医療費のお知らせ(医療費通知)で医療費控除を受ける際の注意点

 医療費控除を受ける場合は、医療費の領収書から「医療費控除の明細書」を作成し、確定申告書に添付しなければならないこととされています。

 しかし、医療保険者から交付を受けた「医療費のお知らせ」がある場合は、「医療費のお知らせ」を添付することによって「医療費控除の明細書」の記載を簡略化することができ、医療費の領収書の保存も不要となります。

 以下では、この「医療費のお知らせ」で医療費控除を受ける際の注意点について確認します。

1.医療費通知とは?

 「医療費のお知らせ」は、健康保険組合などの医療保険者が発行する医療費の額等を通知する書類です。

 この「医療費のお知らせ」のうち、次の6項目の記載があるもの(後期高齢者医療広域連合から発行された書類の場合は(3)を除きます)を「医療費通知」といい、「医療費通知」を確定申告書に添付することによって、「医療費控除の明細書」の記載を簡略化することができ、医療費の領収書の保存も不要となります

(1) 被保険者等の氏名
(2) 療養を受けた年月
(3) 療養を受けた者の氏名
(4) 療養を受けた病院、診療所、薬局等の名称
(5) 被保険者等が支払った医療費の額
(6) 保険者等の名称

※ インターネットを利用して医療保険者から通知を受けた医療費通知情報で、その医療保険者の電子署名およびその電子署名に係る電子証明書が付されたものも医療費通知となります。

2.医療費のお知らせに欠落や不備がある場合

 医療費通知には、上記1の(1)~(6)の6項目が記載されている必要があります。

 しかし、この6項目を「医療費のお知らせ」に記載することは、各医療保険者の任意とされているため、交付を受けた「医療費のお知らせ」に6項目のいずれかの項目の記載がないことも考えられます。

 このような場合は、その「医療費のお知らせ」に欠落している事項を補完記入するか、実際に支払った医療費の領収書に基づいて必要事項を記載した「医療費控除の明細書」を確定申告書に添付することにより、医療費控除の適用を受けることができます。なお、この場合には当該医療費の領収書を確定申告期限等から5年間保存する必要があります。

3.医療費のお知らせに記載がない医療費がある場合

 医療費のお知らせは、保険医療機関等から診療報酬等の請求があり、支払が確定されたものについて作成されます。
 そのため、保険医療機関等からの請求が遅れた場合などは、支払った医療費がこのお知らせに記載されないことがあります

 また、自由診療に区分される診療や薬局での医薬品の購入など、医療費のお知らせに記載されないものもあります。

 このような場合には、これらの医療費に係る領収書に基づき「医療費控除の明細書」へ必要事項を記載し、その上でこの明細書と「医療費通知」(6項目が記載された「医療費のお知らせ」)を併せて確定申告書に添付して提出することで、医療費控除の適用を受けることができます。

 なお、この場合の「医療費控除の明細書」の記載および控除額の計算は、次の手順によります。

① 「医療費通知」の内容に基づいて「1 医療費通知に関する事項」の各欄に金額を記載する。
② 「医療費通知」に記載されていない医療費については、領収書に基づいて「2 医療費(上記1以外)の明細」の各欄に必要事項を記載する。
③ 「3 控除額の計算」により医療費控除の額の計算を行う。

※ 逆に、古い受診年月(前年)の医療費が記載されている場合もありますので、注意が必要です。

4.医療費のお知らせに記載された負担額と実際の負担額とが異なる場合

 医療費のお知らせの患者負担額は、保険医療機関等の窓口で支払う自己負担額(10円未満を四捨五入)とは異なり、1円単位での表示となります。

 そのため、「医療費のお知らせ」の患者負担額と窓口で実際に支払った医療費の額が相違する場合があります。

 このような場合は、「医療費通知」(6項目が記載された「医療費のお知らせ」)に記載された患者負担額に基づいて医療費控除の額を計算しても差し支えありません。

自己負担半額以上・会社負担7,500円以下でも食事補助が給与課税される場合

 福利厚生の一環として、会社が従業員や役員(以下「従業員等」といいます)に支給する食事は、一定の要件を満たせば給与として課税されません。

 しかし、要件を満たしている(ように見える)場合でも、会社が行う従業員等の食事補助が給与として課税されるケースがあります。
 
 今回は、一見すると非課税となる要件を満たしているにもかかわらず、食事補助が給与課税されるケースについて確認します。

※ この記事は、2026(令和8)年度税制改正を踏まえて、2026年4月1日にリライトしています。

1.食事補助が給与課税されない要件

 福利厚生の一環として会社が従業員等に対して支給する食事は、次の2要件を満たせば給与課税されません(所得税基本通達36-38の2)。

(1) 従業員等が食事の価額の半分以上を負担していること
(2) 会社の負担額(食事の価額-従業員等が負担している金額)が1ヶ月当たり7,500円(税抜き)以下であること
※1

