滞納していた国民健康保険料・国民年金保険料と延滞金は社会保険料控除の対象となるか?

 個人事業者が、自分や家族(同一生計)の分の国民健康保険料(税)や国民年金保険料を支払った場合は、その支払った金額について、確定申告の際に社会保険料控除を受けることができます。

 給与所得者が、給与から差し引かれた健康保険料や厚生年金保険料以外に、自分や家族(同一生計)の分の国民健康保険料(税)や国民年金保険料を支払った場合も、その支払った金額について、年末調整や確定申告の際に社会保険料控除を受けることができます。

 では、滞納していた前年分以前の国民健康保険料(税)や国民年金保険料及びその延滞金を支払った場合は、その支払った金額について社会保険料控除を受けることができるのでしょうか?

 今回は、この点について確認します。

1.滞納分の国民健康保険料・国民年金保険料を支払った場合

 社会保険料控除を受けることができる金額は、その年に実際に支払った金額または給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。

 したがって、前年以前の滞納分(過去の未納分)の保険料を支払った場合は、その支払った年においてその全額について社会保険料控除を受けることができます。

 国民健康保険料(税)について年末調整や確定申告で社会保険料控除を受ける場合は、原則として領収証書や納付証明書類を添付する必要はありません(これは滞納分であったとしても同じです)。

 一方、国民年金保険料について年末調整や確定申告で社会保険料控除を受ける場合は、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」の添付が必要です(家族の国民年金保険料も支払っている場合は、家族の控除証明書も必要です)。

 滞納分の保険料を追加で支払うなどした場合に、実際に支払った金額が控除証明書の証明欄にある「①納付済額」や「②見込額」以上になることがあります。

 この場合は、12月31日までに支払った保険料の全額が支払った年の社会保険料控除の対象となりますので、控除証明書の①納付済額(②見込額がある場合は、③合計額)に追加で支払った保険料の金額を合算し、控除証明書に加えて、追加で支払った保険料の領収証書を添付して申告を行ってください。

※ 「②見込額」とは、11月発送の控除証明書を作成した時点の納付方法で、引き続き、12月31日まで納付した場合の納付見込額が表示されています。2月発送の対象者は、納付済額が確定しているため、見込額欄はありません。

2.延滞金を支払った場合

 滞納分の国民健康保険料(税)・国民年金保険料を支払った場合は、その全額がその支払った年において社会保険料控除の対象となります。

 しかし、滞納分の保険料に係る延滞金は社会保険料控除の対象となりませんので、延滞金については社会保険料控除を受けることはできません。

※ 法人の場合の社会保険料の延滞金については、「社会保険料の延滞金は損金算入できます」をご参照ください。

令和7年分基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除申告書の書き方と記載例

 2025(令和7)年度税制改正において、所得税の基礎控除と給与所得控除の見直し、特定親族特別控除の新設が行われました。

 この税制改正に伴い、令和7年分の年末調整の際に会社に提出する次の書類の様式が変更・追加されていますので、注意が必要です。

・給与所得者の基礎控除申告書
・給与所得者の配偶者控除等申告書
・給与所得者の特定親族特別控除申告書
・所得金額調整控除申告書

 これらの各申告書は、下図のように4つが一体の書式になって、1つの書類にまとめられています。

 以下では、令和7年度税制改正を踏まえて、令和7年分基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除申告書の書き方を確認します。

 なお、令和7年分扶養控除等(異動)申告書については様式に変更はありませんが、改正内容に留意した書き方をしなければなりません。令和7年分扶養控除等(異動)申告書については、「令和7年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方と記載例」をご参照ください。

1.氏名、住所などの記入

(1) 所轄税務署長
 給与の支払者(勤務先)の所在地等の所轄税務署長を記入します。

(2) 給与の支払者の法人番号
 この申告書を受理した給与の支払者が、給与の支払者の法人番号を付記しますので、あなた(給与所得者)が記入する必要はありません。

2.給与所得者の基礎控除申告書の記入

(1) あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算
 給与所得については、令和7年中の給与の収入金額(給与を2か所以上から受けている場合は、その合計額)の見積額を「収入金額」欄に記入し、その給与の収入金額を基に下表を使用して「所得金額」を計算します。

給与の収入金額(A) 給与所得の金額
1円以上    650,999円以下 0円
651,000円以上 1,899,999円以下 A-650,000円
1,900,000円以上 3,599,999円以下 A÷4(千円未満切捨て)…B
B×2.8-80,000円
3,600,000円以上 6,599,999円以下 A÷4(千円未満切捨て)…B
B×3.2-440,000円
6,600,000円以上 8,499,999円以下 A×0.9-1,100,000円
   8,500,000円以上 A-1,950,000円

 ただし、所得金額調整控除の適用を受ける人は、上の表に従って求めた給与所得の金額から所得金額調整控除の控除額を差し引いた額を記入してください。
 所得金額調整控除の額の計算方法は、次のとおりです(①②の両方がある場合は、その合計額)。
① (給与の収入金額※1-850万円)×10%
 ※1 1,000万円を超える場合は1,000万円
② 給与所得控除後の給与等の金額※2+公的年金等に係る雑所得の金額※2-10万円
 ※2 10万円を超える場合は10万円

 例えば、給与の収入金額が8,970,000円の場合、上の表より給与所得の金額は8,970,000円-1,950,000円=7,020,000円と計算されますが、所得金額調整控除の額(8,970,000円-8,500,000円)×10%=47,000円を差し引いた6,973,000円を「所得金額」欄に記入します。

(2) 控除額の計算
 上記(1) の「あなたの本年中の合計所得金額の見積額の計算」の表で計算した合計額を基に「判定」欄の該当箇所に✓を付け、判定結果に対応する控除額を「基礎控除の額」欄に記入します。

(3) 区分Ⅰ
 配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けようとする人は、「控除額の計算」の「判定」欄の判定結果に対応する記号(A~C)を記入します。

3.給与所得者の配偶者控除等申告書の記入

(1) 配偶者の氏名、個人番号など
 一定の要件の下、個人番号の記載を要しない場合がありますので、給与の支払者に確認してください(本ブログ記事「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書のマイナンバー記載を省略する方法」をご参照ください)。
 また、配偶者が非居住者である場合には、「非居住者である配偶者」欄に○を付け、「生計を一にする事実」欄にその年に送金等をした金額の合計額を記入します。この場合、親族関係書類及び送金関係書類の添付等が必要ですが、親族関係書類については、扶養控除等(異動)申告書を提出した際に添付等をしているときは必要ありません。

(2) 配偶者の本年中の合計所得金額の見積額の計算
 上記 2.(1)を参考に、配偶者の収入金額、所得金額を記入して下さい。例えば、給与収入の見積額が1,190,000円の場合には、所得金額は1,190,000円-650,000円=540,000円となります。

(3) 判定及び区分Ⅱ
 上記3.(2)で計算した合計所得金額及び配偶者の生年月日を基に、「判定」欄の該当箇所に✓を付け、判定結果に対応する記号(①~④)を「区分Ⅱ」欄に記入します。

