1.法人と個人で異なる経理処理
2018年分(平成30年分)の確定申告から新規に関与先となった個人事業主の方から、前年の確定申告書を見せていただきました。前年まではその方のお父さんが確定申告(事業所得)をされていたのですが、ご高齢のため会計事務所に依頼したとのことでした。
確定申告書以外に出納帳等も見せていただいたのですが、ご自身が加入されている日本フルハップの会費の全額を必要経費に算入されていることに気づきました。
法人の場合は、会費(加入者1名につき月額1,500円)の全額を損金算入することができるのですが、個人事業の場合は、加入者が誰であるかにより経理処理が異なります。
2.会費の経理処理
日本フルハップの会費は指定の信用金庫の口座から自動振替されますが、その経理処理は以下のようになります。
(1) 法人事業所(振替口座は法人名義)の場合
→全額損金に計上します(勘定科目は「諸会費」等)
(2) 個人事業所(振替口座は事業主名義)の場合
① 事業主及び事業主と生計を一にする配偶者その他の親族が加入者の場合
→保険料相当部分(852円)は事業主個人の負担となり(勘定科目は「事業主貸」等)、保険料相当部分以外(648円)は必要経費に算入します(勘定科目は「諸会費」等)
② その他の加入者の場合
→全額必要経費に算入します(勘定科目は「諸会費」等)
なお、消費税については、法人・個人ともに同じ扱いになり、会費に消費税は含まれません(保険料相当部分は非課税、保険料相当部分以外は不課税)。
2013年(平成25年)4月以降の会費から、上記のように変わっていますので、ご注意ください。