 この2要件を満たしていなければ、食事の価額から従業員等が負担している金額を控除した残額が給与として課税されます。

 ここでいう食事の価額は、次の金額をいいます(所得税基本通達36-38)。

① 仕出し弁当などを取り寄せて支給する場合は、業者に支払う金額
② 社員食堂などで会社が作った食事を支給する場合は、食事の材料費や調味料等に要した、いわゆる直接費の額

 また現金で食事代の補助をする場合は、深夜勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり650円(税抜き)以下の金額※2を支給する場合を除き、補助をする全額が給与課税されます。

 なお、通常の勤務時間外に残業又は宿日直をした人に支給する食事は、無料で支給しても給与課税されませんが、深夜勤務を本来の職務とする人がその勤務に伴い食事の支給を受ける場合には、その支給額は給与課税されます。

※1 2026(令和8)年度税制改正で、3,500円から7,500円に引き上げられました。
※2 2026(令和8)年度税制改正で、300円から650円に引き上げられました。

2.食事補助が給与課税されるケース

 上記1の2要件を満たせば、会社が行う食事補助は給与課税されません。では、次のような場合はどうでしょうか?

① 会社の従業員等が、会社が指定した近隣の飲食店(以下「指定飲食店」といいます)を昼食で利用した。

② 従業員等は、指定飲食店において食事の提供を受けた後、食事代を支払い、指定飲食店から領収証を受領し、その領収証を会社に提出した。

③ 会社は、領収証に記載された食事代の50%相当額を個人別に集計し、月末で締めて翌月5日に、食事代負担金を従業員等の預金口座に振り込んだ。

④ 食事代負担金は、月額7,500円(税抜)を上限としている。

 一見すると2要件を満たしているため、給与課税されないようにも思えますが、結論を先に述べると、従業員等が受ける食事代負担金は、その従業員等に対する給与所得の収入金額となり、給与課税されます。

 会社が従業員等に対し食事を支給する場合(注:「食事」を支給するのであって「食事代」を支給するのではありません)に、その従業員等から実際に徴収している対価の額がその食事の価額の50%相当額以上であり、かつ、会社の負担額が月額7,500円を超えないときには、上記1でみたように、会社が行う食事補助は給与課税されません。

 給与課税されるか否かのポイントは、上記1の2要件の前提として、会社が行う食事補助は現物支給であることが条件となっています。
 したがって、食事補助として金銭で支給する場合は給与課税されます。

 従業員等が飲食店に食事代を支払い、会社が従業員等に現金で食事代を補助する場合には、食事という現物ではなく金銭を支給するものであることから、「会社が従業員等に対し食事を支給する場合」に該当せず、「深夜勤務に伴う夜食の現物支給に代えて支給する金銭」に該当するときを除き、補助をする全額が給与として課税されることとなります

 会社が行う食事補助については、給与課税されないための2要件にばかり注目しがちですが、原則として現物支給であることが必要ですので注意しなければなりません。

※ なお、会社と飲食店との間の契約により、従業員等の食事代を会社が飲食店に支払う場合は、「会社が従業員等に対し食事を支給する場合」に該当するため、2要件を満たせば給与課税されません。

割賦購入した資産やリースで借りている資産は誰が償却資産の申告をすべきか?

 償却資産の申告は、賦課期日(毎年1月1日)現在において償却資産を所有している人が行います。
 しかし、誰が償却資産の申告をすべきか迷うケースもありますので、今回はこの点について確認します。

1.割賦販売契約で購入した償却資産

 償却資産の申告は、その償却資産の所有者が行います。通常は、償却資産を購入したら、購入者がその償却資産を所有することになりますので、償却資産の申告は購入者が行います。

 では、割賦販売契約により購入した償却資産の申告は、購入者と販売者のどちらがするのでしょうか?

 割賦販売契約においては、販売代金が完済されるまで所有権は売主に留保されます。つまり、購入者が代金を分割で支払っている間は、所有権は販売者にありますので、償却資産の所有者は販売者ということになります。

 償却資産の申告義務が所有者にあることからすると、割賦販売契約で売買した償却資産の申告は販売者がしなければならないように思えます。

 しかし、割賦販売契約のような、いわゆる「所有権留保付割賦販売」の資産については、原則として購入者が償却資産の申告を行うこととなっていますのでご注意ください。

2.リース契約で賃借している償却資産

 償却資産の申告は、その償却資産の所有者が行います。償却資産を他に賃貸している場合でも、その所有権は貸主にありますから、償却資産の申告は貸主が行います。

 では、リース契約により賃貸借している償却資産の申告は、貸主と借主のどちらがするのでしょうか?