(4) 控除額の計算
 「控除額の計算」の表に基礎控除申告書の区分Ⅰの判定結果(A~C)とこの申告書の区分Ⅱの判定結果(①~④)を当てはめ、配偶者控除額又は配偶者特別控除額を求めます。

(5) 配偶者控除の額又は配偶者特別控除の額
 区分Ⅱが①又は②の場合は「配偶者控除の額 」欄に、区分Ⅱが③又は④の場合は「 配偶者特別控除の額 」欄に、「控除額の計算」の表で求めた配偶者控除額又は配偶者特別控除額を記入します。

4.給与所得者の特定親族特別控除申告書の記入(新設)

(1) 特定親族の氏名、個人番号など
 「特定親族」とは、あなたと生計を一にする年齢19歳以上23歳未満(平成15年1月2日~平成19年1月1日生)の親族(里子を含み、配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます)で、合計所得金額が58万円超123万円以下である人をいいます。
 特定親族が非居住者である場合には、「非居住者である特定親族」欄に○を付け、「生計を一にする事実」欄に送金額等を記載します。この場合、親族関係書類及び送金関係書類の添付等が必要ですが、親族関係書類については、扶養控除等(異動)申告書を提出した際に添付等をしているときは、必要ありません。

(2) 特定親族の本年中の合計所得金額の見積額の計算
 上記2.(1)を参考に、特定親族の収入金額、所得金額を記入して下さい。例えば、給与収入の見積額が1,290,000円の場合には、所得金額は1,290,000円-650,000円=640,000円となります。

(3) 特定親族特別控除の額
 「控除額の計算」の表に特定親族の本年中の合計所得金額の見積額を当てはめ、対応する控除額を「特定親族特別控除の額」欄に記載します。例えば、合計所得金額が640,000円の場合は「58万円超85万円以下」の区分に該当しますので、特定親族特別控除の額は63万円となります。

※ 特定親族特別控除の詳細については、「特定親族特別控除の創設と源泉徴収事務への影響(令和7年度税制改正)」をご参照ください。

5.所得金額調整控除申告書の記入

(1) 要件
 該当する要件に✓を付けます。複数の項目に該当する場合は、いずれか1つを選んで✓を付けます。
 「特別障害者」とは、障害者のうち身体障害者手帳に身体上の障害の程度が一級又は二級である者として記載されている人など、精神又は身体に重度の障害のある人をいいます。
 「同一生計配偶者」とは、あなたと生計を一にする配偶者(青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます)で、令和7年中の合計所得金額の見積額が58万円以下の人をいいます。
 「扶養親族」とは、あなたと生計を一にする親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます)で、令和7年中の合計所得金額の見積額が58万円以下の人をいいます。 なお、児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子や老人福祉法の規定により養護を委託されたいわゆる養護老人で、あなたと生計を一にし、令和7年中の合計所得金額の見積額が58万円以下の人も扶養親族に含まれます。

(2) ☆扶養親族等
 「要件」欄で「同一生計配偶者が特別障害者」、「扶養親族が特別障害者」、「扶養親族が年齢23歳未満」の項目に✓を付けた場合、その要件に該当する同一生計配偶者又は扶養親族の氏名、個人番号及び生年月日等を記入します。
 なお、「扶養親族が特別障害者」、「扶養親族が年齢23歳未満」の項目に✓を付けた場合でその扶養親族が2人以上いる場合は、いずれか1人の氏名、個人番号及び生年月日を記入します(扶養親族が年齢23歳未満の場合については、「所得金額調整控除における『23歳未満の扶養親族』とは?」をご参照ください)。
 また、 一定の要件の下、個人番号の記載を要しない場合がありますので、給与の支払者に確認してください (上記3.(1)参照)。

(3) ★特別障害者
 「特別障害者に該当する事実」欄には、障害の状態又は交付を受けている手帳などの種類と交付年月日、障害の程度(障害の等級)などの特別障害者に該当する事実を記入します。
 なお、特別障害者に該当する人が「扶養控除等(異動)申告書」に記載している特別障害者と同一である場合には、特別障害者に該当する事実の代わりに「扶養控除等申告書のとおり」と記載することも認められています。

※所得金額調整控除については、本ブログ記事「令和2年分から適用される基礎控除の改正と所得金額調整控除の新設」をご参照ください。

令和7年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方と記載例

 年末調整では、勤務先に扶養控除等申告書をはじめとする各種申告書を提出することで、いろいろな控除を受けることができます。
 
 令和7年分扶養控除等申告書は今年(令和7年)の1月から支払われる給与の計算や年末調整に使用するため、勤務先に提出します※1

 令和7年分扶養控除等申告書は昨年(令和6年)の年末調整時に提出済み、途中入社の方は入社時に提出するものと思われますが、今年(令和7年)の年末調整時に異動事項(結婚や出産により扶養者が増えた等)の有無を確認するため、勤務先より再度配布されます。

 令和7年分の年末調整は、令和7年度税制改正※2で給与所得控除や基礎控除の引き上げ、特定親族特別控除の創設等が行われたことにより、申告書の様式や所得の計算方法等が変わりましたので、例年に比べて複雑になると思われます※3

 令和7年分扶養控除等申告書については、様式の改定は予定されていませんが、税制改正の影響で記入にあたっては注意を要する箇所もあります。
 以下で、令和7年分扶養控除等申告書の書き方について確認します(税制改正部分は赤文字で表示しています)。

※1 令和7年1月1日以後に支給される給与等について提出する「令和7年分給与所得者の扶養控除等申告書」及び「令和7年分従たる給与についての扶養控除等申告書」に「簡易な申告書」が創設されました。詳細については、「簡易な扶養控除等申告書とは?」をご参照ください。

※2 令和7年度税制改正については、「令和7年度税制改正で年収の壁はこのように変わった!」をご参照ください。

※3 令和7年分基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除申告書の書き方については、「令和7年分基礎控除・配偶者控除等・特定親族特別控除・所得金額調整控除申告書の書き方と記載例」をご参照ください。

1.氏名、住所などの記入

(1) 所轄税務署長等
 給与の支払者(勤務先)の所在地等の所轄税務署長とあなた(給与所得者)の住所地等の市区町村長を記載します。

(2) 給与の支払者の法人(個人)番号
 この申告書を受理した給与の支払者が、給与の支払者の個人番号又は法人番号を付記します。給与の支払者が法人の場合は、給与の支払者の法人番号をあらかじめ記載(印字)して、給与所得者に配付しても差し支えありません。

(3) あなたの個人番号
 あなたの個人番号を記載する必要がありますが、一定の要件の下、個人番号の記載を要しない場合がありますので、給与の支払者に確認してください。

※一定の要件については、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」のマイナンバー記載を省略する方法」をご参照ください。

(4) あなたの住所又は居所
 令和7年分は、令和7年12月31日時点の住所を記載します(給与の支払者の指示に従ってください)。令和8年分は、令和8年1月1日時点の住所を記載します。

(5) 配偶者の有無
 ここでいう配偶者とは、一定の要件を満たす必要のある源泉控除対象配偶者のことではありません。単に配偶者がいれば「有」に○、いなければ「無」に○を付けます。

