円超115万円以下・・・8万円
⑧ 配偶者の合計所得金額が115万円超120万円以下・・・4万円
⑨ 配偶者の合計所得金額が120万円超123万円以下・・・2万円
⑩ 配偶者の合計所得金額が123万円超・・・適用なし

(3) 納税者の合計所得金額が950万円超1,000万円以下
① 配偶者の合計所得金額が38万円超85万円以下・・・13万円
② 配偶者の合計所得金額が85万円超90万円以下・・・12万円
③ 配偶者の合計所得金額が90万円超95万円以下・・・11万円
④ 配偶者の合計所得金額が95万円超100万円以下・・・9万円
⑤ 配偶者の合計所得金額が100万円超105万円以下・・・7万円
⑥ 配偶者の合計所得金額が105万円超110万円以下・・・6万円
⑦ 配偶者の合計所得金額が110万円超115万円以下・・・4万円
⑧ 配偶者の合計所得金額が115万円超120万円以下・・・2万円
⑨ 配偶者の合計所得金額が120万円超123万円以下・・・1万円
⑩ 配偶者の合計所得金額が123万円超・・・適用なし

 なお、合計所得金額900万円は給与収入では1,120万円に、950万円は1,170万円に、1,000万円は1,220万円になります。

再居住した場合の住宅借入金等特別控除

1.再居住した場合の適用要件

 住宅借入金等特別控除の適用を受けていた方が、2003年(平成15年)4月1日以降に転任命令に伴う転居等により控除が受けられなくなった後、その家屋に再び居住した場合は、次の要件を満たすことにより再居住年以後の年について、住宅借入金等特別控除の適用を受けることができます。

(1) 転居の事由等

 勤務先からの転任の命令に伴う転居、その他これに準ずるやむを得ない事由により、その家屋を居住の用に供さなくなったこと

(2) 居住の用に供さなくなる日までに必要な手続

 「転任の命令等により居住しないこととなる旨の届出書」、未使用の「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」、「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」を所轄税務署に提出

(3) 再適用をする最初の年分の必要書類

 「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書(再び居住の用に供した方用」、「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」、「住民票の写し」

(4) 再適用の制限

 再び居住の用に供した日の属する年に、その家屋を賃貸の用に供していた場合には、翌年以後の年についてこの特例の再適用が可能

2.再居住した場合の留意点

 したがって、例えば転地療養のため、家族全員で一時実家に移り住んだ場合には、「再居住の場合の再適用の特例」は受けられません。
 転地療養は、勤務先からの転任命令のような外的要因ではなく個人的事情であるため、上記要件の「やむを得ない事由」に該当しないからです。

 また、転勤が解消し再居住した年に賃貸していた場合に、年末時点では居住しているとして控除を受けることはできません。控除は翌年からとなりますので、ご注意ください。