 この点については、リースの契約形態により取扱いが異なります。

 例えば、オペレーティング・リースのように、リース期間満了後に貸主(リース会社)に機械等を返還するというリース取引の場合は、貸主が償却資産の申告を行う必要があります。

  また、所有権移転外ファイナンス・リースは、リース期間中もリース期間満了後も貸主に所有権がありますので、貸主が償却資産の申告を行う必要があります

 ただし、リース期間満了後に無償又はそれに近い価格で譲渡することとなっているなど、実質的に所有権留保付割賦販売とみられるようなもの(所有権移転ファイナンス・リース)については、借主が償却資産の申告を行う必要がありますのでご注意ください。

※ 所有権移転外ファイナンス・リース取引において、貸主が所有するリース資産で取得価額が20万円未満の償却資産は、申告の対象になりません。

償却資産の申告で迷いやすいケース

 償却資産とは、土地及び家屋以外の事業の用に供することができる資産で、所得税法又は法人税法の所得の計算上減価償却の対象となる資産です。

 毎年1月1日現在において償却資産を所有している法人や個人事業者は、1月31日までにその償却資産を市役所等に申告しなければなりません。

 しかし、実際に申告書を作成する際には、どの資産が申告対象であるのか判断に迷うケースもありますので、以下では具体例を挙げて、償却資産の申告対象となるかどうかについて確認します。

※ 償却資産の申告対象についての基本的な考え方については、「償却資産税の申告対象となる資産とは?」をご参照ください。

1.自己所有建物に取り付けた内装など

 テナント等の借家人が、その建物(借家)に内装等の附帯設備を取り付けた場合は、建物本体との附合の有無及び賃貸借契約書の内容のいかんにかかわらず、テナント等の借家人がその附帯設備を償却資産として申告する必要があります。

 では、自己所有の建物に内装等の附帯設備等を取り付けた場合は、その附帯設備は償却資産の申告対象となるのでしょうか?

 建物が自己所有の場合、一般的には、建物に取り付けられ建物と構造上一体となって建物の効用を高めるものについては建物の一部として取り扱われますので、その附帯設備は償却資産の申告対象ではありません。

 逆に、取り外しが容易で、別の場所に自在に移動できるものや、建物と一体となっていないものは、建物とは別個に償却資産として取り扱われますので、償却資産の申告対象となります。
 
  また、特定の生産用や業務用の設備は、建物自体の効用を高めることとは関係しないため、償却資産の申告対象となります。

 なお、単に移動を防止する程度に建物に取り付けたものは、償却資産の申告対象となります。

※ 参考記事:「家屋と一体の建築設備は家屋と償却資産のどちらに該当するか?

2.自動車に取り付けたカーナビ・カーステレオなど

 自動車税や軽自動車税の課税対象となる乗用車やトラック(以下「自動車」といいます)は、償却資産の申告対象ではありません。

 では、自動車に取り付けたカーナビやカーステレオなどは、償却資産の申告対象となるのでしょうか?

 自己所有の車に取り付けた自己所有のカーナビ、カーステレオなどについては、性能、型式、構造等が自動車用として特別に設計され、自動車固有の装置と認められるものであれば、自動車と一体をなしているものと考えられるため、償却資産の申告対象とはなりません。

  ただし、ポータブルナビゲーションのように、その使用形態が持ち運び自由な携帯型として使用することが常態となっている機器については、自動車と一体をなしているとは考えられませんので、償却資産の申告対象となります。

 また、自動車の所有者と車載機器の所有者が異なる場合は、その機器は自動車そのものと一体をなしているとは認められないため、償却資産の申告対象となります。

3.家庭用にも事業用にも使用している資産

 償却資産の申告対象となるのは事業用の資産です。例えば、飲食店の厨房に設置されている電気冷蔵庫は、申告対象となります。

 では、家庭用にも事業用にも使用している電気冷蔵庫は、償却資産の申告対象となるのでしょうか?

 家庭用にも事業用にも使用される電気冷蔵庫は、事業の用に供することができる資産であるため、その電気冷蔵庫全体が償却資産の申告対象になります。

 なお、家庭用・事業用の両方に使用している場合は、資産全体の取得価格を申告する必要があります。
 1つの資産を課税される部分と課税されない部分とに分けることはできませんので、ご注意ください。

国民年金保険料を前納した場合の社会保険料控除の取扱い

 納税者が、自己または自己と生計を一にしている配偶者その他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合は、その支払った金額の全額について社会保険料控除の適用を受けることができます。

 未納のものについては控除できませんが、これまで未納となっていた過去の社会保険料を一括して支払った場合は、支払った年分において、その支払った金額の全額(延滞金は除く)について社会保険料控除の適用を受けることができます

 では逆に、社会保険料を前納した場合、その前納した金額の全額について社会保険料控除の適用を受けることはできるのでしょうか?