(6) 従たる給与についての扶養控除等申告書の提出
 2か所以上から給与の支払を受けている人が、他の給与の支払者に「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している場合に◯を付けます。

※ 従たる給与についての扶養控除等申告書については、「『従たる給与についての扶養控除等申告書』とは?」をご参照ください。

2.源泉控除対象配偶者、控除対象扶養親族の記入

(1) 源泉控除対象配偶者
 配偶者が「源泉控除対象配偶者」となるには、以下の要件を満たす必要があります。

① あなたの所得金額※1が900万円以下である(給与収入のみならば年収1,095万円以下)
② 配偶者の所得金額※1が95万円以下である(給与収入のみならば年収160万円以下※2
③ あなたと生計を一にする配偶者である※3
④ 青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者のいずれにも該当しない

 上記4要件を満たす場合は、配偶者の情報を記入します。なお、年末調整において配偶者(特別)控除の適用を受けるには、この欄の記載の有無に関わらず「給与所得者の配偶者控除等申告書」の提出が必要です。

※1 ここでいう所得金額は合計所得金額です(以下、同じ)。合計所得金額については、「『合計所得金額』『総所得金額』『総所得金額等』の違いとは?」をご参照ください。

※2 所得要件は95万円以下で変更はありませんが、令和7年度税制改正で給与所得控除の最低保障額が10万円引き上げられて65万円になったことに伴い、給与収入のみの場合は従前の年収150万円以下から年収160万円以下に変わりました。

※3 「生計を一にする」については、「所得控除における『生計を一にする』の判定基準」をご参照ください。
 
(2) 控除対象扶養親族
 親族が「控除対象扶養親族」となるには、以下の要件を満たす必要があります(①~③は扶養親族の要件)。

① 親族の所得金額が58万円以下である(給与収入のみならば年収123万円以下)※1
② あなたと生計を一にする親族である
③ 配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者のいずれにも該当しない
④ 居住者のうち、年齢16歳以上である人(平成22年1月1日以前生)
⑤ 非居住者※2のうち、次のイ~ハのいずれかに該当する人
イ 年齢16歳以上30歳未満の人(平成8年1月2日から平成22年1月1日までの間に生まれた人)
ロ 年齢70歳以上の人(昭和31年1月1日以前に生まれた人)
ハ 年齢30歳以上70歳未満の人(昭和31年1月2日から平成8年1月1日までの間に生まれた人)のうち、「留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人」、「障害者」又は「あなたから令和7年中において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受ける人」

 上記の要件(①~④又は①~③⑤)を満たす場合は、親族の情報を記入します。なお、児童福祉法の規定により養育を委託されたいわゆる里子や老人福祉法の規定により養護を委託されたいわゆる養護老人で、あなたと生計を一にし、令和7年中の合計所得金額の見積額が58万円以下の人も扶養親族に含まれます※1

※1 令和7年度税制改正で、申告書に記載する「扶養親族」、「同一生計配偶者」、「ひとり親控除を受ける場合の生計を一にする子」の範囲が変わりました。これまでは、所得の見積額が48万円以下(給与収入のみならば年収103万円以下)の場合に記載していましたが、令和7年分からは、所得の見積額が58万円以下(給与収入のみならば年収123万円以下)の場合に記載します。

※2 「非居住者」とは、国内に住所を有せず、かつ、現在まで引き続いて1年以上国内に居所を有しない個人をいいます。

(3) 個人番号
 源泉控除対象配偶者及び控除対象扶養親族の個人番号を記載する必要がありますが、一定の要件の下、個人番号の記載を要しない場合がありますので、給与の支払者に確認してください(上記1.(3)参照)。

(4) 老人扶養親族
 控除対象扶養親族が年齢70歳以上(昭和31年1月1日以前生)の場合には、次のとおりいずれかに✓を付けます。

① その人があなた又はあなたの配偶者の直系尊属で、あなた又はあなたの配偶者のいずれかと同居を常況としている人であるとき→「同居老親等」に✓を付けます。
② その人が①以外の人であるとき →「その他」に✓を付けます。

(5) 特定扶養親族
 控除対象扶養親族が年齢19歳以上23歳未満(平成15年1月2日~平成19年1月1日生)の場合に、✓を付けます

年齢19歳以上23歳未満所得58万円超123万円以下(給与収入のみの場合は年収123万円超188万円以下)の親族については、令和7年度税制改正で新設された特定親族特別控除の適用を受けることができます(特定親族特別控除については、「特定親族特別控除の創設と源泉徴収事務への影響(令和7年度税制改正)」をご参照ください)
 年末調整で特定親族特別控除の適用を受けるには、「給与所得者の特定親族特別控除申告書」の提出が必要です。


(6) 非居住者である親族
 源泉控除対象配偶者が非居住者である場合に「非居住者である親族」欄に○を付けます。
 また、控除対象扶養親族が非居住者であり、その非居住者の年齢が16歳以上30歳未満又は70歳以上である場合には「非居住者である親族」欄の「16歳以上30歳未満又は70歳以上」に✓を付け、30歳以上70歳未満の場合には、「留学」、「障害者」又は「38万円以上の支払」のうち該当するいずれかの項目に✓を付けます。
 源泉控除対象配偶者や控除対象扶養親族が非居住者である場合、親族関係書類の添付等が必要です。
 また、上記の「留学」に✓を付けた場合は、留学ビザ等書類の添付等が必要です。

3.障害者、寡婦、ひとり親又は勤労学生の記入

(1) 同一生計配偶者
 同一生計配偶者が一般の障害者、特別障害者又は同居特別障害者に該当する場合には、該当する欄に✓を付けます。

※「同一生計配偶者」とは、あなたと生計を一にする配偶者(青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます)で、令和7年中の合計所得金額の見積額が58万円以下の人をいいます。

(2) 扶養親族
 扶養親族が一般の障害者、特別障害者又は同居特別障害者に該当する場合には、該当する欄に✓を付けます。
 なお、障害者控除の対象となる扶養親族は、控除対象扶養親族とは異なり、年齢16歳未満(平成22年1月2日以後生)の扶養親族も対象となります。

(3) 寡婦、ひとり親、勤労学生
 あなたが寡婦、ひとり親、勤労学生に該当する場合に✓を付けます
 寡婦は、ひとり親に該当しない女性で、以下のいずれかに当てはまる人です。

① 所得金額が500万円以下で、夫と離婚した後に婚姻をしておらず、扶養親族がいる
② 所得金額が500万円以下で、夫と死別した後婚姻をしていない、もしくは夫の生死が明らかでない

 ひとり親は、現在婚姻していない人、もしくは配偶者の生死が明らかでない一定の人のうち、以下のすべてに当てはまる人です。

① 所得金額が500万円以下である
② 生計を一にする子がいる
③ 事実上の婚姻関係にある人がいない

※寡婦、ひとり親については、本ブログ記事「ひとり親控除の新設と寡婦(夫)控除の改正」をご参照ください。

 勤労学生は、以下のすべてに当てはまる人です。

① あなたが学生である(小学校、中学校、高等学校、高等専門学校、大学の学生、国や地方公共団体、学校法人などが設立した専修学校、各種学校、または職業訓練学校のうち一定の要件を満たす学校の学生)
② アルバイトなどの勤労による所得金額が85万円以下である(収入が1つの勤務先からのアルバイト代(給与収入)のみならば、年収150万円以下)

