印紙を貼り間違えたときは返金してもらいましょう

1.還付の対象となるもの

 本来の印紙税額を超えて多めに収入印紙を貼ってしまったときや、印紙を貼る必要のない文書に誤って収入印紙を貼ってしまったときなどは、印紙税の還付を受けることができます。
 具体的には、以下のようなケースが還付の対象になります。

(1) 請負契約書や領収書などの印紙税の課税文書に貼り付けた収入印紙が過大となっているもの
(2) 委任契約書などの印紙税の課税文書に該当しない文書を、印紙税の課税文書と誤認して収入印紙を貼り付けてしまったもの
(3) 印紙税の課税文書の用紙に収入印紙を貼り付けたものの、使用する見込みのなくなったもの

 なお、収入印紙は、印紙税の納付のみでなく、登録免許税やパスポート引換えの際の手数料又は訴訟費用の納付等多くの用途に用いられます。このうち、印紙税法第14条の規定により還付の対象になるのは、印紙を納付する目的で、印紙税の納付の必要がない文書に誤って印紙を貼り付けたり、課税文書に所定の金額を超える印紙を貼り付けたりした場合等です。
 したがって、印紙により納付することになっている登録免許税や訴訟費用等を納付するための文書に印紙を貼り付けたものは、たとえ誤って貼り付けたものであっても印紙の納付が目的ではないため、印紙税の還付を受けることができません。

2.還付を受ける方法

 印紙税法による還付を受けるためには、税務署に用意されている「印紙税過誤納確認申請書」に必要事項を記入のうえ、納税地の税務署長に提出します。この場合の納税地は、文書の種類や記載内容などによってそれぞれ異なる場合がありますので、ご注意ください(印紙税過誤納[確認申請・充当請求]手続については、国税庁ホームページを参照)。
 なお、還付の申請に当たっては、印紙税が過誤納となっている文書と印鑑、法人の場合は代表者印が必要となります。
 還付される税金は、銀行口座振込あるいは郵便局を通じての送金となるため、還付金を受け取るまでに若干の日数がかかります。
 また、過誤納した印紙税の還付を請求できるのは、その請求をすることができる日(文書を作成した日)から5年以内です。5年を経過すると、印紙税を含めた国税に係る過誤納金を国に請求できる権利は消滅します。

3.印紙税の納税地

 印紙税の納税地は、印紙を購入した場所ではありません。基本的には、課税文書にその作成場所が記載されている場合は、その作成場所が納税地になります(印紙税法第6条第4号)。
 しかし、契約書に「○○県○○市○○区○-○-○にて作成」というように、その作成場所を明確に記載することはあまりないと思われます。
 作成場所が明らかでない場合は、次のようにして納税地を決定します。

(1) 課税文書の作成者が1人の場合(単独作成)

 受取書等のように、課税文書の作成者が1人の場合で、その作成者の事業に係る事務所、事業所、その他これらに準ずるものの所在地が記載されている場合には、その所在地が納税地になります。
 また、事業に係る事務所等が記載されていない場合には、受取書等の作成時における作成者の住所(住所がない場合には居所)が納税地になります。

(2) 2人以上が共同で課税文書を作成した場合(共同作成)

 例えば、不動産売買契約書のように、売主と買主が共同で課税文書を作成した場合には、それぞれの作成者が課税文書を所持している場所が納税地となります。
 また、課税文書の作成者以外の者が課税文書を所持している場合は、その文書に最初に記載されている作成者の所在地又は住所地が納税地となります。