 今回は、この点について確認します。

詳細については、「滞納していた国民健康保険料・国民年金保険料と延滞金は社会保険料控除の対象となるか?」をご参照ください。

1.前納分を期間按分して控除する

 社会保険料を前納した場合は、次の算式により計算した金額をその年において支払った金額として、社会保険料控除を適用します(所得税基本通達74・75-1)。

前納した社会保険料等の総額(前納により割引された場合には、その割引後の金額)×前納した社会保険料等に係るその年中に到来する納付期日の回数/前納した社会保険料等に係る納付期日の総回数

 上記算式より、前納した社会保険料の金額を期間按分して、各年分の保険料に相当する額を各年に控除することがわかります。

 なお、上記算式の「社会保険料等」には、小規模企業共済等掛金も含まれます。したがって、小規模企業共済等掛金を前納した場合も、上記算式により期間按分して小規模企業共済等掛金控除を適用します。

2.前納した社会保険料等の特例

 一方、所得税基本通達74・75-2には、前納した社会保険料等について次のように規定されています。

 前納した社会保険料等のうちその前納の期間が1年以内のもの及び法令に一定期間の社会保険料等を前納することができる旨の規定がある場合における当該規定 に基づき前納したものについては、その前納をした者がその前納した社会保険料等の全額をその支払った年の社会保険料等として確定申告書又は給与所得者の保険料控除申告書に記載した場合には、74・75-1の(2)にかかわらず、その全額をその年において支払った社会保険料等の金額として差し支えない。
 なお、この前納した社会保険料等の特例(以下この項において「特例」という。)を適用せずに確定申告書を提出した場合には、その後において更正の請求をするときにおいても、この特例を適用することはできないことに留意する。

 すなわち、前納分については、前納期間が1年以内のもの及び法令に一定期間の社会保険料を前納することができる旨の規定がある場合は、その前納した年に社会保険料控除を適用することができます。

 国民年金保険料は、国民年金法第93条により2年分を前納することができるとされています。
 したがって、国民年金保険料を2年分前納した場合は、その前納した金額の全額が、その支払った年分の社会保険料控除の対象となります

 なお、上記1のように、各年分の保険料に相当する額を各年に控除する方法を選択することもできます。

小規模企業共済等掛金については、1年分の掛金を前納した場合はその全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となりますが、13か月以上の掛金を前納した場合は、その年の掛金に充当される分だけが控除の対象になります。

個人事業者が個人に支払う家賃の支払調書は提出が必要か?

 法定調書は、「所得税法」、「相続税法」、「租税特別措置法」、「内国税の適正な課税の確保を図るための国外送金等に係る調書の提出等に関する法律」の規定により、税務署への提出が義務づけられている資料です。

 2025(令和7)年12月31日時点において63種類の法定調書があり、そのうち所得税法に規定するものは43種類あります。

 この43種類のうち不動産関係の支払調書は3種類ありますが、なかでも「不動産の使用料等の支払調書」については、支払調書を提出しなければならない人の範囲が判然としないケースもあり、ネット上でも誤った情報が散見されます。

 以下では、個人事業者(借主)が個人(貸主)に対して家賃を支払った場合において、不動産関係の支払調書を提出する必要があるのか否かについて確認します。

1.不動産の使用料等の支払調書

 個人事業者が、事務所や店舗等の家賃を支払った場合に、まず提出が想定されるのが「不動産の使用料等の支払調書」です。

 国税庁の「令和7年分給与所得の源泉徴収票等の法定調書の作成と提出の手引」(以下「手引き」といいます)には、「提出する必要がある方」と「支払調書の提出範囲」が次のように記載されています。

出所:国税庁ホームページ

 支払調書の提出範囲については、「同一の方に対する令和7年中の支払金額の合計が15万円を超えるもの」とされていますので、15万円という金額を基準に提出範囲を判定する点に疑義は生じないものと思われます。

 一方、支払調書を提出する必要のある方については、手引きに明確に記載されているにもかかわらず誤った情報が散見されます。

 例えば、「個人事業者が個人に対して支払った家賃が年間15万円を超える場合は、その個人事業者は支払調書を提出しなければならない」とか、「支払った相手先の個人が不動産業者である場合は支払調書を提出しなければならない」などです。

 ここでもう一度、手引きの文言を確認します(太字と下線は筆者による)。

 令和7年中に不動産、不動産の上に存する権利、船舶(総トン数20トン以上のものに限ります。)、航空機の借受けの対価や不動産の上に存する権利の設定の対価(以下これらの対価を「不動産の使用料等」といいます。)の支払をする法人(国、都道府県等の公法人や人格のない社団等を含みます。)不動産業者である個人の方(主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる方は除きます。)です。
 また、法人に支払う不動産の使用料等については、賃借料を除く、権利金、更新料等のみを提出してください。