令和7年度税制改正による基礎控除の引き上げに伴い、所得要件が従前の75万円から85万円に変わりました。

(4) 障害者又は勤労学生の内容
 左記の障害者又は勤労学生に該当する(人がいる)場合、その該当する事実やその人の氏名を記載します。
(例)障害者の場合・・・障害の状態又は交付を受けている手帳などの種類と交付年月日、障害の程度(等級)などの障害者に該当する事実を記載します。

(注)寡婦、ひとり親に該当する方について、死別、離婚、生死不明の別、生計を一にする子の氏名及びその子の所得の見積額など、寡婦又はひとり親に該当する事実の記載は必要ありません。

4.他の所得者が控除を受ける扶養親族等の記入

 他の所得者が控除を受ける扶養親族等の欄については、共働きなどで子供を扶養親族としなかった方が子供の氏名等を記入する欄ですが、空欄でも構いません。記入しなかったとしても「控除額が減り、損をする」というわけではありません。

5.住民税に関する事項の記入

(1) 16歳未満の扶養親族
 年齢16歳未満(平成22年1月2日以後生)の扶養親族について記載します。16歳未満の扶養親族は「扶養控除」の対象外ですが、住民税の計算で利用するためあわせて記載します。

(2) 控除対象外国外扶養親族
 国内に住所を有しない16歳未満の扶養親族に該当する場合に○を付けます。この場合、親族関係書類及び送金関係書類を令和8年3月16日までに住所所在地の市区町村に提出しなければならない場合があります。

(3) 退職手当等を有する配偶者・扶養親族
 退職手当等(源泉徴収されるものに限ります。以下同じです)の支払を受ける配偶者(あなたと生計を一にする配偶者で、令和7年中の退職所得を除いた合計所得金額の見積額が133万円以下であるものに限ります)又は扶養親族について記載します。

(4) 非居住者である親族
 退職手当等の支払を受ける配偶者が非居住者である場合には、「非居住者である親族」欄の「配偶者」に✓を付けます。
 また、退職手当等の支払を受ける扶養親族が非居住者であり、その非居住者の年齢が30歳未満又は70歳以上である場合には「非居住者である親族」欄の「30歳未満又は70歳以上」に✓を付け、30歳以上70歳未満の場合には、「留学」(留学により国内に住所及び居所を有しなくなった人)、「障害者」又は「38万円以上の支払」(あなたから令和7年中において生活費又は教育費に充てるための支払を38万円以上受ける人)のうち該当するいずれかの項目に✓を付けます。
 この場合、親族関係書類、留学ビザ等書類、送金関係書類及び38万円送金書類を令和8年3月16日までに住所所在地の市区町村に提出しなければならない場合があります。

(5) 令和7年中の所得の見積額(退職所得を除く)
 令和7年中の退職所得の金額を除いた合計所得金額の見積額を記載します。

(6) 障害者区分
 退職手当等の支払を受ける配偶者のうち同一生計配偶者(あなたと生計を一にする配偶者で、令和7年中の退職所得を除いた合計所得金額の見積額が58万円以下である人をいいます)又は扶養親族について、その配偶者又は扶養親族が障害者である場合は「一般」に✓を付け、特別障害者である場合は「特別」に✓を付けます。

(7) 寡婦又はひとり親
 退職所得を除くと令和7年中の合計所得金額の見積額が58万円以下となる扶養親族を有することにより、あなたが寡婦又はひとり親に該当する場合に、✓を付けます。

(注)記載欄が足りない場合は、適宜の様式に記載してこの申告書に添付します。なお、住民税では、扶養親族等の要件とされる所得の金額には、退職所得の金額は含めないこととされています。

扶養親族等の所得要件・住宅借入金等特別控除・生命保険料控除の見直し(令和7年度税制改正)

 2025(令和7)年度税制改正では、所得税の基礎控除や給与所得控除の引き上げ等が行われましたが、これに伴い、扶養控除等の対象となる扶養親族等の所得要件が見直されました。

 また、住宅借入金等特別控除や生命保険料控除についても見直しが行われていますので、以下ではこれらについて確認します。

※ 令和7年度税制改正の内容については、「基礎控除・給与所得控除の引き上げと源泉徴収事務・年収の壁への影響(令和7年度税制改正)」、「特定親族特別控除の創設と源泉徴収事務への影響(令和7年度税制改正)」、「令和7年度税制改正で年収の壁はこのように変わった!」をご参照ください。

1.扶養親族等の所得要件の改正

 基礎控除の改正に伴い、扶養控除、配偶者控除、ひとり親控除、障害者控除、寡婦控除、配偶者特別控除、勤労学生控除の対象となる扶養親族等の所得要件が、下表のように改正されました。

扶養親族等の区分 改正前の所得要件※1 改正後の所得要件※1
扶養親族
同一生計配偶者
ひとり親の生計を一にする子
48万円以下
(103万円以下)※2
58万円以下
(123万円以下)※2
配偶者特別控除の対象となる配偶者 48万円超133万円以下
(103万円超201万5,999円以下)※2
58万円超133万円以下
(123万円超201万5,999円以下)※2
勤労学生 75万円以下
(130万円以下)※2
85万円以下
(150万円以下)※2

※1 合計所得金額(ひとり親の生計を一にする子については総所得金額等の合計額)の要件をいいます。合計所得金額、総所得金額等については、「『合計所得金額』『総所得金額』『総所得金額等』の違いとは?」をご参照ください。
※2 表中のカッコ内の金額は、収入が給与だけの場合の収入金額です。特定支出控除の適用がある場合は、表の金額とは異なります。

2.住宅借入金等特別控除の改正

 子育て世帯・若い夫婦世帯※1が、①認定住宅等※2の新築、②認定住宅等で建築後使用されたことのないものの取得、③買取再販認定住宅等※3の取得をして、2025(令和7)年1月1日から同年12月31日までの間に居住の用に供した場合の住宅借入金等の借入限度額を次のとおりとして、所得税額の特別控除が適用できることとされました。

住宅の区分 改正前の借入限度額 改正後の借入限度額
認定住宅 4,500万円 5,000万円
ZEH水準省エネ住宅 3,500万円 4,500万円
省エネ基準適合住宅 3,000万円 4,000万円

※1 子育て世帯・若い夫婦世帯とは、年齢19歳未満の扶養親族のいる世帯又は夫婦のいずれかが年齢40歳未満の世帯をいいます。
※2 認定住宅等とは、認定住宅、ZEH水準省エネ住宅及び省エネ基準適合住宅をいいます。認定住宅とは、認定長期優良住宅及び認定低炭素住宅をいいます。
※3 買取再販認定住宅等とは、認定住宅等である既存住宅のうち宅地建物取引業者により一定の増改築等が行われたものをいいます。

