法人事業概況説明書を軽視していませんか?

1.概況書は提出義務のある添付書類

 2018年(平成30年)4月1日以後終了事業年度分から法人事業概況説明書の様式が改訂されています。
 法人事業概況説明書は、2006年度(平成18年度)税制改正により、決算書や勘定科目内訳明細書などと一緒に確定申告書に添付する書類として義務付けられています。
 決算書や勘定科目内訳明細書は、間違いの無いように慎重に作成される場合が多いように思うのですが、法人事業概況説明書の作成は、これらに比べるとやや慎重さに欠けるような気がします。 

2.間違いの多い記載例

 間違いが多いのは、次の2点です。

① 表面の「資産の部合計」欄が、「負債の部合計」欄と「純資産の部合計」欄の計と一致していない。
② 裏面の「源泉徴収税額」欄が、年末調整による過不足額の精算をしているにもかかわらず精算後 の税額を記載していない(源泉徴収税額をそのまま記載している)。

 ①については、財務データから連動して法人事業概況説明書を自動作成する会計ソフトを使用していても、資産=負債+純資産となっていない場合がありますので注意が必要です。
 また、②については、12月に年末調整を行い、例えば源泉徴収税額(給与からの天引き額)が100,000円、年末調整による超過税額(還付額)が120,000円の場合、正しくは△20,000円(またはー20,000円)と記載しますが、誤って100,000円と記載しているケースです。
 国税庁のホームページに「法人事業概況説明書の書き方」が掲載されていますので、初心に帰って確認してみるのもいいかもしれません。