 上記手引きの文言から、支払調書を提出しなければならないのは、端的にいうと、法人と不動産業者である個人です。

 したがって、例えば、飲食店を営む個人事業者が、個人に対して年間15万円を超える家賃を支払ったとしても、その個人事業者は「不動産の使用料等の支払調書」を提出する必要はありません。

 また、不動産業者である個人事業者でも、建物の賃貸借の代理や仲介を主な業務としている場合は、個人に対して年間15万円を超える家賃を支払ったとしても、その個人事業者は「不動産の使用料等の支払調書」を提出する必要はありません。

 ここで気になるのは、個人事業者が、貸主である個人から事務所や店舗を借りる際に、不動産業者に仲介手数料を支払った場合です。
 この場合、仲介手数料を支払った個人事業者は、年間の家賃支払額が15万円を超えたとしても「不動産の使用料等の支払調書」を提出する必要はありませんが、「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」は提出しなければならないのでしょうか?

2.不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書

 「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」について、「提出する必要がある方」と「支払調書の提出範囲」が手引きに記載されています。

出所:国税庁ホームページ

 上記1と同様に、15万円という金額を基準に支払調書の提出範囲を判定することが記載されています。
 また、提出する必要がある方についても、次のように記載されています(太字と下線は筆者による)。

 令和7年中に不動産、不動産の上に存する権利、船舶(総トン数20トン以上のものに限ります。)、航空機の売買又は貸付けのあっせん手数料(以下これらの手数料を「不動産売買等のあっせん手数料」といいます。)の支払をする法人(国、都道府県等の公法人や人格のない社団等を含みます。)不動産業者である個人(主として建物の賃貸借の代理や仲介を目的とする事業を営んでいる方を除きます。)の方です。

 上記文言から明らかなように、支払調書を提出しなければならないのは、端的にいうと、法人と不動産業者である個人です。

 したがって、例えば、飲食店を営む個人事業者が、店舗を借りる際に不動産業者に15万円を超える仲介手数料を支払ったとしても、その個人事業者は「不動産等の売買又は貸付けのあっせん手数料の支払調書」を提出する必要はありません。

3.まとめ

 今回は、個人事業者が個人に対して家賃を支払った場合に、その個人事業者が支払調書を提出する必要があるのか否かについて確認しました。
 また、個人事業者が店舗等を借りる際に仲介手数料を支払った場合に、その個人事業者が支払調書を提出する必要があるのか否かについても確認しました。

 いずれの場合も、家賃や仲介手数料の金額の多寡にかかわらず、個人事業者は支払調書を提出する必要はありません。
 
 不動産業者である個人事業者で不動産の売買等を主な業務としている場合は、15万円という金額を基準として支払調書の提出の要否を判定します。

※ 関連記事:「『不動産の使用料等の支払調書』の注意事項」、「『不動産の使用料等の支払調書』に定額の水道代・電気代は含まれるか?」、「返還されない敷金・保証金と『不動産の使用料等の支払調書』」、「支払調書の提出の要否で迷いやすいケース

個人の申告漏れ所得金額が高額な上位10業種(令和6事務年度)

 国税庁は2025(令和7)年12月に、2024(令和6)事務年度(令和6年7月~令和7年6月)における「所得税及び消費税調査等の状況」を報道発表資料として公表しました。

 以下では、2024(令和6)事務年度について、所得税の調査等の状況と事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種についてみていきます。

1.所得税の調査等の状況

 国税庁の公表資料によると、調査の選定にAIを活⽤するなどして効率的に調査を⾏った結果、追徴税額の総額は、前事務年度に引き続き過去最高を記録しています。

 「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた「調査等」の合計件数は、73万6千件(対前年比121.7%)で、そのうち申告漏れ等の⾮違があった件数は36万9千件(同118.5%)となっています。

 「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた「調査等」による申告漏れ所得⾦額は、9,317億円(同93.5%)となっています。

 「実地調査」と「簡易な接触」を合わせた「調査等」による追徴税額は、1,431億円(同102.4%)と、過去最⾼となっています。

  実地調査 簡易な接触 調査等合計
特別・一般 着眼
調査等件数(件) 36,404(98.1%) 10,492(100.5%) 46,896(98.7%) 689,440(123.7%) 736,336(121.7%)
申告漏れ等の非違件数(件) 32,001(97.9%) 7,177(96.4%) 39,178(97.6%) 329,549(121.5%) 368,727(118.5%)
申告漏れ所得金額(億円) 5,411(106.5%) 404(92.9%) 5,815(105.4%) 3,502(78.7%) 9,317(93.5%)
追徴税額(億円) 1,090(107.0%) 42(89.4%) 1,132(106.2%) 299(90.1%) 1,431(102.4%)
1件当たり追徴税額(万円) 299(108.7%) 40(88.9%) 241(107.6%) 4(66.7%) 19(82.6%)