 また、①認定住宅等の新築、②認定住宅等で建築後使用されたことのないものの取得に係る床面積要件について、合計所得金額1,000万円以下の者に限り40㎡に緩和(原則50㎡)する措置が、2025(令和7)年12月31日以前(改正前は2024(令和6)年12月31日以前)に建築確認を受けた家屋について適用できることとされました。

 なお、これらの住宅借入金等特別控除に関する今回の改正は、2025(令和7)年限りの時限的措置となっています。

3.生命保険料控除の改正

 生命保険料控除について以下の見直しが行われたほか、所要の措置が講じられました。この改正は、2026(令和8)年分の所得税について適用されます(2026(令和8)年分のみの適用)。

(1) 新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、23歳未満の扶養親族を有する場合の一般生命保険料控除の控除額は、次のとおり計算することとされました。

年間の新生命保険料 控除額
30,000円以下 新生命保険料の全額
30,000円超 60,000円以下 新生命保険料×1/2+15,000円
60,000円超 120,000円以下 新生命保険料×1/4+30,000円
120,000円超 一律60,000円

(2)  旧生命保険料及び上記(1)の適用がある新生命保険料を支払った場合の一般生命保険料控除の適用限度額が6万円(改正前は4万円)とされました。
 なお、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除及び個人年金保険料控除の合計適用限度額は、現行と同様の12万円となります。

特定親族特別控除の創設と源泉徴収事務への影響(令和7年度税制改正)

 2025(令和7)年度税制改正において、物価上昇局面における税負担の調整や就業調整対策の観点から、所得税の基礎控除や給与所得控除の引き上げ、、特定親族特別控除の創設等が行われました。

 これらの改正は、原則として2025(令和7)年12月1日に施行され、2025(令和7)年分以後の所得税から適用されます。

 前回は基礎控除と給与所得控除の引き上げについて確認しましたので、今回は新設された特定親族特別控除の内容と、この特定親族特別控除が2025(令和7)年の源泉徴収事務に与える影響について確認します。

※ 基礎控除と給与所得控除の引き上げについては、「基礎控除・給与所得控除の引き上げと源泉徴収事務・年収の壁への影響(令和7年度税制改正)」をご参照ください。

1.特定親族とは?

 2025(令和7)年度税制改正で、居住者が特定親族を有する場合には、その居住者の総所得金額等から、その特定親族1人につき、その特定親族の合計所得金額に応じて63万円~3万円を控除する特定親族特別控除が創設されました。

 特定親族とは、居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます)で合計所得金額が58万円超123万円以下の人をいいます。

 収入が給与だけの場合には、その年中の収入金額が123万円超188万円以下であれば、合計所得金額が58万円超123万円以下となります(給与収入123万円-給与所得控除65万円=58万円、給与収入188万円-給与所得控除65万円=123万円)。

 なお、親族の合計所得金額が58万円以下の場合は、特定親族特別控除の対象とはなりませんが、扶養控除の対象となります。

 居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族(配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人及び白色事業専従者を除きます)で合計所得金額が58万円以下の人は特定扶養親族に該当しますので、これまで通り扶養控除額は63万円となります。

2.特定親族特別控除額

 所得税の特定親族特別控除額は、下表のとおりです。

特定親族の合計所得金額
※カッコ内は収入が給与だけの場合の収入金額
特定親族特別控除額
58万円超 85万円以下 (123万円超 150万円以下) 63万円
85万円超 90万円以下(150万円超 155万円以下) 61万円
90万円超 95万円以下(155万円超 160万円以下) 51万円
95万円超 100万円以下(160万円超 165万円以下) 41万円
100万円超 105万円以下(165万円超 170万円以下) 31万円
105万円超 110万円以下(170万円超 175万円以下) 21万円
110万円超 115万円以下(175万円超 180万円以下) 11万円
115万円超 120万円以下(180万円超 185万円以下) 6万円
120万円超 123万円以下(185万円超 188万円以下)  3万円

 上の表のとおり、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族の収入が給与のみの場合は、年収150万円までは特定扶養控除と同額の63万円の控除が受けられ、年収150万円を超えても188万円までは、控除額が逓減する配偶者特別控除と同様の仕組みとなっています(いわゆる年収の壁については、「令和7年度税制改正で年収の壁はこのように変わった!」をご参照ください)。

3.源泉徴収事務への影響

 上記の税制改正は、原則として、2025(令和7)年12月1日に施行され、2025(令和7)年分以後の所得税及び2026(令和8)年度以後の住民税について適用されます。

 そのため、2025(令和7)年12月に行う年末調整など、2025(令和7)年12月以後の源泉徴収事務に変更が生じますが、11月までの給与の源泉徴収事務に変更は生じません

 したがって、2025(令和7)年分の給与の源泉徴収事務においては、2025(令和7)年12月に行う年末調整の際に、特定親族特別控除を適用します。

 なお、年末調整において特定親族特別控除の適用を受けようとする人は、給与の支払者に「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出する必要があります。

4.住民税の特定親族特別控除(参考)

 個人住民税における特定親族特別控除額は、下表のとおりです。

特定親族の合計所得金額
※カッコ内は収入が給与だけの場合の収入金額
特定親族特別控除額
58万円超 95万円以下(123万円超 160万円以下) 45万円
95万円超 100万円以下(160万円超 165万円以下) 41万円
100万円超 105万円以下(165万円超 170万円以下) 31万円
105万円超 110万円以下(170万円超 175万円以下) 21万円
110万円超 115万円以下(175万円超 180万円以下) 11万円
115万円超 120万円以下(180万円超 185万円以下) 6万円
120万円超 123万円以下(185万円超 188万円以下)  3万円

 上の表のとおり、生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族の収入が給与のみの場合は、年収160万円までは特定扶養控除と同額の45万円の控除が受けられ、年収160万円を超えても188万円までは、控除額が逓減する配偶者特別控除と同様の仕組みとなっています。

基礎控除・給与所得控除の引き上げと源泉徴収事務・年収の壁への影響(令和7年度税制改正)

 2025(令和7)年度税制改正において、物価上昇局面における税負担の調整や就業調整対策の観点から、所得税の基礎控除や給与所得控除の引き上げ、、特定親族特別控除の創設等が行われました。

