令和6年度国民年金保険料と免除制度・納付猶予制度

 年金制度は、すべての国民に共通の基礎年金を支給する制度と基礎年金にさらに年金を上乗せする制度とがあり、全体として「2階建て」の年金制度となっています。
 「2階建て」年金制度の1階部分(基礎年金を支給する制度)を担うのが国民年金で、2階部分(基礎年金にさらに年金を上乗せする制度)を担うのが厚生年金などです。

 国民年金の保険料は定額で、第1号被保険者(20歳以上60歳未満の自営業者、農業者、学生、無職の方など)は自分で負担します。
 第2号被保険者(70歳未満の会社員や公務員など厚生年金の加入者)は、加入する制度からまとめて国民年金に拠出金が支払われますので、厚生年金の保険料以外に保険料を負担する必要はありません。
 第3号被保険者(厚生年金に加入している第2号被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者)は、配偶者が加入する制度から拠出されるため、本人は国民年金の保険料を負担する必要はありません。
 
 以下では、第1号被保険者の国民年金保険料と免除制度等の概要について確認します。

1.令和6年度国民年金保険料

 2024(令和6)年4月から2025(令和7)年3月までの国民年金第1号被保険者の保険料は次のとおりです。

納付方法 1ヵ月分 6ヵ月分 1年分 2年分
毎月納付 16,980円 101,880円 203,760円 413,880円
現金・クレジット(カッコ内は割引額) 1ヵ月前納はありません 101,050円(830円) 200,140円(3,620円) 398,590円(15,290円)
口座振替(カッコ内は割引額) 16,920円(60円) 100,720円(1,160円) 199,490円(4,270円) 397,290円(16,590円)

2.保険料の免除制度・納付猶予制度

 第1号被保険者の方で所得が少ない場合や失業等により国民年金保険料の納付が困難なときは、本人の申請によって保険料の納付が免除・猶予される制度があります。
 ただし、学生の方は下記(1)(2)の申請ができず、国民年金に任意加入している方は(1)(2)(3)の申請ができません。

(1) 免除(全額免除・一部免除)制度
 本人、配偶者、世帯主それぞれの前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が一定額以下の場合や、失業等の事由がある場合に、保険料が全額免除または一部免除(4分の3、半額、4分の1)となります。
 免除申請は、一定の将来期間の他、過去2年(申請月の2年1ヵ月前の月分)までさかのぼってすることができます(すでに国民年金の保険料が納付済の月は対象外です)。
 なお、一部免除については、減額された保険料を納めないと未納期間となりますのでご注意ください。

※ 保険料免除の所得基準(年額)は次のとおりです(前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であることが必要です)。

免除割合 計算式
全額免除 (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
4分の3免除 88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除 128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除 168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

(2) 納付猶予制度
 20歳以上50歳未満の方で、本人、配偶者それぞれの前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が一定額以下の場合や、失業等の事由がある場合に、保険料の納付が猶予されます。

※ 納付猶予の所得基準(年額)は次のとおりです(前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であることが必要です)。

制度 計算式
納付猶予制度 (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円

(3) 学生納付特例制度
 日本国内に住むすべての方は20歳になった時から国民年金の被保険者となり保険料の納付が義務づけられていますが、学生の方には、申請により在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」が設けられています。
 学生納付特例を受けようとする年度の前年の所得が一定以下の学生の方が対象です。なお、家族の方の所得の多寡は問いません。

※ 学生納付特例の所得基準(年額)は次のとおりです(前年所得が以下の計算式で計算した金額の範囲内であることが必要です)。

制度 計算式
学生納付特例制度 128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等