(備考)
(1) 上表のカッコ内の数字は、対前年比の割合を示しています。

(2) 実地調査(特別調査・一般調査)とは、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に深度ある調査を行うもので、特に、特別調査は、多額な脱漏が見込まれる個人を対象に、相当の日数(1件当たり10日以上を目安)を確保して実施しているものです。

(3) 実地調査(着眼調査)とは、資料情報や申告内容の分析の結果、申告漏れ等が見込まれる個人を対象に実地に臨場して短期間で行う調査です。

(4) 簡易な接触とは、原則、納税者宅等に臨場することなく、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接を行い、申告内容を是正するものです。

2.直近5年間の申告漏れ所得金額が高額な上位10業種

 国税庁は、公表している「所得税及び消費税調査等の状況」の中で、「参考計表」として「事業所得を有する個人の1件当たりの申告漏れ所得金額が高額な上位10業種」を挙げています。
 
 2024(令和6)事務年度(令和6年7月~令和7年6月)から2020(令和2)事務年度(令和2年7月~令和3年6月)までの直近5事務年度における上位10業種は、以下のとおりです。

順位 R6 R5 R4 R3 R2
1 キャバクラ 経営コンサルタント 経営コンサルタント 経営コンサルタント プログラマー
2 眼科医 ホステス、ホスト くず金卸売業 システムエンジニア 畜産農業(肉用牛)
3 ホステス、ホスト コンテンツ配信 ブリーダー ブリーダー 内科医
4 経営コンサルタント くず金卸売業 焼肉 商工業デザイナー キャバクラ
5 太陽光発電 ブリーダー タイル工事 不動産代理仲介 太陽光発電
6 バー 焼き鳥 冷暖房設備工事 外構工事 建築士
7 コンテンツ配信 太陽光発電 鉄骨、鉄筋工事 型枠工事 経営コンサルタント
8 ブリーダー 内科医 太陽光発電 機械部品受託加工 小売業・犬
9 スナック スナック バー 一般貨物自動車運送 不動産代理仲介
10 システムエンジニア 西洋料理 電気通信工事 司法書士、行政書士 商工業デザイナー

※ 上記調査事績は、特別調査及び一般調査に基づく実施結果です。

令和7年12月に給与・賞与の支給がない従業員の年末調整は旧法令で行います

 2025(令和7)年度税制改正において、物価上昇局面における税負担の調整や就業調整対策の観点から、以下の所得税の改正が行われました。

(1) 基礎控除の引き上げ※1
(2) 給与所得控除の引き上げ※1
(3) 特定親族特別控除の創設※2
(4) 扶養親族等の所得要件の引き上げ※3

 これらの改正は、原則として2025(令和7)年12月1日に施行され、2025(令和7)年分以後の所得税から適用されます。

 したがって、上記(1)~(4)の改正は、2025(令和7)年11月までに支給する給与の源泉徴収事務には影響がなく、同年12月に行う年末調整で適用されることになります。

 具体的には、(1)については、改正後の基礎控除額に基づいて1年間の税額を計算し、改正前の「源泉徴収税額表」によって計算した源泉徴収税額との精算を行います。

 (2)については、改正後の「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に基づいて1年間の税額を計算し、改正前の「源泉徴収税額表」によって計算した源泉徴収税額との精算を行います。

 (3)については、年末調整で特定親族特別控除の適用を受けようとする人から、「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出してもらう必要があります。

 (4)については、12月1日以後に支給する給与から適用し、この改正により扶養親族等の要件を満たすこととなった親族等に係る扶養控除等の適用を受ける人から「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出してもらう必要があります。

 このように、12月に行う年末調整においては、令和7年度税制改正による改正後の「基礎控除」、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」、「特定親族特別控除」及び「扶養親族等の所得要件」(以下「新法令」といいます)が適用されることになります。

 ここで注意を要するのは、年末調整は、給与の支払者がその年最後に給与の支払をする際に行うこととされている点です。

 そのため、令和7年11月30日までに死亡退職した人、退職はしていませんが12月に給与・賞与の支給がなかったアルバイト・パートの人や休職中の正規社員、海外の支店等への転勤などにより非居住者となり居住者としての給与・賞与の支給が12月になかった人などの年末調整においては、新法令は適用されません。

 この場合は、改正前の旧法令により年末調整を行うこととなりますのでご注意ください(例えば、年末調整の対象となる給与収入2,000万円以下の人の基礎控除額は48万円となります)。

 なお、新法令(改正後の控除等)の適用を受けることができなかった人が新法令の適用を受けるためには、確定申告をする必要があります。

※1 基礎控除・給与所得控除の改正については、「基礎控除・給与所得控除の引き上げと源泉徴収事務・年収の壁への影響(令和7年度税制改正)」をご参照ください。

※2 特定親族特別控除の創設については、「特定親族特別控除の創設と源泉徴収事務への影響(令和7年度税制改正)」をご参照ください。

※3 扶養親族等の所得要件の改正については、「扶養親族等の所得要件・住宅借入金等特別控除・生命保険料控除の見直し(令和7年度税制改正)」をご参照ください。

中小企業者等の賃上げ促進税制に係る別表六の書き方と記載例《令和6年4月1日~令和9年3月31日開始事業年度》

 中小企業向け賃上げ促進税制は、青色申告書を提出している中小企業者等が、前年度より給与等の支給額を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です