 これらの改正は、原則として2025(令和7)年12月1日に施行され、2025(令和7)年分以後の所得税から適用されます。

 以下では、基礎控除と給与所得控除の引き上げの内容と、これらの引き上げが2025(令和7)年の源泉徴収事務や、いわゆる年収の壁に与える影響について確認します。

※ 特定親族特別控除については、「特定親族特別控除の創設と源泉徴収事務への影響(令和7年度税制改正)」をご参照ください。

1.基礎控除の引き上げ

 令和7年度税制改正により、合計所得金額が2,350万円以下である個人の基礎控除額が48万円から10万円引き上げられ、58万円となりました。

 さらに、低~中所得者層の税負担への配慮から、基礎控除の特例として、所得額に応じて58万円に37万円~5万円の上乗せが行われています。

 なお、基礎控除の改正は所得税のみの改正であり、住民税の基礎控除額は従前通りの43万円です。

 改正後の所得税の基礎控除額は、下表のとおりです。

合計所得金額
※カッコ内は収入が給与だけの場合の収入金額※2
基礎控除額
改正前 令和7・8年分 令和9年分以後
132万円以下
(200万3,999円以下)
48万円 95万円※1 95万円※1
132万円超~336万円以下
(200万3,999円超~475万1,999円以下)
88万円※1 58万円
336万円超~489万円以下
(475万1,999円超~665万5,556万円以下)
68万円※1
489万円超~655万円以下
(665万5,556円超~850万円以下)
63万円※1
655万円超~2,350万円以下
(850万円超~2,545万円以下)
58万円
2,350万円超~2,400万円以下
(2,545万円超~2,595万円以下)
48万円※3
2,400万円超~2,450万円以下
(2,595万円超~2,645万円以下)
32万円※3
2,450万円超~2,500万円以下
(2,645万円超~2,695万円以下)
16万円※3
2,500万円超
(2,695万円超)
0円※3

※1 基礎控除の特例として、58万円にそれぞれ37万円、30万円、10万円、5万円を加算した金額となります(この加算は居住者についてのみ適用があります)。
 なお、合計所得金額132万円以下の低所得者層への特例は恒久的措置となりますが、132万円超~655万円以下の中所得者層への特例は令和7年分及び令和8年分の期間限定となります。
※2 特定支出控除や所得金額調整控除の適用がある場合は、表の金額とは異なります。
※3 合計所得金額2,350万円超の場合の基礎控除額に改正はありません(合計所得金額については、「『合計所得金額』『総所得金額』『総所得金額等』の違いとは?」をご参照ください)。

2.給与所得控除の引き上げ

 令和7年度税制改正により、給与の収入金額が190万円以下の個人について、給与所得控除額の最低保障額が55万円から65万円に引き上げられました。

 給与所得控除の改正は、所得税だけではなく住民税にも適用されます(令和7年分以後の所得税及び令和8年度以後の住民税)。

 改正後の給与所得控除額は、下表のとおりです。

給与の収入金額(A) 改正前 令和7年分以後
162万5,000円以下 55万円 65万円
162万5,000円超~180万円以下 A×40%-10万円
180万円超~190万円以下 A×30%+8万円
190万円超~360万円以下 同左
360万円超~660万円以下 A×20%+44万円
660万円超~850万円以下 A×10%+110万円
850万円超 195万円(上限)

3.源泉徴収事務と年収の壁への影響

 上記1及び2の税制改正は、原則として、2025(令和7)年12月1日に施行され、2025(令和7)年分以後の所得税及び2026(令和8)年度以後の住民税について適用されます。

 そのため、2025(令和7)年12月に行う年末調整など、2025(令和7)年12月以後の源泉徴収事務に変更が生じますが、11月までの給与の源泉徴収事務に変更は生じません。

 したがって、2025(令和7)年分の給与の源泉徴収事務においては、2025(令和7)年12月に行う年末調整の際に、改正後の基礎控除額と「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」に基づいて1年間の税額を計算し、改正前の「源泉徴収税額表」によって計算した源泉徴収税額との精算を行います。

 なお、基礎控除と給与所得控除の改正により、所得税が課税されない給与収入(いわゆる年収の壁)が、これまでの103万円から令和7年分は160万円(基礎控除95万円+給与所得控除65万円)に変わります

 また、給与所得控除の改正により、住民税が課税されない給与収入については、これまでの概ね100万円から2026(令和8)年度は110万円(45万円+給与所得控除65万円)に変わります(各自治体によって異なります)

※ 年収の壁については、「令和7年度税制改正で年収の壁はこのように変わった!」をご参照ください。

子どもの養育費を支払っている親はその子どもを扶養控除の対象にできるか?

 離婚によって子どもと離れて暮らすことになった親は、その子どもの生活や教育のために、子どもを引き取った親(元配偶者)に対して養育費を支払わなければなりません。

 一般的には子どもを引き取った親が親権者になりますが、親権者でなくなった親であっても子どもの親であることに変わりはありませんので,親として養育費の支払義務を負います。

 子どもの養育費を支払っている親にとっては、その子どもを扶養控除の対象とすることができれば、自らの税負担を減らすことができます。

 しかし、離れて暮らしていてもいいのか?あるいは親権者でなくてもいいのか?など、扶養控除を受けるにあたって判然としない点もあります。

 この点について結論を先に述べると、扶養控除を受けるにあたって「同居していること」や「親権者であること」という要件はありませんので、離れて暮らしていても親権者でなくても、扶養控除の適用要件を満たしていれば扶養控除を受けることができます。

 以下において、離婚に伴う養育費の支払いと扶養控除の適用関係について確認します。

1.扶養控除の適用要件

 扶養控除とは、納税者に特定の要件に該当する扶養親族がいる場合、一定の金額(38万円~63万円)を所得金額から控除できる制度です。
 特定の要件に該当する扶養親族とは、次の要件すべてに該当する親族をいいます。

(1) 配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます)または都道府県知事から養育を委託された児童(いわゆる里子)や市町村長から養護を委託された老人であること

(2) 納税者と生計を一にしていること

(3) 年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)

(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと

 上記4要件を満たす扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人を控除対象扶養親族といい、扶養控除の対象となります。

 離れて暮らす子どもが控除対象扶養親族であるか否かについて、上記の(1)、(3)、(4)、16歳以上という要件については、形式的に判断できますので特に問題はないと思います。

 判断に迷うのは、養育費の支払いが上記(2)の「生計を一にしていること」に該当するか否かだと思われますので、この点について次に確認します。

※ 2025(令和7)年度税制改正で、(3)の要件は「年間の合計所得金額が58万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が123万円以下)」に変わりました。
 詳細については、「
扶養親族等の所得要件・住宅借入金等特別控除・生命保険料控除の見直し(令和7年度税制改正)」をご参照ください。

2.「生計を一にする」とは?

 「生計を一にする」とは、必ずしも同居していることを要件とするものではありません。
 例えば、勤務、修学、療養等のために別居している場合であっても、余暇には起居を共にすることを常例としている場合や、常に生活費、学資金、療養費等の送金が行われている場合には、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。

 したがって、離れて暮らす子どもが「生計を一にしている」とみることができるかどうかは、離婚に伴う養育費の支払いが「常に生活費等の送金が行われている場合」に当たるか否かによることとなりますが、次のような場合には、扶養控除の対象として差し支えないものとされています。

(1) 扶養義務の履行として支払われる場合

(2) 子が成人に達するまでなど一定の年齢等に限って支払われる場合


 なお、離婚に伴う養育費の支払いが(1)及び(2)のような状況にある場合において、それが一時金として支払われる場合は、「常に生活費等の送金が行われている場合」に該当しないと考えられるため、扶養控除を受けることはできません。

 一方、一時金として支払われる場合であっても、子どもを受益者とする信託契約(契約の解除については元夫婦の両方の同意を必要とするものに限ります)により養育費に相当する給付金が継続的に給付されているときには、その給付されている各年について「常に生活費等の送金が行われている場合」に該当すると考えられるため、扶養控除を受けることができます。
 ただし、信託収益は子どもの所得となりますので、信託収益を含めて子どもの所得金額の判定を行う必要があります。

 また、離れて暮らす親と引き取った親の両方の控除対象扶養親族に子どもが該当する場合には、いずれか一方の親だけしか扶養控除を受けることができません(重複適用はありません)。

※ 離婚に伴う財産分与の課税関係については、本ブログ記事「離婚により自宅を財産分与した場合にかかる税金は?」をご参照ください。

他の者の青色事業専従者を配偶者控除・扶養控除の対象とできるか?

