防衛特別所得税の創設と源泉徴収事務(令和8年度税制改正)

 2026(令和8)年度税制改正により、新たに「防衛特別所得税」が創設され、同時に、東日本大震災の復興財源として課されてきた復興特別所得税の税率が引き下げられ、期間が延長されました。

 これらの改正は、いずれも2027(令和9)年1月以後に支払われる報酬料金や給与等から適用されます。

 以下では、新設された防衛特別所得税と改正された復興特別所得税について確認します。

1.防衛特別所得税とは

 新設された防衛特別所得税は、所得税の源泉徴収義務者が所得税を徴収する際に、源泉徴収すべき所得税の額の1%を追加で徴収する仕組みで、その所得税の法定納期限までに、その所得税および復興特別所得税と併せて国に納付しなければならないものです。

 対象となるのは、給与・報酬・利子・配当など、通常の源泉徴収の対象となる所得です。

2.復興特別所得税の見直し

 復興特別所得税については、次の2点が変更されています。

  改正前 改正後
税率 2.1% 1.1%
課税期間 令和19年12月31日まで 令和29年12月31日まで

3.合計税率は2.1%で変わらない

 今回の改正のポイントは、 防衛特別所得税(1%)+復興特別所得税(1.1%)=合計2.1% となり、改正前と合計税率は同じという点です。

 そのため、源泉徴収税額の計算方法自体は、これまでと変わりません。

4.報酬料金の源泉徴収

 報酬料金から源泉徴収すべき所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税の額は、次のとおりです。

源泉徴収税額※1=支払金額等×合計税率(%)※2

※1 算出した源泉徴収税額に1円未満の端数があるときは、その端数を切り捨てます。

※2 合計税率は、所得税率(%)×102.1%で算出します。所得税率に応じた合計税率は、具体的には次のようになります。

所得税率(%) 5 10 15 16 18 20
合計税率(所得税率(%)×102.1%) 5.105 10.21 15.315 16.336 18.378 20.42

 例えば、報酬料金として888,888円を支払った場合(所得税率を10%とします)の源泉徴収税額は、888,888円(支払金額)×10.21%(合計税率)=90,755.4648円(算出税額)→90,755円(1円未満切り捨て)となります。

5.給与等の源泉徴収と年末調整

 給与や賞与については、2027(令和9)年分の新しい源泉徴収税額表に基づき、所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税の合計額を徴収します。

 年末調整も同様に、 年調所得税額 × 102.1% で計算した合計額で精算します。

※ 令和9年分の源泉徴収税額表は、令和8年8月末頃に国税庁ホームページに掲載される予定です。