 以下では、中小企業者等が賃上げ促進税制の適用を受けるときに作成する別表6(24)、別表6(24)付表1、別表6(6)、別表6(6)付表の書き方と記載例を確認します。

※ 賃上げ促進税制の詳細については、「中小企業者等の賃上げ促進税制《令和6年4月1日~令和9年3月31日開始事業年度》」をご参照ください。

1.設例

 以下の説例を用いて、2024(令和6)年4月1日~2027(令和9)年3月31日開始事業年度における別表6の記載上のポイントと記載例を確認します。

【設例】
業種:自動車修理業(青色申告法人)
前期:2024(令和6)年2月1日~2025(令和7)年1月31日
前期の従業員給与支給額:12,880,000円(うち代表者の家族分960,000円)
当期:2025(令和7)年2月1日~2026(令和8)年1月31日
当期の従業員給与支給額:16,570,000円(うち代表者の家族分1,080,000円)
その他:(前期・当期ともに)教育訓練費なし、くるみん認定等なし、雇用安定助成金等なし、賃上げ促進税制以外の特別控除制度の適用なし

2.別表六(二十四)付表一の書き方と記載例

 まず、別表6(24)付表1から記載します。記載上のポイントは次のとおりです。

(1) 1欄(国内雇用者に対する給与等の支給額)には、当期(適用を受ける事業年度)の従業員給与支給額を記載します。
 当期の従業員給与支給額16,570,000円のうち、役員の特殊関係者である代表者の家族分1,080,000円を除いた15,490,000円を記載します。

(2) 助成金等は受給していませんので、2欄と3欄は記載不要です。その結果、4欄と5欄には、1欄と同額の15,490,000円を記載します。

(3) 7欄(国内雇用者に対する給与等の支給額)には、前期(適用を受ける事業年度の前事業年度)の従業員給与支給額を記載します。
 前期の従業員給与支給額12,880,000円のうち、役員の特殊関係者である代表者の家族分960,000円を除いた11,920,000円を記載します。

(4) 10欄には、分子に当期(適用年度)の月数、分母に前期(前事業年度)の月数を記載します。
 今回の設例では前期・当期ともに月数は12か月ありますので、分子・分母ともに12を記載します。その結果、11欄と12欄には11,920,000円×12/12=11,920,000円を記載します。

 もし、前期と当期で事業年度の月数が異なる場合は要注意です。例えば、前期が創業第1期で月数が11か月だった場合は、10欄の分母は11となります。その結果、11欄と12欄には11,920,000円×12/11=13,003,636円を記載します(前期と当期で事業年度の月数が異なる場合の調整計算の詳細については、「賃上げ促進税制における1月未満の端数の取扱い」をご参照ください)。

(5) 当期分の25欄(前期繰越額又は当期税額控除限度額)と26欄(当期控除可能額)は、別表6(24)で算出した34欄と37欄の金額を記載します(下記3(10)参照)。

3.別表六(二十四)の書き方と記載例

 次に別表6(24)を記載します。記載上のポイントは次のとおりです。

(1) 4欄(雇用者給与等支給額)には、別表6(24)付表1の4欄の金額を転記します。

(2) 5欄(比較雇用者給与等支給額)には、別表6(24)付表1の11欄の金額を転記します。

(3) 6欄(雇用者給与等支給増加額)には、4欄の15,490,000円から5欄の11,920,000円を引いた3,570,000円を記載します。

(4) 7欄(雇用者給与等支給増加割合)には、6欄の3,570,000円を5欄の11,920,000円で割った0.2994を記載します。

(5) 8欄・9欄・10欄についても、4欄・5欄・6欄と同様の手順で記載します。

(6) 20欄(控除対象雇用者給与等支給増加額)には、6欄と10欄のうち少ない金額を記載します。今回の説例では、22欄(差引控除対象雇用者給与等支給増加額)も20欄と同額を記載します。

(7) 31欄は、適用要件(税額控除率の上乗せ要件)に関する欄です。7欄(雇用者給与等支給増加割合)が0.2994≧2.5%となったことから、通常の税額控除率15%にさらに15%が上乗せされますので、31欄には0.15と記載します。

(8) 34欄(中小企業者等税額控除限度額)には、上記(7)の結果より税額控除率は30%になりますので、22欄の3,570,000円×30%=1,071,000円を記載します。