 青色申告者の事業専従者として給与の支払を受ける人または白色申告者の事業専従者である人は、控除対象配偶者や扶養親族にはなれません。

 例えば、青色申告者である夫が、その夫の事業に従事している同一生計の妻に給与を支払っている場合、たとえ給与の支払総額が年間で103万円以内であったとしても、夫は妻を控除対象配偶者とすることができません(夫は配偶者控除を受けることができません)。

 これはよく知られた一般的な例ですが、事業専従者と配偶者控除・扶養控除との関係については、その判断に迷うケースもあります。
 例えば、以下のようなケースです。

※ 2025(令和7)年度税制改正で、配偶者控除や扶養控除の所得要件が合計所得金額58万円以下(給与収入以外に所得が無い場合は給与収入123万円以下)に変わりました。
 2025(令和7)年度税制改正の内容については、「
基礎控除・給与所得控除の引き上げと源泉徴収事務・年収の壁への影響(令和7年度税制改正)」、「扶養親族等の所得要件・住宅借入金等特別控除・生命保険料控除の見直し(令和7年度税制改正)」、「令和7年度税制改正で年収の壁はこのように変わった!」をご参照ください。

1.他の者の青色事業専従者である場合

 サラリーマンであるAさんの妻Bさんは、AさんBさんと生計を一にする父Cさんの青色事業専従者として月額8万円(年間96万円)の給与の支給を受けています。
 この場合、AさんはBさんを控除対象配偶者とすることができるでしょうか(Aさんは配偶者控除を受けることができるでしょうか)?

 答えは「否」です。AさんはBさんを控除対象配偶者とすることができません。

 このケースでは、BさんはAさんの事業に従事しているのではなく、Cさんの事業に従事して青色事業専従者給与の支給を受けています。
 したがって、CさんがBさんを扶養控除の対象にすることができないことに疑問の余地はありません。

 一方、Aさんにとっては、Bさんは自分の青色事業専従者ではないため、Bさんを配偶者控除の対象にできそうにも思えます。
 しかし、AさんはBさんを控除対象配偶者とすることができません。

 理由は次のとおりです。

2.誰の青色事業専従者であるかは問わない

 まず、配偶者控除の適用要件を確認すると、控除対象配偶者となるのは、その年の12月31日の現況で、次の4つの要件のすべてに当てはまる人です。

(1) 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
(2) 納税者と生計を一にしていること
(3) 年間の合計所得金額が48万円以下であること(2025令和7)年度税制改正後は58万円以下
(4) 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないことまたは白色申告者の事業専従者でないこと

 上記要件のうち(2)~(4)は同一生計配偶者の要件ですが、(4)に注目すると、BさんはAさんの事業専従者として給与の支払を受けていませんので、要件をクリアしているように見えます。

 しかし、同一生計配偶者について条文にかえって確認すると、所得税法第2条第1項第33号に次のように定義されています。

三十三 同一生計配偶者 居住者の配偶者でその居住者と生計を一にするもの(第57条第1項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)に規定する青色事業専従者に該当するもので同項に規定する給与の支払を受けるもの及び同条第3項に規定する事業専従者に該当するもの(第33号の4において「青色事業専従者等」という。)を除く。)のうち、合計所得金額が48万円以下である者をいう。

 所得税法第2条第1項第33号の「同一生計配偶者」の定義では、同法第57条第1項(事業に専従する親族がある場合の必要経費の特例等)に規定する青色事業専従者に該当するものを除くとされているのみであって、その居住者の専従者であるとする規定ぶりではないことがわかります。

 つまり、BさんがAさんの専従者であるかどうかは関係なく、Bさんが青色事業専従者に該当するならば同一生計配偶者から除かれるということです。

 したがって、いったん生計を一にする他の者(Cさん)の事業専従者となった者(Bさん)については、その年においてAさんの控除対象配偶者とすることはできません。

 

定額減税の年調減税事務の流れ

 2024(令和6)年分所得税については定額減税が実施されていますので、年末調整の際には、例年の年末調整と異なり年調減税事務を行う必要があります。

 年調減税事務では、年末調整の際、年末調整時点の定額減税額(以下「年調減税額」といいます)に基づき、年間の所得税額との精算を⾏います。

 今回は、定額減税の年調減税事務の流れ(手順)について確認します。

1.年調減税事務の対象となる人

 令和6年の年末調整において年調減税事務の対象となる人は、原則として、年末調整の対象となる人です。

 具体的には、前年以前から引き続き勤務している人や年の中途で就職し年末まで勤務している人(青色事業専従者を含みます)で、「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書※1」を年末調整を行う日までに提出している人です(給与の収入金額が2,000万円を超える人を除きます)。

 この年末調整の対象となる⼈が、原則として、年調所得税額から年調減税額を控除する対象者(年調減税事務の対象者)となります※2

 ただし、年末調整の対象となる⼈のうち、給与所得以外の所得を含めた合計所得⾦額が1,805万円を超えると⾒込まれる⼈については、年調減税額を控除しないで年末調整を⾏うことになります※3

※1 扶養控除等(異動)申告書については、本ブログ記事「令和6年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方と記載例」をご参照ください。

※2 年調所得税額とは、年末調整により算出された所得税額で、住宅借入⾦等特別控除の適用を受ける場合には、その控除後の⾦額をいいます。つまり、例年通りの計算方法で年調所得税額を算出します。

※3 年末調整において合計所得⾦額が1,805万円を超えるかどうかは、基礎控除申告書により把握した合計所得⾦額を用います。

2.年調減税額の計算

 年調減税額は、「本人30,000円」と「同一生計配偶者と扶養親族1人につき30,000円」との合計額となります。

 年調減税額の計算に当たっては、「扶養控除等(異動)申告書」や「配偶者控除等申告書」などから、年末調整を行う時の現況における同一生計配偶者の有無及び扶養親族(同一生計配偶者及び扶養親族はいずれも居住者に限ります)の人数を確認することになります※4

 なお、同一生計配偶者(居住者に限ります)を年調減税額の計算に含めるためには、従業員本人が「配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書」にその配偶者を記載して提出する必要があります※5

※4 定額減税における「同一生計配偶者」と「扶養親族」の内容については、本ブログ記事「定額減税と年末調整で異なる『同一生計配偶者』『扶養親族』の範囲に注意!」をご参照ください。

