年末調整を行うにあたっては、いつからいつまでの給与が対象になるのかを確認しなければなりません。
例えば、給与計算期間が前月の21日から当月の20日までで支給日が当月の25日の場合は、1月25日支給分から12月25日支給分までの給与が年末調整の対象となります。
また、給与計算期間が当月の1日から当月の31日(月末)までで支給日が翌月の10日の場合は、1月10日支給分から12月10日支給分までの給与が年末調整の対象となります。
このとき、給与計算期間が12月1日から12月31日までで支給日が翌年の1月10日である給与は、本年の年末調整の対象とはなりません※1。
つまり、年末調整の対象となる給与は、給与計算期間ではなく支給日で判断するということです※2。
では、支給日が到来しているにもかかわらず、何らかの理由(例えば資金繰りなどの都合)で未払となっている給与がある場合、その未払となっている給与は年末調整の対象となるのでしょうか?
年末調整は、その年最後に給与を支払うときまでに「給与所得者の扶養控除等申告書※3」を提出している一定の人について行います。
年末調整の対象となる給与は、その年の1月1日から12月31日まで(年の中途で死亡により退職した人等については、その退職等の時まで)の間に支払うことが確定した給与です。
そのため、実際に支払ったかどうかに関係なく未払の給与もその年の年末調整の対象となります。
したがって、支給日が到来しているにもかかわらず未払となっている給与がある場合は、その未払となっている給与も含めて年末調整を行います。
逆に、前年に未払になっている給与を今年になって支払っても、その支払った年の年末調整の対象となる給与には含まれませんのでご注意ください。
※1 翌月払いの給与の年末調整については、「翌月に支給する給与は年末調整の対象となるか?」をご参照ください。
※2 年末調整は、本年中に支払の確定した給与、すなわち給与の支払を受ける人にとっては収入の確定した給与の総額について行います。
この場合の収入の確定する日(収入すべき時期)は、契約または慣習により支給日が定められている給与についてはその支給日、支給日が定められていない給与についてはその支給を受けた日をいいます(所得税基本通達36-9(1))。
※3 扶養控除等申告書の書き方と記載例については、「令和7年分給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方と記載例」をご参照ください。