(9) 35欄(調整前法人税額)には、別表1の2欄の金額を転記します。

(10) 36欄(当期税額基準額)には、35欄の2,633,064円×20/100=526,612円を記載します。
 賃上げ促進税制による税額控除額は法人税額の20%が上限となりますので、その制限を受けるかどうかをここで計算します。

 今回の説例では、上記(8)の34欄で算出した1,071,000円が最大の税額控除額ですが、法人税額の20%である526,612円が上限となるため、37欄(当期税額控除可能額)には526,612円と記載します。

 34欄の1,071,000円を別表6(24)付表1の25欄に、37欄の526,612円を別表6(24)付表1の26欄にそれぞれ転記し、別表6(24)付表1の27欄(翌期繰越額)に1,071,000円-526,612円=544,388円を記載します。

4.別表六(六)の書き方と記載例

 次に、別表6(6)を記載します。記載上のポイントは次のとおりです。

(1) 1欄(当期税額控除可能額)には、7欄(当期税額控除可能額)の合計526,612円を記載します。

(2) 2欄(調整前法人税額)には、別表1の2欄の金額を転記します。

(3) 4欄(当期税額基準額)には、2欄の2,633,064円から3欄の0円を引いた金額に90/100を掛けて、(2,633,064円-0円)×90/100=2,369,757円と記載します。

 法人が税額控除の適用を受ける場合、税額控除額は調整前法人税額の90%が限度となりますので、その制限を受けるかどうかをここで計算します。

(4) 5欄(法人税額の特別控除額)には、1欄と4欄のうち少ない金額の526,612円を記載します。
 この526,612円を、別表1の3欄に転記します。

(5) 6欄(調整前法人税額超過額)には、今回の設例では0円(1欄526,612円-(5欄526,612円-3欄0円)=0円)と記載します。

5.別表六(六)付表の書き方と記載例

 今回の設例では、別表6(6)の6欄(調整前法人税額超過額)が0円になりましたので、別表6(6)付表2欄に記載する金額はありません。
 
 また、賃上げ促進税制における5年間の繰越税額控除制度(賃上げを実施した年度に控除しきれなかった金額について、翌年度以降に5年間の繰り越しが可能)は、2024(令和6)年4月1日から開始する事業年度に適用されます。

 したがって、今回の設例の会社が、前期(令和6年2月1日~令和7年1月31日)も賃上げ促進税制の適用を受けていて控除しきれない金額があったとしても、その金額を当期(令和7年2月1日~令和8年1月31日)に繰り越すことはできません。

 そのため、前期繰越分に係る当期税額控除可能額がないことから、今回の設例における別表6(6)付表の記載例は上図のようになります(記載する金額はありません)。

未払の給与は年末調整の対象となるか?

 年末調整を行うにあたっては、いつからいつまでの給与が対象になるのかを確認しなければなりません。

 例えば、給与計算期間が前月の21日から当月の20日までで支給日が当月の25日の場合は、1月25日支給分から12月25日支給分までの給与が年末調整の対象となります。

 また、給与計算期間が当月の1日から当月の31日(月末)までで支給日が翌月の10日の場合は、1月10日支給分から12月10日支給分までの給与が年末調整の対象となります。
 このとき、給与計算期間が12月1日から12月31日までで支給日が翌年の1月10日である給与は、本年の年末調整の対象とはなりません※1

 つまり、年末調整の対象となる給与は、給与計算期間ではなく支給日で判断するということです※2

 では、支給日が到来しているにもかかわらず、何らかの理由(例えば資金繰りなどの都合)で未払となっている給与がある場合、その未払となっている給与は年末調整の対象となるのでしょうか?

 年末調整は、その年最後に給与を支払うときまでに「給与所得者の扶養控除等申告書※3」を提出している一定の人について行います。

 年末調整の対象となる給与は、その年の1月1日から12月31日まで(年の中途で死亡により退職した人等については、その退職等の時まで)の間に支払うことが確定した給与です。

 そのため、実際に支払ったかどうかに関係なく未払の給与もその年の年末調整の対象となります。
 したがって、支給日が到来しているにもかかわらず未払となっている給与がある場合は、その未払となっている給与も含めて年末調整を行います。

 逆に、前年に未払になっている給与を今年になって支払っても、その支払った年の年末調整の対象となる給与には含まれませんのでご注意ください。

※1 翌月払いの給与の年末調整については、「翌月に支給する給与は年末調整の対象となるか?」をご参照ください。

※2 年末調整は、本年中に支払の確定した給与、すなわち給与の支払を受ける人にとっては収入の確定した給与の総額について行います。
 この場合の収入の確定する日(収入すべき時期)は、契約または慣習により支給日が定められている給与についてはその支給日、支給日が定められていない給与についてはその支給を受けた日をいいます(所得税基本通達36-9(1))。

※3 扶養控除等申告書の書き方と記載例については、「令和7年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方と記載例」をご参照ください。