※5 基礎控除申告書および配偶者控除等申告書に、本人(配偶者)定額減税対象のチェック欄が追加されました。所得金額などから、年調減税額の対象となる場合はチェックを付けます。
 また、年末調整に係る定額減税のための申告書が追加されました。従業員本人の令和6年中の合計所得金額の見積額が1,000万円超で、かつ居住者である同一生計配偶者(令和6年中の合計所得金額の見積額が48万円以下)を年調減税額の計算対象とする場合は、こちらに記載します。

3.年調年税額の計算(年調減税額の控除)

 年調減税額の控除は、住宅借入金等特別控除後の所得税額(年調所得税額)から、その住宅借入金等特別控除後の所得税額を限度に行います。年調年税額の計算手順は次のとおりです。

(1) 年調所得税額の計算
 例年通りの計算方法で、年調所得税額を算出します。

(2) 年調減税額の控除
 年調所得税額から年調減税額を控除します。この金額(下図の「定額減税額控除後の所得金額」)に102.1%(復興特別所得税)を乗じて年調年税額を算出し、過不足額の精算を行います。

出所:国税庁ホームページ

4.源泉徴収簿の作成

 上記2で求めた「年調減税額」、上記3で求めた「年調所得税額から年調減税額を控除した金額」、「年調減税額のうち控除しきれなかった金額(控除外額)」がある場合はその額(無い場合は0円)を、それぞれ源泉徴収簿の余白に記載します。

出所:国税庁ホームページ

 上の例において、「年調所得税額㉔163,600円」を算出するところまでは例年通りです。例年と変わるのは、「年調年税額㉕44,500円」の記入方法です。

 まず、源泉徴収簿の余白に「㉔-2 120,000円」(年調減税額)を記入します。

 次に、源泉徴収簿の余白に「年調所得税額㉔163,600円」から「㉔-2 120,000円」(年調減税額)を控除し、その控除後の残額を「㉔-3 43,600円」と記入します。
 このとき、年調減税額のうち控除しきれなかった⾦額はありませんので、余白に「㉔-4 0円」(控除外額)と記入します。
 年調減税額のうち控除しきれなかった⾦額があるときは、余白に「㉔-3 0円」と記入し、「㉔-4 〇〇〇円」(控除外額)と記入します。

 最後に、「㉔-3 43,600円」(年調減税額控除後の年調所得税額)に102.1%を乗じて復興特別所得税を含む年調年税額44,500円を算出し(100円未満切り捨て)、「年調年税額㉕」欄に記入します。

 この後の手順は例年通りです。「年調年税額㉕44,500円」と「税額⑧204,810円」とを比べて過不⾜額160,310円を「差引超過額⼜は不⾜額㉖」欄に記入し、通常の年末調整と同様にその過不⾜額の精算(160,310円の還付)を⾏います。

5.源泉徴収票の記載例

(1) 年末調整を行った一般的な場合

 年末調整終了後に作成する「令和6年分給与所得の源泉徴収票」には、その「(摘要)」欄に、実際に控除した年調減税額を「源泉徴収時所得税減税控除済額120,000円」と記載します。
 また、年調減税額のうち年調所得税額から控除しきれなかった⾦額がない場合は「控除外額0円」と記載します。
 控除しきれなかった⾦額がある場合は、「控除外額〇〇〇円」と記載します。

出所:国税庁ホームページ

(2) 非控除対象配偶者分の定額減税を受けた場合

 合計所得⾦額が1,000万円超である居住者の同一生計配偶者(以下「非控除対象配偶者」といいます)分を年調減税額の計算に含めた場合には、上記(1)に加えて「非控除対象配偶者減税有」と「(摘要)」欄に記載します。

出所:国税庁ホームページ

(3) 非控除対象配偶者が障害者に該当する場合

 非控除対象配偶者を有する人で、その同一生計配偶者が障害者、特別障害者⼜は同居特別障害者に該当する場合は、「(摘要)」欄に同一生計配偶者の氏名及び同一生計配偶者である旨を記載することとされていますが、この場合に当該非控除対象配偶者分を年調減税額の計算に含めた場合には、「減税有」の追記で差し⽀えありません。

出所:国税庁ホームページ

(4) 年末調整を行っていない場合

 年末調整を⾏わずに退職した人や、令和6年分の給与の収入⾦額が2,000万円を超えるなどの理由により年末調整の対象とならなかった人については、その「令和6年分給与所得の源泉徴収票」の「(摘要)」欄には、定額減税の情報を記載する必要はありません※6
 なお、「源泉徴収税額」欄には、控除前税額から月次減税額を控除した後の実際に源泉徴収した税額の合計額を記載することになります。

※6 関連記事:「令和6年6月1日以後に退職した人の定額減税(年調未済の場合)

令和6年6月1日以後に退職した人の定額減税(年調未済の場合)

 2024(令和6)年6月1日以後最初に支払われる給与・賞与から、所得税の定額減税(月次減税)が開始されています。

 定額減税(月次減税)の対象となるのは、令和6年6月1日(以下「基準日」といいます)現在において給与の支払者のもとで勤務している人のうち、給与所得の源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人(その給与の支払者に扶養控除等申告書を提出している居住者の人)です。

 今回は、定額減税(月次減税)の対象である給与所得者が、年末調整を受けずに年の中途で退職した場合の定額減税について確認します。

※ 定額減税の対象である給与所得者の年末調整については、「定額減税の年調減税事務の流れ」をご参照ください。

1.退職日までの給与について会社は月次減税を行う

 基準日以後に退職した人は、退職日まではその給与の支払者のもとに勤務していますので、基準日現在において扶養控除等申告書を提出していれば、退職日までの給与について会社は定額減税(月次減税)を行います。

2.退職者に渡す源泉徴収票の記載方法

 基準日以後に給与所得者が退職した場合には、源泉徴収の段階で定額減税の適用を受けた上、再就職先での年末調整又は確定申告で最終的な定額減税との精算を行うこととなるため、「令和6年分給与所得の源泉徴収票」の「摘要」欄には、定額減税に関する情報(源泉徴収時所得税減税控除済額×××円、控除外額××× 円)を記載する必要はありません。

 なお、「源泉徴収税額」欄には、控除前税額から月次減税額を控除した後の実際に源泉徴収した税額の合計額を記載することになります。

3.再就職後の月次減税

 前の勤務先で定額減税(月次減税)を受けていた人が、基準日以後に年末調整を受けずに年の中途で退職し、その後において国内にある他の企業等へ再就職して再就職先で主たる給与の支給を受ける場合は、月次減税は行われません。
 この場合は、年末調整時に年調減税を受けることになります。

4.退職所得に係る源泉所得税の定額減税

 退職所得の源泉徴収の際に定額減税は実施されませんが、令和6年分の退職所得を有する人(居住者)は、その退職所得を含めた所得に係る所得税について、確定申告により定額減税額の控除を受けることができます。

 したがって、給与等に係る源泉徴収において控除しきれなかった定額減税額がある場合には、令和6年分の確定申告書を提出することで、退職所得を含めた所得に係る所得税について、定額減税の適用を受けることができます。

※ 関連記事:「退職所得の受給に関する申告書を提出した人が還付を受けるためにする確定申告」、「給与所得者と公的年金等受給者の確定申告不要制度の注意点